第28話高嶺の花⑯
「カット。最高だね。君もしかして俳優やってた」
素のままの自分を演じてただけなので、特別違うことをしているわけじゃない。
褒められてるんだけど、けなしてるよね監督。
俺達の撮った映画は日本で近いうちに公開になるらしい。
それと撮った話しは主人公達の中学時代の話しに少しだけ出てくるだけなので、あまり見せ場はないから期待しないで欲しいそうだ。
「本場のハンバーガーって普通のサイズ頼んだはずなのにデカいね」
俺は単純に驚いてしまった。
「私も最初見た時、ビックリしちゃいましたよ」
「俺も最初は驚いたかな。それと朝飯食べるつもりが、完全に夕食になっちゃてるけどね」
まぁそれはしょうがないだろ。
監督が中々納得しないでカット、カットの連続じゃあね。
「それよりも明日はどこに行くの?」
俺を忘れたかの様な、カップルの声のトーンで、庄内が俊介にきいていた。
「そうだな…今日を抜いて4日間はゆっくりと豪華客船にでも乗ってゆっくりしよう」
「え、でも私達チケットも持ってないし、お金だってそれほど持ってないわよ」
「大丈夫それは俺の方で何とかしとくから」
今いちピンとはこなかったけど、どうやら凄い物に乗るんだと事だけが分かった。
隣で庄内がキャッキャと騒いでいるので。
何となくだが、俺は乗り物系で船が1番事故が起きるような気がするんだよな。
多分あの有名な映画な影響だと思うが。
「明日美咲の隣はどっちが相応しいがケリをつけるぞ」 と小さな声で囁かれた。
「はい?」
いや、だから俺は別に庄内に特別な感情はないんだよ。
あれだろ。
俺がお前の役とったから悔しいんだろ。
だったらなればいい嫌われ者に。
「おーこれが豪華客船か」
大きさでいうと、東京ドームがそのまま動くと感じだろう。
「どうだ凄いだろう」
「でもこんな凄いの本当に大丈夫なの?」
「心配ない。だって一生を左右する大切なイベントがあるのだから」
俊介は俺の所を鋭い目つきでみてきた。
いや、本気でどうでもいいんだがな。
「大切なイベントって?」
「後でわかるさ」
生まれてはじめて豪華客船の中に入ったが、レジャー、食事、ショッピング、シアターなどありとあらゆる物が何でも揃っていた。
客室の中にもコースが存在していて、お金持ちはロイヤルコースで俺達は一般の客室スタンダードコースで1人一部屋になっていた。
客室に入ると、船の中だと思えない作りになっていて、どこかのちょっといいビジネスホテル並だぞ。
しかもルームサービスは全部タダでジャグジーまでついていた。
ついついベットにダイブしたが荷物を置いたら、デッキに集合するのを忘れていた。
荷物といっても財布と携帯とちょっとした着替えしかないんだがな。
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