Lunatic tears -Backstage-
AYA
Ch1 作品誕生のきっかけ
このサイトで初めて書いた作品、Lunatic tearsについて解説。
まず、英語のタイトルの付け方のセオリーとしてLunatic Tears、つまりTが大文字ではないのか、だが、それは小文字の方がしっくりきたから。
元々、この作品は創作コスプレの設定として2017年に発案したもの。「自分だけのオリジナリティで勝負」の結果、「ラノベなのに社会的エッセンス大盛り」と云う縛りで、五輪後の難民による治安悪化を世界観に選んだ。
その上で、敵を薙ぎ倒していく活劇ではなく、銃と云う武器を手にした少年と少女が、生や死や人を撃つことへの葛藤に苦悩する様を書いてみようと思った。それが、最小限の弾数しか持てず、無駄撃ちできない中での戦い、と云う話のフレームが出来た。
そして、2020年に暇潰しで話を一から書き直そうと思い、万年筆で下書きしていたものを2021年に投稿してみようと思った。
コンセプトを変えたのは2020年。パンデミックにおける政府の無能無策ぶりが炸裂し、それに対する不満が募った。だから五輪が成功した、から強行の末に失敗し、苦肉の策としてインバウンド復活に賭けた、と云う流れにした。
そのタイミングで、某スポーツ用品メーカーのCMが炎上する騒ぎが起きた。そこに目を付けた。
日本にはシステミックレイシズム……システム化され社会に組み込まれたレイシズムが根深く存在する。一部の者にとってはそれは不都合で、
「日本に差別は無い、有るワケがない」
と云う理論を振り翳す。素晴らしい日本人はそう云うことをするハズがない。だから、自分たちがやっている事は「差別」ではなく「区別」なのだ。
更に、日本人は外国人や外国の文化より優れていて、外国は劣っていると云うエスノセントリズム……自民族中心主義と云うのも有る。そして、このエスノセントリズムがシステミックレイシズムの根源だとするなら、CM炎上騒動での反応も納得しやすかった。
それならば、語弊は有るがリベラル寄り、もっと誤解を招く言い方をすれば反日寄りにすれば、賛否両論は生むがよくも悪くも注目されるのでは、と云う目論見が有った。広告を入れれば広告PVも稼げると云う思惑も有った。
全編英語版は、海外の方がこのテの問題には反応するだろうから、読まれる確率は高くなるのでは、と云う思惑によるもの。
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