視線

別荘に来て3日


別荘に来てから視線を感じることが増えた。


部屋にいても誰かに見られている気がして不安になる。


家族には心配するから言っていないけれど・・・。



「お兄様、これから図書館に行ってきます」


「図書館か。うん、わかった。護衛はどうする?」


「近いから大丈夫です。すぐに帰ってきますので」


「気を付けてな」


「はい」


図書館まで徒歩10分だから大丈夫よね。


私は油断していた。



図書館に向かっていると

ムーア先生が私に手を振っている姿が見えた。


「ホワイト嬢会えて嬉しいです♪」


「ムーア先生も図書館に向かうのですか?」


「ええ」


私が歩き出すと

後ろから抱きしめられ

口に布をあてられた。



ムーア先生なぜ・・・


私は意識を失った・・・。





「ここはどこ?」


ガタゴトと動いている馬車の中で目が覚めた。


私、確か図書館に行ってたはずよね。


図書館前でムーア先生に会ってから口に布をあてられてからの記憶がないわ。


布に薬が塗られていたと考えてよさそうね・・・。


でも、なぜムーア先生が私にこんなことをするのかわからない。


両手首は縄で縛られている。



「やぁ、目が覚めたようだね。ホワイト嬢。なかなか目覚めないから焦ったよ」


「ムーア先生、なぜ私を連れ去ったのですか?早く返して下さい」


「なぜって、やっぱり君はなにも覚えていないんだね・・・誰も邪魔されないところに行くのさ」


なにを言ってるの?


私はムーア先生に会ったことはないわ。



早くここから逃げなくちゃ・・・。


「ムーア先生お願いします。私を家に帰らせて下さい」


「それは出来ない。これから君は俺とずっと一緒にいるんだよ」


笑顔だけど目は笑ってなくて怖い・・・。


誰か助けて下さい・・・ライアン様・・・

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