第1話

GM:さて、ではようやくCPの第1話が始まり、成長報告をしてもらうところなわけですが。皆さんには「今後のシナリオの都合のため、キャンペーンを通して出来るだけメイン技能を集中して上げるように努めてください」とお願いしてあります。ちょっと変なお願いですが、ご協力お願いします。とは言っても4人しかいないからね。将来そうなっててくれればOKです。では準備できた方からどうぞ。


イキシア:イキシアです。いろいろ考えた結果、順当にソーサラーが2Lv上がりました。余ってた500経験点はそのままソーサラーに吸い込まれた。魔法収束とって、精神知力伸びましたです。アルケミスト、横伸ばしでも取れないことはないな、と計算でわかったのですが……イニブとれるのがいつになるのかわからないのと、あと単純にお金がない。というわけで、金食い虫のアルケミは据え置きです。ふぅ。

ユズハ:0話で手に入れた武器を買い取ってもらえると信じましょう。

イキシア:信じたーい……お金が入りそうなら、200Gばらまきマンとしてパラミスとかはとりにいくかもです。終わりです!


レイン:ではレインです。ファイターを3Lvにして、レンジャーを1Lv取得。武器習熟Aをとったよ。筋力と精神力が伸びた、状況からして順当に伸びそうだよなこれ。先々はファイターをメインに、エンハンサーを1か2のばしてレンジャーとライダーに割り振れたらなぁという気持ち。「色々あるけど、可能性をつかむためにまずは剣技をみがくぜ!」というわけでよろしくお願いします。


ユズハ:器用度と精神力が伸びました。今回はセージとレンジャーを伸ばしたので、冒険者レベルは2のまま。レンジャーは今後そんなに伸ばして行ける暇がないかなあと思っています。次はプリースト伸ばして攻撃も出来るようになるつもりですが、今回はまた後ろでのほほんしてます。以上。


ミミ:ミミです。順当にフェンサーとスカウトをLv3にしました。トレハン取るまではこの体制でいこうかなーと。特技は回避行動Ⅰを取得したので、8から回避が振れるよ! 以上です!


GM:ほい。それでは始めていきましょう。スカボローフェア第一話「希望の廃墟」よろしくおねがいしますー。

一同:よろしくお願いします!

GM:さて、今日も今日とて君たちはレジスタンスの村で仕事をしたり訓練したりしている。君たちがこの奈落の魔域三日月島に迷い込んでから、既にはや2ヶ月が過ぎ去った

イキシア:2か月!!

ユズハ:思っていたより時間がたっていた。

GM:この間に君たちは村の住人とも仲良くなっている。最早「新入り」と呼ばれることもないだろう。特に仲良くなったメンバ-を紹介しておこう。


<外から迷い込んだ冒険者>

イリト:アンプレゼントに「勇士」と呼ばれている剣士。魔剣を所有している。

ユウナ:イリトの相方。大体どこへ行くにも二人でワンセット。何かとイリトの世話を焼いている。


<中で産まれ育った冒険者>

アレン:スカボローの街で生まれた元奴隷。レジスタンスに接触し、逃亡に成功。要はミストキャッスル生まれの脱出成功PCのようなもの。無茶を顧みず突っ走る傾向がある。少々人族の常識に疎い。

ハツセ:アレンと共にスカボローを脱出してきた仲間2。アレンより冷静。優秀な女拳闘士。

エルミン:アレンと共にスカボローを脱出してきた仲間3。3人で幼馴染だった。よく3人で行動している。外の世界への興味が3人の中で一番強い。


GM:この5人です。「君たちと同様に外から迷い込んだ冒険者」と「中で生まれて育った(ちょっと君たちとは常識の異なる)冒険者」の友達ができたと思ってください。

レイン:全員、自分たちより実力って格上ですか?

GM:大体どっこいだと思ってください。多少差はあるにせよ、です。

レイン:うっす。

GM:君たちがどうやって仲良くなったかはおまかせしよう。訓練場で剣を交えるもよし。農場で一緒に鋤を振るうもよし。マナー教室で先生だったかもしれない。案外「貴族1Lv」って役に立つと思うんだ。この環境。

イキシア:確かに。「上に立つ者のふるまい」全般ですからね。

レイン:レインは剣交えて喧嘩して飯食って仲良くなった気がする。

GM:同じ武器だしアレンと仲良さそうだよね、レイン。

ミミ:ミミは色んなとこに手伝いにいってそうなので、何処かしらで一緒になったのだろうなと。

GM:ユズハ君はね、物知りだからね。エルミンにまとわりつかれてそう。

ユズハ:なつかれたのか。でも外への欲求、すなわち知識を求めるものは拒否しないだろうな。

イキシア:こちらは動物好きな人がいれば普通に仲良くなりますし、ほかは無意識にお嬢様やって言うこと聞いてもらってる感じですかね。

GM:0話で出てきたガオウはんとも、君たちはもちろん仲がいい。しかし彼は森の中の拠点にいることも多いので、そうしょっちゅうは会えない感じです。森の中の拠点は剣の欠片を探す目的でも維持されている、ベテラン以上だけが滞留しているエリアです。それと、付け加えますが、君たちが入手した剣の欠片はすべて強制的に名誉点に変えられます。それはこのキャンペーン中の制限として扱います。

イキシア:あ、村に守りの剣があるからか。

ミミ:死活問題だからね、仕方ないね。

GM:助け合いの精神。というか売るとか周りが許さないデス。非戦闘員は全員村にいると思っていい。戦える人が協力して守りあってるんやね。

ミミ:そもそも、貨幣制度ってあるんですかね?

GM:存在します。正直、物々交換や譲り合いが主流だったりするんだが、不埒者の排除やなんとなく慣れの問題でガメルは使用されている。「小さな村」なんだなぁと思いねぇ。ほか、外の世界と違うのは、圧倒的冒険者率。兼業だけどね。そのおかげもあって、ちょっと常識ない連中が多いくらいだ。

イキシア:冒険者がメインだと、確かに常識が外とはかなり違いそうですよね。コンジャラーいるか知りませんが、蘇生に関するあれこれの感覚とか。

GM:はい、蘇生と穢れに関してはかなり寛容です。冒険者はもちろんそうなんだけど、アレン達のような現地組も蛮族に囲まれて暮らしてたからね。まんまミストキャッスルの世界。ただそれでも一定、穢れを蛇蝎のごとく嫌う人はいます。

ユズハ:穢れ持ちが多すぎて逆に戸惑ってそうかな。ナイトメアとしても神官としても。

GM:あ、いや、穢れ持ちは少ないかな。生き返りに同意する人がね……。

イキシア:ああ、そこはあんまりいないんですね。「こんなとこ、生きていたって仕方なくない?(真顔)」みたいな。

GM:実際、非戦闘員を中心に、自殺もたまに起きてます。絶望は死に至る麻薬です。それでも、空元気でもワイワイとした雰囲気が村にあるのは冒険者の数が多いからでしょう。普通の人なら病む。奈落の魔域と蛮族支配のクロスボンバーだからね。

ミミ:その点ルンフォってすげぇよな。

イキシア:さいごまで穢れ0だからな。

GM:ちなみにルーンフォークの数は少ない、非常に少ない。魔域の中にジェネレーターは存在しない。よって外から迷い込んだルーンフォークだけが存在します。内部育ち組はびっくりしてました。多分消え去った種族扱いだったでしょう。エルミンは興奮しすぎてハツセに殴られたに違いない。

イキシア:「みんながイキシアのこと、アイドルのような目で見てます……!!」(きらきら)(勘違い)

ミミ:「いやー、イキシアは流石っスねー」

レイン:「俺、イキシアってすげえ大物だと思う、マジで」

ユズハ:「アイドルというよりは、珍獣扱いだがな」

イキシア:「きーこーえーなーいー!」

GM:これは、流れ的に内部育ち組の教育係イキシアに来てるな。ハツセに、殴る以外で二人を止める方法と、アレンに忍耐と、エルミンに外の知識を授けるのだ。

イキシア:まぁまぁしんどい教育ですね?(笑) のせられたら「ふふん、可愛い生徒たちです!」とノリノリでやります。

GM:ロリ先生とか呼ばれてそう。

イキシア:でも、常識はないので、三日月湖知ってた組、助けてください。レインさんは……アレンの横に並んでてください……。

GM:悲報:レイン、教育対象だった。

レイン:「さすがにイキシアの授業受ける必要はないと思う」

イキシア:「くう」

GM:ちなみにオルソラもなんだかんだうまくやれてます。この環境で神官を嫌う人はいないので。むしろ外より熱心になる人が多いです。小さな祠を作ったり、説法・カウンセリングもどきをしたり、けが人の治療をしたりしています。おかげでレンジャーとセージが生えたようです。一部の信者には「あの笑い方が癖になる」などと性癖を刺激された人もいるそうな。

レイン:さいごぉぉ。

イキシア:(大笑)

ユズハ:あかんやつや。

ミミ:流石に笑う。

GM:神官としては真面目にやっているようです。狂信者だしね。そして、オルソラからは一つ忠告を受けています。

オルソラ:「我々がお告げを受けてここに来たことはあまり話さないようにしましょう。過去の神官たちは全員失敗しているんです。無用の期待をもたせるのは酷ですから」

レイン:「了解。ただし、次のお告げとかあったらだまし討ちしないで俺達にはちゃんと話せよ」

オルソラ:「ええ、わかりました」

イキシア:「まあ、言いたいことはわかりますけど、です。過去の状況とかは、周りに聞いたりした方がいいんじゃないですか? レインの言う通り、ここまで来たら、イキシアたちも一蓮托生です。ちゃんと話してくれさえすれば、拒んだりしませんです」

オルソラ:「私はまさに、過去の神官たちについて調べるつもりですよ。みなさんと違って神殿暮らしが長いせいで、神官として以外はヤクタタズですので」

GM:「子守大変ですね?」みたいなニヤニヤ笑い。普段は神殿(小さな祠)で勤務なので君たちと四六時中一緒というわけではありません。

イキシア:「…………あのこたちはゆーしゅーな生徒です。子ども扱いしないでほしいです。そっちこそ、ぼっちになって一人で泣かないといーですね! ぷいっ!」

オルソラ:「あら、それは失礼。しかしまた何か頼むこともあるでしょう。定期的な連絡は欠かさないようにしましょう」

イキシア:「はいはい、ふーんだ」

レイン:「仲いいな、まったく。とりあえずなんかあったら遠慮なく呼んでくれよ」

オルソラ:「ええ、それでは皆さんも、油断してやられることのないように」

GM:それから、アンプレゼント。彼女はレジスタンスのリーダーとして日々忙しそうにしています。しょっちゅう会ってるわけではありませんが、それでも小さい村ですから、なんだかんだ顔をあわせるでしょう。よくイリトに話しかけているところをみかけます。彼女の魔剣をイリトに貸し出しているそうです。

アンプレゼント自身は村の外に出る事はほぼありません。指示したり、村の最後の守りだったりします。そして実は、守りの剣の使い方を知っているのは彼女だけです。むしろ「彼女が知っていたおかげで使えている」といいますか。守りの剣を使うには、剣の欠片を使った儀式が必要であるわけですが、彼女はその役割を担っています。

そのお陰で、非戦闘員からの支持は絶大なものがありますね。この事実をもって、レジスタンスのリーダーの座を余人が奪い難いというのもあるでしょう。君たちにも「一緒にがんばりましょう」って感じで話しかけてくれるよ。

一同:(疑いのまなざし)

GM:ひどい! 弱い人族が一致団結しているだけなのに……。

さて、最後にお金の話。さっきも言ったとおり、ガメルは流通していますから売買は可能です。ですが、ここで購入できるのは「魔法の品を除いたアイテム」「Aランクまでの武器防具」です。買えるか不安な時は相談してください。勿論指輪もアウト。「現時点では」とは言っておきますが。

イキシア:なるほど。

GM:さて、長くなりましたが、君たちは今日の仕事を終えて、仲良しメンバーと休憩中のところからロールスタートです。冒険者ギルド(とみんなが呼ぶ)建物で休んでいるところでしょう。


レイン:「つかれたーー」机に突っ伏す。

イキシア:「みんな元気でしたね……イキシア……肉体労働派じゃないのにぃ……」(農業馬を訓練してた)

エルミン:「農業は辛いよね。僕、体力ないから余計に……」

ハツセ:「エルミンは、体力がなさすぎる。もっと鍛えたら?」

アレン:「ハツセが体力有りすぎなだけだろ……」

GM:ハツセの鉄拳がアレンに飛びます。

イキシア:「あっこら、暴力ダメですー!」

ハツセ:「はっ、すみません。ロリ先生……」

イキシア:「その呼ばれ方に納得はいっていないのですが、先生(ユズハ)と区別するためにも許すとしましょう」

エルミン:「ははは、ロリ先生のおかげで、ハツセに殴られる回数も減ったよね」

イリト:「お前ら内部育ち組の『とりあえず拳で語る』って文化は、未だに理解できないわ……」

ユウナ:「イリト君、そういう事いわないの」

アレン:「いいよ、『外はこうじゃない』って理解してるし」

ミミ:「お疲れっス~。お茶が入ったっスよ~」と人数分の飲み物をもってこよう。きっと普段から冒険者ギルドでお給仕とかもしてる。

ユズハ:「菓子もあるぞ」(肉体労働から逃れた事務員)

GM:ユズハはまじで貴重な事務員だと思う。

ユズハ:最高筋力所持者は内勤になりました。神殿勤めの経験でエッグタルトも焼ける。

レイン:テーブルにほほつけたままもぐもぐお菓子食う。だらしなさの極み。

イキシア:「こら、ほっぺにおかしついてるです! めっです! しゃきっとするです!」

ハツセ:「レイン、ロリ先生がこう言っている」

レイン:「俺は、せいとじゃ、ぬぇ」と言いながら身体起こします。

GM:そんな感じでだべってますと、イリトがこう切り出します。

イリト:「しかし、レイン達ももうこっちには慣れたか? 来てから2ヶ月くらい経つもんな」

レイン:「まぁな、嫌がおうにも。俺はもともと田舎暮らしだったからってのもあるかもしれないけど」

ユウナ:「レイン達はスカボローの冒険者なんだよね。私はイリト君と観光に立ち寄った先でこっちの世界に連れこまれちゃったからなぁ。知り合いのみんなに心配かけてると思うと辛いよ」

イリト:「こんなところで死ねるかよ。何としても帰ってみせるさ」

ユズハ:「魔域の中での時間の進み方は現実と違うというが……ここまで時が経ってしまうと、向こうはどうなっているだろうかな」

イキシア:「…………かあさま、とうさま……」(残してきた家族に思いをはせる)

ミミ:「ま、焦ってもしょうがないっスからね。ゆっくりやるっスよ~」と言いながらお菓子をつまむ。

イキシア:「あ! ミミちゃん、それイキシアが狙ってたのですー!」

ミミ:「へへ、物資は貴重っスから。早い者勝ちっスよ~」

ユズハ:「今追加でサブレを焼いているから待て。取り合うな」

レイン:「んったく。で、ミミは慣れたかこっち? 結構来た時大変そうだったが」

ミミ:「お陰様で。最初は色々仕事振られてしんどかったっスけどね~」ビビり散らしてただけで嘘です。

レイン:「よかったよかった。なんとなく調子崩してそうだったからな。よろしく頼むぜ、前線仲間。ま、ミミの言う通り『焦っても仕方ない』。俺たちもちゃんと生きて帰らねえといけねえから、やることはやるつもりだけどよ」

ユウナ:「でも……300年も攻略されてない奈落の魔域なんて、どうにかできるのかしら……?」

レイン:「『どうにかできるか』じゃなくて、『どうにかする』って考えるしかねーだろ」

アレン:「そうだ。蛮族も魔神も、駆逐してやる。一匹残らず」

レイン:「アレンは過激派だな」

アレン:「中で生まれ育ったなら、誰だってそう思ってるさ」

ハツセ:「いや、諦めている人間も多い。アレンは強いよ」

エルミン:「うん。でも、『いつになるだろう』っていうのは確かに思うよね。人族も、数自体は少ないわけじゃないんだけど、戦うための物資が足りなすぎるから」

GM:ユズハは詳しいと思います。この村を維持したり冒険者が戦ったり出来る程度の物資はなんとか確保出来ていますが、ジリ貧に近い水準です。周りの山で鉱物は取れるようですが、鍛冶の専門家がおりません。また、食料も何割かは狩猟だよりです。奴隷農場やスカボローに攻め込むとなると、冒険者の数以前に武器防具や携帯食料の確保が問題になるでしょう。その点は皆、薄々気がついています。しかし、抜本的な改革が君たちにできるわけでもなく、上層部がなんとかしてくれることを期待するしかない状態です。

ユズハ:「たしかに、その通りだ」ため息をつきます。「この2ヵ月、全ての物資をリスト化して増減度合を追ってみたが、何かイレギュラーが起こればすぐにでも潰える水準だ。準備のためにもどこかでうって出ないわけにはいくまい」

イリト:「……まぁ、みんな薄々気づいてるよな。外から来た連中は元いた場所と比べちまうし」

ユウナ:「武器も防具も、数と種類少ないもんね。オーダーメイドしたほうが早いくらい」

アレン:「そうなのか? 十分多いと思ってた」

エルミン:「蛮族支配下のスカボローと比べちゃだめだよ……」

ハツセ:「アレンはロリ先生にもう少し学んだほうが良い」

ユズハ:「もし、我々のような武器持ちの冒険者が軍単位で振ってきたとしても、今度は食料問題になるしな」

レイン:「物資不足に、技術不足かぁ……」

アレン:「蛮族から奪うのはどうだ?」

エルミン:「それをするための物資がないんだってば……」

イキシア:「イキシアは武器商人ではなかったので、武具の多寡はそこまでぴんときてませんが、食料は明らかに足りてないです。兵を出すと、農業ができる人が減る。つまり、そこでも生産量が減りますです」

ユズハ:「まずは、何をするにも少なくとも『蓄え』と呼べるほどの食料が必要だ。『維持』以外にな」

アレン:「むぅ……保存食作るためにもっと狩り、行ってこようか?」

イリト:「それじゃ根本的に足りないって話だ」

レイン:「人材だけなら……捕まってる人助けられれば、何とかなるかもだけどなぁ」

イキシア:「そこで増える人材が、生産に貢献できるならいいんですけどね。いずれにせよ、足りないです。狩猟だって、無限に野生動物が湧くわけじゃないですし」

アレン:「じゃあ、どうすんだよ?」

イキシア:「うー。そこつかれると痛いです。足りないのはわかるですけど、増やし方が……」

ガオウ:「あるで」

イキシア:「(飲んでいたお茶を吹く)」

GM:突然君たちの会話に混じってくる声が聞こえます。

ミミ:「ガオウはん! お疲れさまっス!」

ガオウ:「おう! おまえら、久しぶりやな!」

GM:君たちと同じテーブルにどかっ! と座り込みます。

ミミ:すかさずお茶を出して差し上げよう。

レイン:「久しぶり、うちのロリ先生驚かしてどした」

ガオウ:「おお、すまんな。そんでな、物資やったか。アテがないことはないんや」

イキシア:「ガオウさん、なにかみつかったですか!? ほんとに!? 吹いたお茶代以上の情報であることに期待しますですよ!」

ガオウ:「見つかったっちゅうか。お前らも存在自体は知っとるはずやぞ」

GM:といって、ガオウは三日月島の地図を懐から取り出して机に広げます。

ガオウ:「ほれ、ここや」

GM:ガオウが指でトントンと叩くのは、島の北部、雪原の廃墟です。

レイン:「北の廃墟か」

ガオウ:「ここは昔、人族の領域やったっちゅーたやろ」

イキシア:「物資がまだ残ってるですか!?」

ガオウ:「いや、ない」

イキシア:「ないんかーい!」

ガオウ:「重要なんは、ここにあると思われる設備なんや。お前らも知ってのとおり、現状人族勢が出来とることなんて、兼業冒険者が集まって、村を維持しとるだけでも大したもんや。そうやろ? けど、ほんなら年中雪に閉ざされたこんな場所に拠点を築けた連中は、一体何時頃の誰やと思う? この三日月島、300年くらい前からあるんやで」

ユズハ:「……魔動機文明時代の技術師か?」

ガオウ:「そういうこっちゃ。わいら、アンプレゼントさんに言われて、前々からこの廃墟を調べてきたんや。腕の立つ奴だけで潜入して調べに行ったこともあるやけど、間違いなく魔動機文明時代の遺跡やった。蛮族か魔神にやられてしもて廃墟になっとるが、な。それと。前に、『昔人族がスカボローに攻め込んだ事があるらしい』って言うたやろ。ほんなら『どっからその物資が出てきたか?』って考えるやろ」

イリト:「そっか、昔は攻め込めるくらい物資を貯めることができたんだ」

ガオウ:「そういうこっちゃ」

ユウナ:「それで北の遺跡? でも壊れてるんですよね?」

ガオウ:「蛮族共が二度と逆らえんように壊したんちゃうかとわいはおもとる。けどな、『完全には壊せてないわ。直せるかもしれん』とマギテックが言うとる」

レイン:「おぉ!」

イキシア:「すごい!!」

ガオウ:「こっちの村も、人が増えてきてわいらが外をあれこれ調べられるようになったさかいな。ようやく調べに行けたわ。ま、そんでその報告と『修理に人手が出せへんか』って相談をアンプレゼントさんにしに戻ってきたっちゅーわけや」

レイン:「なるほどな」

GM:そこまで語って、お茶をあおってふーっと一息いれてます。

ガオウ:「お前ら、ちっとはできるようになったか?」

レイン:「さぼってねーよ」

イキシア:「ま、まあ、多少は? できるようになったと思うです?」

ミミ:「へへ、任せといて欲しいっす」

イリト:「訓練ならちゃんとしてますよ」

アレン:「何時でもいけるさ」

ガオウ:「おっしゃ。実際にすぐ動けるかはわからんが、ほんまにやるとなったら修理のためのマギテック以外にも人手が必要になる。お前らこの村の外、全然出てへんやろ。スカボロー育ちのアレン達はともかく……。やることあって忙しい言うても、じれてるんちゃうかとおもてな」

レイン:「やれることがあるならやりたい。アンプレゼントさんとこに行くなら一緒に行くぜ」

アンプレゼント:「いえ、大丈夫です。聞いていましたよ」

レイン:「うぉぅ!!」

GM:気がつくと、アンプレゼントがギルドの中に入ってきていました

アンプレゼント:「驚かせてすみません。こちらに用があったもので。ガオウさん、廃墟の設備は使えそうなんですね?」

ガオウ:「ああ、アンプレゼントさん。一緒にいったマギテックがいうには、パーツさえ確保できればなんとかなりそうっちゅー事ですわ」

GM:ガオウは立ち上がってそういいます。

アンプレゼント:「であれば、迷う必要はないでしょう。いえ、迷う余裕がないのかもしれません。人手を割いてなんとか、設備を復活させましょう」

ガオウ:「ほんまでっか!」

アンプレゼント:「村の維持もありますので、そう多くは割けないかもしれませんが……。みなさんは参加されますか?」

GM:君たち全員を見回しながらそう聞いてきます。

レイン:「俺は行くぜ……みんなはどうする?」

ユズハ:「無論、行くとも。じり貧のまま摺りつぶされるのはごめんだ」

イキシア:「ここでぐだぐだしてても、いつ襲われるかわからないのです。イキシアはいくのです。生徒に模範を見せねばいけませんから、です!!」(もうすっかりその気)

アレン&ハツセ&エルミン:「ロリ先生!!」

イキシア:「ふふ、もっと頼っていいのですよ……」(じーん)

レイン:「イキシア先生さすが、頼りにしてるぜ」

ミミ:「私もまぁ……勿論? 聞かれるまでもないっスよ」

レイン:「いいのか? こっちでの仕事も忙しそうだけど」

ミミ:「私がいないと、誰が先制取るっていうんスか?」

GM:メメタァ

イキシア:正論。

ユズハ:正しい。

レイン:「確かに。ミミがいなかったら俺たちぼこぼこだな。罠も見つけらんねえし」

ミミ:「頼りにされちゃってますっスからね、前線仲間。ま、私に任せといて欲しいっスよ。迷惑は、掛けないっス」

レイン:「迷惑なんて、かけてかけられてこそのパーティだしよ。頼りにしてるし、頼ってくれよ。……あとは、オルソラか」

オルソラ:「呼びましたか?」にゅっ

レイン:「ひぃ! なんでどいつもこいつも」

オルソラ:「お昼食べに来ただけなんですけど、まるで幽霊でも見たような顔ですね? まぁ、それはそれとして冒険ですか、わたしも同行しましょう」

アンプレゼント:「良いのですか? あなたは冒険者ではないと聞いていますが」

オルソラ:「神官が少なければ、苦労するでしょう。駆け出しに毛が生えた程度ですが。お役には立ちますよ」

ガオウ:「実際、助かるな……。旅に出るならハルーラの神官はみんな喜ぶわ」

ユズハ:「……私は貴方を完全に信用したわけではないのだがな」

オルソラ:「あら? そうなんですか? ところで、私が前に出した護衛依頼って、まだ私神殿に帰れてないんですけど、どういう扱いになってるんです?」

GM:ニヤニヤしながら聞いてきます。

イキシア:「はぁん!? それこの状況で言いますです!?」

レイン:「依頼内容に嘘があったからなぁ……」

オルソラ:「嘘? 嘘なんかありましたっけ。遺跡の中まで護衛してもらっただけですが」

レイン:「遺跡にはたどり着いてるぞー」

オルソラ:「そうですねぇ。でも、それをギルドにまだ報告できてないわけです。ギルドのお仕事って、そこまでが範囲内ですよね?」

ミミ:「事実っスね……。私たちもまだ報酬頂いてないっスし。残り350ガメル貰うまでは……」

イキシア:「くぅう、まったく割に合いませーん!」

レイン:「ま、そこらへんは帰ってから受付さんはさんでやろうぜ、腹黒神官。頼りにしてっからよろしくな」

オルソラ:「ええ、こちらこそよろしく」

ガオウ:「おっしゃ。これで5人のパーティが2つ作れるな。わいはマギテック連中やら船乗り連中に話通してくる。お前ら準備しとけよ」

アンプレゼント:「すみません。本来なら私が率先してやるべきことを」

ガオウ:「何いうてはるんです。アンプレゼントさんには皆感謝してますよ。できることは自分でやらんと。ほな、行ってきますわ」

GM:ガオウは君たちにそう告げると足早に立ち去ります。

レイン:「イリト達とは別パーティか」

ユズハ:「人数的にも連携的にも、妥当だろう」

GM:NPCは一杯出てくるけど冒険は君たちがやらないとね(メタ)

イリト:「10人もぞろぞろ動いてたら目立つだろうし」

レイン:「ま、そうだな。ヘタこくなよ」

アレン:「レインのほうだろ、それは。オレたちゃこっちの生まれだぜ?」

イキシア:「生徒の雄姿が見れないのは残念ですが、みんなと離れるのもっと嫌なのでこれでいいのです」(小声)「がんばってくださいです!」

ハツセ:「がんばりますロリ先生」

エルミン:「ははは、お手柔らかに……」

ユウナ:「こっちは私が回復役かなぁこれは」

GM:ちなみにアレンとイリトがフェンサー、ハツセがグラップラー、ソーサラーセージ枠のエルミン。ユウナは神官戦士(ティダン)。

ユズハ:一応バランスはいいんだな。

ミミ:「みなさん優秀っスから、負けてられないっスね」

レイン:「ああ、そうだな」

イリト:「頼りにしてるぜ、ユウナ」

ユウナ:「イリト君も、無茶しないでね?」

ハツセ:「……」(ユウナのふるまいを見つつアレンを凝視)

イキシア:ちょっとした人間関係が……(笑)

レイン:アレンはそういうの気づかないタイプだろ絶対(笑)

GM:はい(笑)というわけで、君たちは雪原の遺跡を復活させるべく、一路北を目指すことになりました。三日月島に来てからはじめての長距離移動。蛮族の支配する魔域での冒険はどのようなものになるのか。では、何もなければシーンチェンジで……。

ユズハ:あ、じゃちょっとRP時間ください。イキシアにお返しを。イキシアの服の裾を掴もうとしたけど身長差的に掴めないので、襟に指ひっかけて呼び止めます。

イキシア:「ぴぎゃっ!? なななんですか先生、イキシア、別につまみぐいとかしてませんですよ!?」

ユズハ:「さっきは怒ってくれて助かった。礼を言う」他の人に聞こえないように、屈んで耳元でぽそっと言って、そのまますたすた立ち去ります。言い逃げ。オルソラに煽られた時にイキシアが怒ってくれたから「オルソラにつっかかってガオウはんに楯突くことにならずに済んだ」という認識ですね。

イキシア:「はわ。ほ………わー!?」言葉にならず、なんのことかすぐにはわからず、そのまま十秒くらい固まった後「なんかずるいですー!?」と叫びました。「くー、いつも逃げられてばっかです! 今度こそ捕まえるですー! 次褒めるのはこっちなんですから!!」※目的を見失ってる

ユズハ:じゃあ、ちょっとだけ聞こえて、背中で笑ってますね。

イキシア:宙に吠えて、そのまま「うおおお」と追いかけます。なお、追いつけない模様。(敏捷)

GM:はい(笑)ではシーンチェンジ。船出を見送られるシーンからです。ガオウによると、「調査は徒歩で隠れながら向かったが、今回は集団での行動なので、船で北回りに移動し、最北端の遺跡を目指す」とのこと。そこは海沿いになっており、船で接岸できそうだということまで調べがついています。

ガオウ:「おっしゃ、おまえら、準備はええか? もうじき船は出るで」

アレン:「こっちは準備できてますよ。ガオウさん」

イキシア:「イキシアはいつだってばっちりなのです!」

レイン:「おう、行けるぜ」

ユズハ:「問題ない」

ガオウ:「ん? イリトのやつはどないした?」

GM:きょろきょろと周りを見渡すと、アンプレゼントと話すイリトが見つかります。

アンプレゼント:「気をつけてくださいね。勇士よ」

イリト:「あ、はい。でもその、その勇士っていうの、ちょっと照れるんですが……。俺なんてまだまだだし」

アンプレゼント:「ふふ、そんなことはありませんよ。その魔剣ノルニプスを使いこなしているではありませんか

イリト:「これはアンプレゼントさんの魔剣を借りてるだけですから……」

アンプレゼント:「私はここを離れられませんからね。どうか、私の分までよろしくおねがいします」

イリト:「……わかりました! あの、もう船出るみたいなんで」

アンプレゼント:「そうですね。頑張ってください」

GM:最後にアンプレゼントは、念を押すように言う。

アンプレゼント:「忘れないでくださいね。私は、勇士を求めています」

イリト:「がんばります!」

GM:そういってイリトは駆けてくる。少し遅れて、近くで見守っていたらしいユウナもだ。ちょっと複雑そうな顔をしている。

レイン:「モテモテだなお前……」

イリト:「は?」

ユウナ:「……イリト君、アンプレゼントさんと仲いいね?」

イリト:「えっ、あ、うん。魔剣も貸してくれてるし」

ユウナ:「ふーん」

GM:ぷいっとユウナは船に乗り込む。イリトは困惑顔だ。

ミミ:「……気になるっスか?」と、ユウナさんをからかっておこう。

ユウナ:「……ちょっと焼けるかも。アンプレゼントさん、美人だし」

ミミ:「まぁ分かる。勇士さまはスミに置けないっスね」

ユウナ:「知らない。っていうか、勇士ってなによ」ぷんすこ

レイン:「あっちのパーティほんと大丈夫だよな……」

オルソラ:「『恋のお悩み相談ならシーン神殿にでもどうぞ』と言いたいところですねぇ」

レイン:「それシーンでいいのか? もっと恋の女神様とかいねーの?」

オルソラ:「さあ……?」

イキシア:「こい…??」

GM:そんな会話を挟みつつ、船は出向する。船は一旦湖から川沿いに南に下り、海に出た後に北上の予定だ。ちょっとした大きさの島なので、船で北上しても目的地までは数日かかる。蛮族や魔神に見つからないように慎重に航海を進めた。やがて、北部の山脈付近にたどり着く。

ガオウ:「お前ら! 防寒着を着とけ! こっから一気に寒なるで!」

GM:ガオウや、船員達が防寒着を着込みだす。大分北部に近づいたとはいえ、まだ天気は良い。着込めば少し暑かったが、おとなしく指示に従うと。船が山脈の横を通り過ぎた時、空気が凍った。突然、温度が激変する。

イキシア:「うひゃーーーー!!? なななななんですか、おかしくないですかこれー!?」

レイン:「……って、奈落の魔域だったなここ!」

ユズハ:「そうだな。我々の常識で考えてはいけない」

エルミン:「……話には聞いたことあったけど、本当だったんだ」

レイン:「エルミン、何か知ってるのか」

エルミン:「三日月島は4つのエリアに分かれてる。大森林と平原と、雪原と、砂漠。そのうち砂漠は年中熱くて、あっという間に干からびそうになるくらいらしい。そして雪原は年中雪が降り積もり、ずっと氷点下なんだって。お年寄りが言ってたんだ。『奈落の魔域だからだ』って」

ミミ:「それにしたって寒すぎません……?」

ガオウ:「これもなかなか調べにこれんかった理由の一つや。専用の装備が作れるようになるまではな。せやけど、逆にいうたら期待もできる。そんな中に街作ってた連中の遺産をアテにしとるんやからな」

レイン:「これで空振りはきついわ、確かに」

ガオウ:「は、空振りか。もう慣れたで、そんなもん」

ミミ:「しんど……。せめて暖炉くらいはあるといいっスね……」

ユズハ:「今日は良い収穫があるよう、祈ろう」

イリト:「なに、祈らなくても何か必ず見つけてみせるさ」

アレン:「そうそう、大船にのったつもりでってな」

イキシア:「フラグにしないでくださいですよ……?」

レイン:「見つけるつもりでいかなきゃ見つかるもんも見つかんねーってな」

イリト:「そういうこと」

GM:船は君たちを載せて静かにすすむ。その後も船は順調に航海を続け、目的地、北端の街の遺跡にたどり着いたのであった。

ガオウ:「着いたな。よしお前ら、降りるで。大声で騒ぐな。静かにや」

GM:ガオウは君たちに下船を促します。ここは既に廃墟になった街ですが、時折アンデッドが出現し、また、蛮族が定期的に人族の生き残りが居ないか巡回に来ているそうです。とはいえ、巡回の頻度はさほど高く無いとも伝えられます。とはいえ、吹きすさぶ風以外に何一つ音のない、雪に埋もれた廃墟の光景を目の当たりにすれば、自然と話し声も潜んだことでしょう。頑丈そうな地下にキャンプをまず設営するということで、連れてきた人員すべてで荷物を運び出し、以前調査したポイントだという場所に、仮の拠点を構えます。

レイン:「…………」わっせほいせわっせほいせ

イリト:「………」わっせわっせ

アレン:「……」えっさほいさ

レイン:「さみぃ……(ぼそり」

イリト:「……そうだな、何より……静かな場所だ」

アレン:「こんな場所、はじめてだよ」

レイン:「俺も初めてだ」

イキシア:「森の中は、風の音、木々の音、川の音……なんだかんだ、静寂だと思っていてもにぎやかでした。ここは、なんもないです。なにも。……へんなきもちです」

ハツセ:「……ここは、寂しい?」

ユウナ:「寂しい、か。そうね。そうかもね」

レイン:「雪は音を吸うっていうけど、ほんとなんだなぁ……」

GM:荷物を運び出すと、君たちは全員が呼び出されます。

ガオウ:「おう、ご苦労さん。火はおこしてあるから後であったまれや。戦えん連中が先や。今後の事をもう一回説明しとくで」

GM:この話は、君たちは一度船の中で聞いたと思ってください。

ガオウ:「今わいらがおんのがここ」

GM:画面の「島MAP」と同じ地図を開いて、3つの廃墟マークの真ん中を指さします。一番島の上に近いやつね。

ガオウ:「見ての通り、更に南下って、東西それぞれにも遺跡がある。わいら本隊はここで目的の設備の修理にとりかかりつつ、安全確保。可能やったら修理部品も手に入れる。お前らにはそれぞれ、東か西の遺跡を探ってきてもらいたい。どっちへいく?」

GM:「どちらも深く調べられていないから、予想される危険にさほど差はない」とガオウはんは言います。どうしますか?

イキシア:砂漠に近い方(西)と森に近い方(東)くらいの違いしかほんとになさそう。ロリ先生としては、「じゃあ危なそうな方にいくのが先生の務めです』くらいは言うかもしれないです。

ミミ:そういわれると、西の方が危なそう。イザというときに隠れられそうなところに逃げ込めないから。

レイン:OK。「なら西いくか」

ガオウ:「おっしゃ、ほんなら西のほうはレイン。おまえらに任せる。東はイリト、お前らや」

イリト:「わかったよ。ガオウさん」

イキシア:「頑張るですよ、みんな」

アレン:「わかってます。ロリ先生も気をつけて」

ハツセ:「アレンとエルミンの面倒は見ておきますので、ロリ先生も気をつけて」

エルミン:「面倒みるのは僕じゃないかな……気をつけてくださいね、皆さん」

レイン:「そっちも気を付けてな。またあとで」

ミミ:ユウナに「チャンスがあったらぶちかますっス」と囁いておこう。

レイン:(笑)

ガオウ:「それぞれ街の簡単な地図をわたしとくから、まぁ参考程度にしてくれ」

GM:簡単な廃墟の区割り図をもらえます。

ガオウ:「おし、ほんなら、今日はゆっくり休んで行けや。保存食も用意してあるから、持っていけ」

GM:といったところでこの日は解散となりました。寒い中、まだ形の残る遺跡の部屋で火を起こし、毛布に包まって夜は老けていきます。

ユズハ:「休めるときに休んでおこう」

イキシア:「あーねむねむねむー……」

オルソラ:「……人は、こんな環境でもたくましく生きていたのですね。まだ、生き残りが居たりはしないんでしょうか」

GM:破壊されてから100年は経ってるねってひと目でわかるレベルの廃墟を見ながら、オルソラがそう言います。

レイン:「……考えてもなかったな」

ミミ:「流石にしんどそうっスけど……。いや、でも噂の魔動機械がもしかしたら……?」

ユズハ:「それこそ、ジェネレーターで眠っているルーンフォークでもいれば、の世界線ではないか?」

イキシア:「それは……嬉しいですけど、こんなさむさむの中で……」

ミミ:「可能性はある、っスかね。魔動機文明当時のままなら、あるいは」

ユズハ:「まあ、私が蛮族ならば、真っ先に起動して連れ帰るがな」

イキシア:「うう、悲しい現実です。いないかなー、お仲間。それでなくとも、ジェネレータがあればかなり嬉しいですけど」

オルソラ:「そうですね。しかし、ふふ……人族の町並みは廃墟になり、蛮族が我が物顔で闊歩し、魔神が跋扈する。大破局の頃って、こんな感じだったんですかね」

レイン:「かもしれないな」

ミミ:「オルソラさんも、中々恐ろしいこと言うっスね」

イキシア:「文明後退期ですぅ……」

レイン:「でも、それを乗り越えて現代があるんだ。なら、ここもなんとかできるってことだ」

オルソラ:「冒険者の役割ですね。なるほど、アンプレゼントさんのいう勇士もあながち嘘じゃないってことですか」

レイン:「勇士って、そういやなんなんだ?」

オルソラ:「そのまんま、『勇気ある人』の事じゃないんですか?」

レイン:「……かねぇ、なんか特別に聞こえたけど。ま、いいか。なんにせよやれることをやるだけだしな」

オルソラ:「そうですね」

レイン:「やれることやって、みんなで生きて帰って笑い話にする ってことで……」

話しながらうとうとして、寝落ちていこう。

GM:各自、慣れない船旅で疲れていたのか、一人また一人と眠りに落ちていくでしょう。


GM:翌朝。君たちは目をさます。西の廃墟に向かって旅立つ日だ。

オルソラ:「おはようございます。今日も寒いですね。火は起こしてありますので、もうじきお湯がわきますよ」

GM:冷えた身体に白湯はしみるだろう。雪は溶かせば飲める。火起こしができるなら水の心配はないだろう。

レイン:「サンキュー、オルソラ」

オルソラ:「私が飲んだあまりですが」

GM:自分が飲みたかったからまとめて作っただけらしい。ニヤニヤしてる。

レイン:「余りでも別に飲めりゃあ問題なし」

オルソラ:「そうですか」

GM:と、そこへガオウがやってくる。

ガオウ:「おう、お前らももう出発か? あいつらは先に出たで」

イキシア:「はわ、なんと。生徒たちに先を越されてしまいましたか」

レイン:「早えな。俺たちも準備整えていくか」

ミミ:「元気っスねぇ。見習わないとっス」

ガオウ:「すまんが、わいらも手が足りん。なんぞ見つけてきてくれや」

ユズハ:「ええ、頑張りましょう」

レイン:「任せとけ。ミミ、頼むぜ。蛮族との遭遇は避けたい。何か気になったことあったら教えてくれ」

ミミ:「ほいほいっス。足元に気を付けていくっス」

GM:そして君たちは出発する。一面に広がる雪景色の中、しんしんと降りしきる雪の他に響くのは、風の音と君たちの足音のみ。歩けど歩けど変わらぬ雪化粧に、道を失わないように気をつけながら進んでいく。森の木々に光が遮られるのとはまた異なる、微妙に薄暗い雪原を歩き通し、君たちは西の廃墟に何日もかけてたどり着きました。

イキシア:大変な道のりでした。

GM:街は壁で覆われていたのでしょう。それらしき残骸が残っています。壁の名残を乗り越えて、君たちは廃墟に足を踏み入れる。北の廃墟の時と同じように仮設の拠点を定めるだろう。一度火を起こして冷えた身体を温めるかもしれない。そしてこの後の事について相談する。

オルソラ:「地図を見る限り、いくつかの区画に分かれているようですね。一つずつ調べていきますか?」

GM:見れば、全部で3x3の9区画になっている。はてなマークもついているが、簡単なメモも書き込まれていた。「居住区が推定込みで3つ」「工廠区?が1つ」「商業区が1つ」「農業区が1つ」。残りの3つは何も書いてありません。きちんと調べるなら、一日一区画が限界でしょう。また、何区画まで調べられるかは、リアル時間か手持ちの食料が律速になります。ガオウはんからは6日分の食料が支給されました。ガオウ達が過去地図を作り上げた時は、手持ちの食料の問題から、半日程で駆けずり回ってかきあげて立ち去ったようです。

イキシア:だからざっくりなのですね。

レイン:施設系3、民家3、謎3か。

ユズハ:各区域の距離はファジーに考えて良いですか? 隣のマスにしか進めない、みたいなのは?

GM:ざっくりでOKです。便宜上マス目に内容を書いて見せているわけですが、おおよそ区画が9つあることが伝わればいいです。

ミミ:「農業区、生きてるんスかね……?」

イキシア:「目的としては、工廠区が気になりますけどー。農業区、なにかしらの設備が生きてたら、食料生産の解決になるかもしれないですね。気になります」

レイン:俺とユズハが1週間分の保存食を持っているから、分け合えば9日間粘れるな。

GM:なら、リアル時間との勝負ですね。ただし「ハプニングが起きてすべての区画を調べることができなくなる可能性もある」とは言っておこう。


GM:では探索開始だ。

オルソラ:「まずはどこから調べるんですか?」

ミミ:「ま、工廠から行くのが良いんじゃないっスか?」情報もありませんし。

イキシア:「武器武器武器ー道具ー♪」

レイン:「賛成。修理部品ないと詰むかもしれないしな」

オルソラ:「ま、順当に目的を果たすところからですか」

ユズハ:「では、まずはそこを重点的に探そう」

GM:はい。では右上、工廠区(?)からです。あたり一面に、元は大きな工場であっただろう建物が並んでいる。今となっては雪が降り積もり、かつての面影を忍ばせるばかりだ。デトロイトを思い浮かべろ。ルンフォが2名いるのでわかるのだが、たまに何か書かれていたものが見つかる。会社の名前っぽいものや工場を示す看板だ。さて、この中に何か、利用できるものがあるのだろうか。ここは街中ですが、廃墟と化したウィルダネスダンジョンのようなものなので、レンジャーでも探索可能です。10/13/16 でどうぞ。(一同:ころころ)10と13の2つか。では君たちはまだ利用可能な魔動機の部品を、小型3つ、中型2つ手に入れるだろう。

イキシア:「ふふー、やったです!」

ミミ:「これだけあれば、一先ずはなんとかなるっスかね?」

ユズハ:「なかなか上々の成果だな」

レイン:「よく見つけられるなぁ……」

GM:マギテックがいればそのあたりの情報も出したんだけどね。門外漢しかいないのでは、「とりあえず動くもん持ってこい」しか言われなかった。

イキシア:「うごいたーうごいたー」って喜んでいよう。

オルソラ:「無事見つかったようでなによりです。しかし、何百年も前の機械が、こんな半ば野ざらしで動くものなんですね」

GM:冒険者判定+知力Bです。全員どうぞ。目標値15。

レイン:(ころころ)俺だけ成功。

GM:なんでレインなんだ。違和感がすごい。

レイン:ほんとな。

GM:『こんな野ざらしの環境でなぜ無事なのか?』と、レインはふと思い至っていいです。動作する魔動機械が見つかるのは、通常は生きてる遺跡の内部など、「半ば密閉されて経年劣化の起きにくい空間にあるもの」ばかりです。有名な”はきだめの”魔動死骸区でも、外側にある魔動機械は壊れているものがほとんどで、故に冒険者たちは奥へ奥へと進んでいます。それは、ただ単にここが奈落の魔域という特殊な環境だからでしょうか?

レイン:「すっげえな魔動機。でも、バイクとか外に放置すると壊れてた気がするんだよな。実は誰かメンテしてたりして」地元の田舎にはぱらりらぱらりらって鳴らしながら走るバイクさんがいたことにしよう。

GM:マギテック取ってるあたり、頭いいんじゃないか、そのバイクさん。

イキシア:(笑)「ほ? そ……ええ、ど、どういうことです!?」

ユズハ:「誰かこれを動かせるものが跋扈している、と?」

イキシア:「蛮族!? 蛮族ですかぁ!?」

レイン:「それは可能性低いだろ。地下とかに生きてる施設があるとかかもな。物語でも地下に潜伏とかはよくあるだろ」

ミミ:「メンテ……かどうかはわかんないっスけど、なんか理由はありそうっスね」

GM:生きてる魔動機械が野ざらしだったのに手に入ったんだよ? もっとこの幸運を喜ぼう?

イキシア:「うう、う……ここ怖いです。ほかのとこいくですー! 幽霊がメンテしてるかもしれませんです!!」

オルソラ:「幽霊や蛮族ではない可能性を考えるなら……人族の生き残りがいるかもしれない、ということでしょうか?」

GM:オルソラが乗ってきます。

オルソラ:「明日は農業区、調べてみませんか? 生きてる人がいるなら食べ物が必要なはずです」

ミミ:「もし生存者なら、わざわざ野ざらしにはしないと思うっスけど……。可能性は高まったかもっス……?」

イキシア:「よし。じゃあ明日はごはんスペース、いきましょう! たまにはいいこと言うじゃないですか、オルソラの人。たまには!」

オルソラ:「ああ、私の言うことは、頭を使わない人には普段は伝わりにくいかもしれませんね」

GM:にっこり。

イキシア:「(殴りかかろうとしてダニィにおさえこまれてる)」

ユズハ:「全く、貴方はいつもそういう口の利き方しか出来ないのですね? ハルーラ様に愛想をつかされればよい」

オルソラ:「残念ながら、神聖魔法はまだ仕えるようです。神の意思には背いていないと見える」

レイン:「なら、低レベルに合わせてくれよ、高レベル」

オルソラ:「善処しましょう」ふふん

ミミ:「それフォローになってなくないスか……?」

レイン:「……あ」

イキシア:「むきー!!! み、みんながいじめる!! いじめるですー!! レインさんは味方だと思ってたのにー!!」

レイン:「悪かった、悪かった。拠点に戻ったらなんかやるから許してくれ」

イキシア:「じゃあ……レインさんは、これから先生が焼くサブレ一か月分をイキシアに献上するですよ! 一か月おやつ抜きの刑!」

レイン:「罪重いな!」

ユズハ:「私がサブレを焼くのは確定なのか……卵白たてるのは楽じゃないんだぞ」

GM:ユズハさん女子力たけぇな?

ミミ:「はいはい、敵地っスから。その辺りにしましょうねーっス」

レイン:「……とりあえず拠点戻って休むか」という風に騒ぎながら日が過ぎて翌日でいいんすかね?

GM:はい。では翌日です。どこへ生きますか?

レイン:農業区画へ。

ミミ:ごはーん。

GM:では農業区。昨日の景色とはうってかわって、建物じゃなくて地面が多いのですが、ところどころ雑草が生え、かつてはビニールハウスのようなものだっただろう残骸があります。一見してまともな畑は一枚も見当たりません。

イキシア:「むむむん……外れ、です……?」

レイン:「ま、調べてみようぜ」

GM:はい、ではここの探索です。目標値は 8 / 11。

レイン:GM、「農夫」で振れたりする?

GM:認めます。

ユズハ:おお、一般技能が光る。

一同:(ころころ)

GM:全員抜いたか。では小型魔動機械を4つ手に入れました。コンバインとかおいてあるスペースを漁った感じ。

ミミ:ドゥームとか置いてあったのか。

GM:の、中で仕えるパーツでしょうか。また、調べた結果、やはりこの畑は使われていないことがわかりました。ここで農業をやろうと思うと、土おこしが大変でしょう。みみずもいない。

レイン:(もぐもぐ)「土がまずい」

ミミ:「た、食べ……」

レイン:「ん、まぁ、口にふくんだけど」?顔でミミをみる男

ミミ:「……戻ったら奥様方に『レインは土を食った』って言いふらしておくっス」

レイン:「いじめっこかお前は」

ミミ:「だってきちゃないっスもん!」

レイン:「むぅ、都会人め。これがわかりやすいんだぞー」ほかにわかることありますか?

GM:ここではそれだけです。

オルソラ:「ああ、やっぱり、生き残りはいないんですかね」

GM:声は淡々としてますが、少しがっかりしてる感じが伝わります。

レイン:「どうかなぁ。ルーンフォークなら栄養カプセルもあるし、大規模な農業区画は目立つから動かさなかっただけかもしれないしな。まだわかんねえさ」

オルソラ:「そうでしょうか……」

GM:あまり期待してなさそうです。それっきり無言になってしまいます。さて、では農業区は以上です。3日目いきましょー。

レイン:商業区で。

GM:ふふん、君たちは絶対ここは外さないと思ってたよ。というわけで商業区です。かつて店舗だったであろう家屋、ビル、倉庫が立ち並んでいる。やはり書かれている文字はすべて魔動機文明語です。店舗の名前、スーパー、武器屋、道具屋……一種の商店街か、銀座みたいな感じの店通りだった感じかな。こう、道にずらーっと左右店舗が並んでるやつね。

イキシア:「武器屋、道具屋! 何か残ってないかなー、です」

GM:さぁ探索だ。いい目を出せよ。8/11/14/17。

レイン:(ころころ)8が2つ、11が2つかな。

GM:トレジャードロップ表のA2が4回、bが2回ですねぇ。

ユズハ:じゃ、達成値に応じて各自で振ろうか。


イキシア:スカーレットポーションとゴーデンダッグ(フレイルA)。

レイン:守りの聖水。

ミミ:ナイトシールド。

ユズハ:ウォーターバルーンが1個と魔晶石10点。


イキシア:魔晶石10点!?

ユズハ:実入りがかなりよかったな。ソーサラーのイキシアに渡しておこう。

GM:ではそうですね。ちょうどよくポーション系も出たことですし。

オルソラ:「あの、そのポーション、まさか飲む気ですか?」

GM:スカーレットポーションを指差しながらオルソラが怪訝そうな表情を浮かべます。

オルソラ:「この街が破壊されたのは何時頃かわかりませんけど、100年以上前ですよね?腐ってるんじゃ……?」

レイン:「……」

GM:薬品学判定どうぞ。目標値は10です。

ユズハ:(ころころ)ありがとう味覚のピアス。成功です。

GM:「問題なく飲めるんじゃね? これ。全然腐ってないぞ」と思いました。

ユズハ:「意外と行けそうだ」

レイン:「……奈落の魔域すげえな」

イキシア:「えっ、なんで平気なんですか、それ」

オルソラ:「他にポーション類はなかったんですか?」

GM:ありましたが、全部腐ってました。

ミミ:「……流石に変っスよ。何がどうなってるのか?」

レイン:「わっかんねえけど、使えるならとりあえず使おうぜ。結構役に立つし。気にして死ぬより気にせず生きる方針だ」

ユズハ:レインに渡しておこう。

GM:改めて、探索判定を目標値10でおんしゃす。

イキシア:(ころころ)抜きました。

GM:ではイキシアは、なんとかまだ読めそうな帳簿のような目録を見つけました。魔動機文明語が読める君はサクサク目を通すだろう。あちこちから輸出と輸入をしていた記録だとわかる。

イキシア:「まともな帳簿、久しぶりに見るです……村のは簡易な奴ばっかりですからね……しかし、輸出入? ここで?」

GM:商人+知力判定どうぞ。目標値10。

イキシア:(ころころ)13。

GM:はい、さっき違和感感じてた通り、輸出入なんてここでは不可能なはずです。奈落の魔域ですから。で、記録を読み漁ると、最後に帳簿がつけられたのは約300年前。大破局の頃だろうと思われます。輸出先の街の名前は聞いたことがありません。そして、最後のほうは物価が凄まじい勢いで上昇してます。まるでなにか、物資が手に入らなくなる事でも起きたような。

イキシア:「…………」

レイン:「どした、なんかお宝でもあったか?」

イキシア:「イキシア、どっちなんだろう、とは思ってましたです」

レイン:「?」

イキシア:「『魔動機文明時代の人が作った街』と、『魔動機文明時代の街』では、少し意味合いが変わってくです。でも、これ、後者ですね。……とりあえず、推測の域を出ないことは、黙っておくです。でも、これみてください」と、読み方を教えつつ、物価の上がり方などの説明します。

ユズハ:「……つまり、ここは街ごと奈落に飲み込まれた場所なのか。そのまま、外界と途絶されて……?」

イキシア:「はい。そして、『奈落の魔域は年月と共に徐々に大きくなる』です。ですからここ、普通に考えればいわゆる『中心地に近い』ってことになるですね。『同心円状に奈落の魔域が広がってく』と仮定すればなので、全然違う可能性もあるですが。核の場所が皆目見当ついてない現状、ちょっとは方針になるかもです。少なくとも、ここは数十年かそこら前に飲み込まれたような辺縁ではないってことですね」

レイン:「でかした! これはいい土産だ。すっげえぞイキシア」

イキシア:「……!! こ、これくらい、とととーぜんです! ………えへへ」嬉しそうにぎゅっと帳簿を抱きしめる。

レイン:「これは、ジェネレーター、マジであるかもな……」

ユズハ:「ああ、なんにせよ虱潰しに探した方が良さそうだ」

ミミ:「そうと分かったら、気合入ってきたっス!」

レイン:「あと、やばいと思ったら速攻で逃げるのも頭に入れておいてくれ。俺たちが全滅したら情報が闇に消える」

GM:商業区は以上です。3日目も終わりですね。気合のはいった君たちが迎える4日目。どこへ向かいますか?

レイン:そろそろ全く不明のエリアにいこうぜ。

ミミ:そうですね。正直方針もないですし。

GM:では「?その1」へ。先遣隊がここがなんの用途で使われた場所だったのかわからなかったのも仕方ないだろう。他の場所も破損は酷かったが、この近辺はとりわけ破壊されており、また深く雪に埋もれています。一体何のための区画だったのか。君たちは調査を開始する。探索判定 8 / 11 / 14/ 17です。

ミミ:(ころころ)最大でも13ッスねー。

GM:ここは軍事施設が集まっていたようです。徹底的に破壊されてますね。

レイン:やっぱり。

GM:はい。そして、そんな場所だからか、集められた物資の中から使えるものが掘り出されました。トレジャー表A2を4回、Bを3回どうぞ。


ミミ:アンスルーピック、バヨネット。

イキシア:スティールブレイド(剣A)

ユズハ:ティム(クロスボウA)、ピアシング(ソードS)

レイン:太陽神のハンガー、マテリアルカードA10枚 色無作為


イキシア:お! カードだ!

GM:欲しい色でいいですぞ。不便を強いてるんだから、これくらいはね?

イキシア:そんなこと言われたら「緑10枚で」って言っちゃう。(パラミス)

レイン:ええかと。ガードアップにも使えますし。

イキシア:ヨシ、アルケミができそう。

レイン:スティールブレイド、筋力足りたら使いたいかなぁ……まだ筋力が足りない……。

イキシア:とっときましょう。とりあえずレインさんの手元にどうぞ。

GM:さて、ここでは情報は特にみつかりませんでした。破壊がひどすぎます。アイテムが手に入っただけ御の字でしょう。むしろ「無事だったんですねぇ、アイテム」状態。

イキシア:なんでやろなぁ。

GM:こうして4日目も過ぎ去っていきました。5日目です。

ユズハ:?2へ。

GM:軍関連施設のお隣は、一体どんな場所だったのでしょうか。探索をしましょう。14/17です。

イキシア:高い!

ユズハ:全員失敗だな。

イキシア:うはぁ。

GM:「どこも優しい」なんて言ってないんだよなぁ。

イキシア:……割ります? 現状かなり貴重なアイテムですが。

レイン:判断は任せますが、価値はある気がします。

ミミ:ボーナスに影響しないならありかなぁとは。

イキシア:……えーい。(ぱりん)

GM:14が、抜かれたか……さて、描写していきましょう。イキシアがダニィと歩いていると、のっしのっしとダニィがとある方向へ歩いていく。

イキシア:「ダニィ? どしたです?」

GM:立ち止まったかと思ったら、しっぽで地面の雪をかきわける。そこはかつて建物の中だったのだろう。今は壁も、屋根もなくなり、雪に覆われているため地面と区別できなかった。そしてダニィが雪をかき分けた先は、地下室に蓋をするような扉があった。

イキシア:「はえ!!? だだだダニィ!! そ、それ持ち上げてです! みんなー、きてですー!」

レイン:「どした、探し物マスターイキシア」

ミミ:「お、こりゃ大発見! っス!」

ユズハ:「……よく見つけたな、偉いぞ」

イキシア:「ほ……ほめてくれますです?」(喜びの両手振り)

ユズハ:「そりゃあ、褒められるに値するだろう」

イキシア:「えへへへへ」ダニィをめちゃくちゃなでておきましょう。

GM:扉は年月に劣化し、非常に固くなっていたが、人ならぬ騎獣の力であれば無理矢理持ち上げる事もできただろう。人の腰ほどまでなんとか持ち上げられた扉は、かがめばくぐれそうだ。先は地下へ続く階段になっている。

レイン:スティールブレイドをつっかえ棒にしていこう。ダニイ置いていけないし。

イキシア:Aランクソードー!!

ユズハ:贅沢な棒だ(笑)

ミミ:もったいない(笑)

GM:では君たちは地下へと降りていく……地下は暗い。かつては照明だったであろう物体が天井についているが、既に役割を果たしていない。階段は3人並んで降りられそうだ。一般的な家庭のものより大きい。

レイン:「先生、松明頼む」

ユズハ:「任された」

ミミ:「結構広いっスね。何があるのやら……」

GM:地下へと進むと、カビ臭いにおいが鼻をつく。一体ここに人が立ち入るのはいつ以来のことなのか。階段を2F分降りれば、その先が部屋になっているようだった。部屋には扉が据え付けられている。両開きの扉で、鍵はかかっていなさそうだ。

レイン:「罠調べるか?」

ミミ:「そっスね。何があるか知れないっス」(ころころ)12。

GM:罠はないな。と確認出来た。

ミミ:「んー、なさそうっスね。うん」そのまま開けてしまいましょうか。

GM:はい。君たちが扉を開けると、そこには、大量の棚と、そこに陳列された本があった。「資料保管室」。そんな言葉が君たちの頭をよぎるだろう。踏み台なしでは上まで手の届かない高さの棚がずらりと並んでいる。背表紙に書かれているタイトルは「税収報告書」「農業収穫高」「法令」ここは政府関連施設の区画。そうに違いないと思った。

ミミ:「ははー……。全部読むのは骨が折れそうっスねぇ……」

ユズハ:「これは、すごいな」ふらふらっと中に入っていこう。

GM:なお、全て魔動機文明語で書かれている。

ユズハ:残念。

レイン:機械の図面っぽいのないか。図でも書いてないかなーと適当に一冊手に取ってみる。

GM:では、レインはなんとかいてあるかわからない本を手に取りました。


<BGM 停止>


イキシア:BGMくんが……。

レイン:さきばしったか。


GM:「なにか図の載っているページはないか」。そう思って開いたページは、白紙でした。

まさかと思って本をぱらぱらめくります。

すべて、白紙です。

他の本を取り出します。

また白紙です。

次の本も、次の本も、次の本も。

他の皆も本を手に取ります。

すべて、白紙です。

タイトルは書いてあるのにね。


イキシア:「なななな、なんですかこれー!?」


GM:そして気づくだろう。

本が、新しすぎる。

まるで書店の新品です。

このままメモ帳にできそうな本。


ミミ:「……どういうことっス? まるで、張りぼてか何かっス」

レイン:「誰かが作ってんのか?」

ユズハ:「白紙の本をわざわざか? おかしい……」

レイン:「なんかこう、外側だけ再現したみたいだなこの本棚」

GM:そうですね。まるで誰も見に来ないからそこまできちんと設定する必要無いか、といわんばかりに適当です。

レイン:「奈落が作ったのか、この本をどっかにぶち込むと読める機械でもあるのかわからんけど……ま、そういうもんなんだな……きもちわりいな、なんで地下だけ」

イキシア:「……。目くらまし用のダミーなのか、それとも……コピー……いや……」

ユズハ:この部屋はとこかに繋がっていますか?

GM:いいえどこにも。

レイン:「とりあえずほかに何かないか探したら、戻ろうぜ。ここで固まってても仕方ねえ」

ミミ:「そうっ……スね。一応、何冊かもって帰るっス」

ユズハ:こちらも一冊引き抜いて持って帰ります。

イキシア:うーん、不穏だー。

GM:では君たちは、いくつか白紙の本を抱えて、地下室を出る。

レイン:「出れたか」

イキシア:「ホラー体験を……しましたです……」

GM:せっかくこの荒れ果てた大地できれいなものを見つけたのに、皆さん不満そうですね。そういう名前のメモ帳なのかもしれませんよ。

イキシア:不満というか、不穏だー!!

ミミ:「うーん、もやもやするっス」

レイン:「ま、何かあるってことはわかったわけだ。これも収穫だろ。ただの廃墟じゃねえよ、ここ」

ユズハ:「そうだな。……白紙なだけに、資源的な価値もあるだろうし」

イキシア:「……とにかく! ダニィ、よくやったです! ほかのとこいきましょうです!」

GM:はい、では5日目も終わりです。6日目。

ミミ:さいごのはてーな。

イキシア:いっちゃいますか。迷っている時間が惜しい。

ユズハ:OKです。

GM:では「?その3」 目標値 6 / 11 / 14。(ころころ)まず11抜いた人トレジャー表B、14抜いた人追加でCをどうぞ。


ミミ:(ころころ)バヨネットとナイトゴーグル。

レイン:(ころころ)パルチザン。


GM:あとは全員わかった情報だ。ここは神殿地区だったようです。神殿によく使われる様式の柱や壁が残されています。君たちは雪の中に引き倒され、破壊された像をみることだろう。そんな中、1つだけ破壊されずに残っている石像を見つける。ミリッツァの石像だ。どうやら、この石像だけは壊されずに残ったらしい。

ユズハ:「またミリッツァか」

ミミ:「ほとほと縁があるっスねぇ」

イキシア:「複雑な気持ちです」

オルソラ:「無事な石像が一つでも残っていて、よかったじゃありませんか。ハルーラ様の石像は破壊されていたのが残念ですが」

レイン:「……慈愛と復讐かぁ。俺たちとかイリトとかガオウとか、みんな復讐させるために呼ばれたとか……?」

GM:わかることは以上ですね。リアル時間的に、次が最後でしょう。どうする?

イキシア:「居住区(?)2」にいきましょうか。

GM:では最終日。居住区(?)2。比較的朽ちていない建物が残っている。集合住宅じみた建物もあり、たしかに人の住んでいる地区だったのだろう。そんな中、目を引く建物がある。大きな建物だ、敷地も広そうだ。壁で敷地が囲われていたのだろう、周りとの境界を示す壁が残ってる箇所がある。そして君たちは似たような建物を見たことがある。魔術協会だ。

イキシア:おや、縁がある場所。

GM:魔動機文明時代は「古臭い」として疎まれていた魔法だが、それでも権威は残っていた。ここは過去の象牙の塔なのか? 比較的形ののこった建物に君たちは踏み入るだろう……探索判定です。11/14/17。

イキシア:13。

ミミ:13。

レイン:13。

ユズハ:9。

イキシア:みんな仲良しかな。

ユズハ:すごいな(笑)

GM:さて、ここは魔法の品が指定で手に入る場所なんだ。知名度11までの、10000G以下のアイテムが見つかっていいよ。3つな!

イキシア:なんだとう!?

ミミ:なんと!

イキシア:(ルルブめくりつつ)で、でも知名度11までかー……。

ミミ:知名度11縛りがかなり効いてる……。

GM:14がぬけてればねぇ。


しばし長考する一同。拠点では「魔法のアイテムが一切買えない(指輪すら)」「3000ガメルまでの品しか買えない」ということもあり、今後の成長も鑑みて喧々諤々の議論が続いた。

そして結局。


ユズハ:マナチャージクリスタルの5点、逃さずの眼鏡、魔晶石20点を希望します。消耗品より残る物重視。

GM:大体上限価格決めるとみんな、便利なものより高い物を持っていく中でクレバーな選択をしようとしとる。


GM:さて、魔術協会からアイテムを手に入れた君たち。ほくほく顔ではあるものの、「有益な情報」という意味では無駄足だったので、簡易の拠点に引き返す。すると、そこには君たちの拠点を調べる蛮族の姿があった。どうやら「定期的な見回り」というやつが、運悪くかち合ってしまったらしい。3種類の蛮族がウロウロしている。魔物知識判定をお願いします。

ユズハ:気づかれてますか? ペネトレイト唱えられます?

GM:OKです。

ユズハ:(ころころ)発動判定成功。ではまもち。

一同:(ころころ)

GM:ボルグ以外の2種は弱点も抜けました。雑魚のボルグ君だけ抜けてないってどういうこと。

ユズハ:(笑)物理ダメージ+2ぇ。

GM:あわせて5体います。また、オルソラは前回同様頼めば神聖魔法を使ってくれます。

レイン:コレヤベエナ。ボルグヘビー、最大火力28点かよ。出目がいいとワンパンで死ぬぞレイン。

イキシア:わー!

ユズハ:うえ。……まあ、ダブルプリーストのおかげで、アウェイクンとキュア同ターンに飛ぶので、どうにか。

GM:では先制判定どうぞ。11ですねこっち。

ミミ:(ころころ)9。あっ。

イキシア:ひゅー!

GM:先制判定が苦手なミミ。

ミミ:先制を取れたためしがない……。こいつビビりなんすよ(出目の弱さをPCに押し付けていくスタイル)

GM:というわけで、準備が他にあるならどうぞ。ただし3分以上もつ魔法に限りますね。

レイン:フィープロがほしいな。

ユズハ:フィープロをオルソラに依頼します。

GM:(ころころ)成功。オルソラ以外の5人にフィープロが乗ります。

イキシア:ありがたいオルソラさん。

レイン:「サンキュ、オルソラ。じゃ、行くか!」

ミミ:「あっ、ちょ、待って欲しいっス!」

レイン:「持ちつ持たれつ、前線支えるぞ」

ミミ:「う、うス!」

GM:頭がよくないから、5体ともランダムに狙っていくぞ。(ころころころころ)レインとレインとレインとレインとレイン。

レイン:わらった(笑)

ミミ:流石にだめでしょ!

イキシア:モテモテ……?(まずいですよ)

GM:レイン生きろ。ヘビーアーム以外固定値です。回避どうぞ。

レイン:(ころころ)回避、ヒット、回避、回避、回避!

GM:(ころころ)19点。

レイン:ぐふ。12点もらい。

イキシア:レインさんが生きている……。

ユズハ:よかった!!

レイン:「よし、しのいだ! 安心しとけミミ、持ちつ持たれつで行けるもんだろ!」

ミミ:「さっすが! たよりになるっスよ!!」

GM:そちらのターン。

ユズハ:ユズハからレインにキュア飛ばして、通ればオルソラにバニッシュ撒いてもらいます。(ころころ)発動成功、8点回復。

レイン:あざっす。

GM:ではオルソラがバニッシュ。(ころころ)出目、3。誰もかからず。

ユズハ:ぐ。終わり。

イキシア:はいー、ではダニィ、5体まとめてテイルスイープ!

GM:ダニィはこれがあるからな。(ころころ)ハイランダー1匹とヘビーアームがかわした。3体ダメージどうぞ。

イキシア:(ころころ)4点7点8点。

GM:くそ、結構痛いぞ追加2点。

イキシア:で、ダニィおわりだー。自分では弱ってるハイランダーにエネボ(ころころ)くー。同値。半減して5点で。

ミミ:では、ヘビーアームを挑発します。(ころころ)また出目が……。

GM:ひゅん。

イキシア:出目が全体的に……!

レイン:悩むなこれ……猫目、ボルグハイランダーに通常攻撃。(ころころ)出目3。

ユズハ:呪われてるなあ。

GM:かいひー! こっちのターンだ。(ころころ)ダニイ2、ミミに2、レインに1。

ミミ:(ころころ)回避。

レイン:(ころころ)6ゾロ。

イキシア:(ころころ)合計11もらいます。

GM:ボルグ以外全員はずした。そちらのターンだ。

ユズハ:ダニイに回復飛ばします。そのあとはさっきと同じで。(ころころ)8点回復してからバニッシュ。

GM:(ころころ)ボルグと……ヘビーアームに入ったな。

ユズハ:よし!

GM:効果は……(ころころ)7,10,7。ボルグ1体とヘビーアームにデバフ、もう一体のボルグは行動不能。さぁカモン。

レイン:動きます。弱ったハイランダー殴り。(ころころ)ぐ! またかよくそが!

GM:7で当たる設定なんだがなぁ(ちょっと予想外)


その後も、いまいちPC側の出目が振るわず、殴ったり避けたり抵抗したりをひたすら繰り返し。

戦闘は実に7ラウンドに渡って続いた。


GM:そちらのターン。これでラストかな。

イキシア:レインさん行ってくださいな!

レイン:うす。全力攻撃!(ころころ)回った!

GM:レインの逆襲か……! 死んだわ。

ミミ:ふぅー!

レイン:「わりい、手間取った。みんな無事か」

ミミ:「ナイス一撃っス! レイン!」

ユズハ:「問題ない。誰も落ちなかったからな」

イキシア:「いーきーてーるー! こわかったですー! でもかちましたですー!」

ミミ:ハイタッチを求めよう。

レイン:応じます。「いえーい」

ミミ:「イエーイっス」

イキシア:「おお……これがうわさの『ハイタッチ』……」

ユズハ:「羨ましいなら混ざってきたらどうだ?」

イキシア:「…………後衛組集合ー。い、いえーい」と、オルソラさんに左手、ユズハさんに右手をあげる。

ユズハ:「はいはい……」しゃがんでちょん、っと手に触る。

オルソラ:「……」無言でハイタッチ。

GM:魔法を撃ち続けたオルソラも、流石に疲れたようです。

イキシア:「……!! えへへ!」オルソラさんを見て普通に笑顔。ユズハさんにはジャンプで喜び表明。

ミミ:「あーズルいっス! じゃあダニィともイエーイっス」

レイン:「だな、ダニィ、助かったぜ。お前とミミがいなかったら絶対死んでたわ」

ダニィ:「!」(しっぽふりふり)(しっぽハイタッチ)

GM:テイルスイープ……?

ダニィ:(笑)

ミミ:「レインこそ、最初で遅れてごめんっス。初手、全部任せちゃったっスから」

レイン:「なーに、そのあとのこと考えたらお互い様。ほんと持ちつ持たれつだ。サンキュウ相棒」

ミミ:じゃあ相棒って聞いて「……そうっスね。……そっスね! 相棒!」と嬉しそうにしておこう。

ユズハ:「魔香草はいるか?」とオルソラさんに声かける。

オルソラ:「いえ、それよりもさっさと離れたほうがいいんじゃないでしょうか。あれで蛮族が全部とも限りませんし」

イキシア:「冷静です……まぁ、それもそうですね」

オルソラ:「こんなところでのたれ死ぬなんてゴメンですからね」

ユズハ:「そうだな。なら、離れよう」

レイン:「全員で生きて帰らねえとな。よっしゃ、撤退するぞ。手に入れた機械と情報を本部に持ち帰る」

GM:君たちは仮設拠点を引き払い、足早に北の廃墟へ向かうのでした。


GM:北の廃墟へとたどり着きました。ガオウが迎えてくれます。

ガオウ:「おう、無事に戻ったか。『生きて戻れる冒険者はええ冒険者』や」

レイン:「全員で生きて帰らねえといけないからな。イリト達は?」

ガオウ:「ちょうどさっき戻った。多少収穫はあったみたいで、今マギテックに渡しに行っとる。行きも帰りもタイミング一緒とは、お前らホンマに仲ええのぉ」

イキシア:「! よかった……」(小声で胸をなでおろす)

ガオウ:「そいで、どうやったんや?」

レイン:「そこは探索のプロに頼むわ」

ミミ:「お任せっスー」かくしかで魔導機械について伝える。

イキシア:抱えてきた帳簿も見せます。……こっちのほうはどうしましょ。

GM:街の不穏さについては、伝えるか決めてください。


レイン:伝えていいんじゃない。

ミミ:まぁ、伝える、かなぁ?

ユズハ:PL的にはなんとなく伏せたいんだが、PC的に伏せる理由がないのだよな。

ミミ:PL的に怖い、分かる。

イキシア:べつにガオウさんのことはPCなーにも疑ってないんですよね。

ユズハ:アンプレさんがなあ……。

レイン:ミリッツアだけ壊れてなかったし。

イキシア:それ……。ガオウさんに「他言無用にできます?」って言って伝えてみる?

ユズハ:「アンプレさんにもですよ?」って?

ミミ:でも、多分ガオウはんはアンプレさんに伝えそう。

イキシア:それでも上に伝わったらまあ、それはそういうこと。

ユズハ:内通者としてカウント出来る、か。

レイン:じゃあレインが話そうとして止めてもらうくらいにしてもらうと話すきっかけも残せるかな。適当に口を滑らせかけよう。


レイン:「あれ。なんであれ言わねえんだ、お前ら。街でみつけた……」

イキシア:では。「……ストップです。あの、ガオウさん、お願いがあるです」と、ちょっとガオウさんをじーっと見上げる。

ガオウ:「なんや、なんぞあったんか?」

イキシア:「……ガオウさん、アンプレゼントさんに、かくしごとできるですか? ないしょ、できますです?」

ガオウ:「アンプレゼントさんにか? なんでそんなことせなあかんのや? あのひとがレジスタンスのリーダーやで」

イキシア:「…………」

ユズハ:「だからこそ、になります」

ガオウ:「っ、どういうこっちゃ?」

イキシア:「……。です。イキシアが、アンプレゼントさんを、信用してないからです」

ガオウ:「……お前ら、それはないんちゃうか? お前らかて世話になっとるやんけ」

GM:流石に険しい顔になりますね。

ミミ:「まぁ、そりゃそうなんスけど……」

レイン:「え」って顔してるレイン君。

イキシア:「それとこれとは話が別です。世話になってますけど……イキシアは、まだ、どーしても、ダメです。他の人はしりませんが。イキシアが発見したことを、イキシアは、アンプレゼントさんに『まだ』伝えたくない。本当の本当に信用できるってなったら、自分から伝えますです」

ガオウ:「……まぁ、ええわ。余計な事であのひとを心配させたないし、言うなっちゅうなら黙っといたる。何があったか言うてみぃ」

イキシア:「ありがとです。じゃあ……というか、無用な混乱は避けたいんで、アンプレゼントさん以外の他の人にもないしょないしょですよ。これはガオウさんへの打ち明け話です」

ガオウ:「心配性なやつらやのぉ。ここは奈落の魔域や変な事くらいなんぼでもあるで」

イキシア:「……えへへ。ならいいんですけど」と言って、例のミリッツァ像のこと含めて、白紙の本と、帳簿のこと……話しちゃっていいですかね?

ミミ:いいと思います。

レイン:レインはOKです。こいつはもともと全部話すつもりなくらいなので。

イキシア:かくしかー。

ガオウ:「…………まぁ、わかったわ。言うても正直わいはそんなに気にすることかと思うけどな。さっきも言うたが、ここは奈落の魔域や。逆にまっとうな判断が一切通じへんときもある。わいはそれをよーーしっとる。お前らも、そのうち慣れるんちゃうか。それがええことか悪いことかはわからへんけどな」

ミミ:「ま、全部杞憂ならそれでいいんスよ。私もそうあって欲しいっス」

レイン:「俺もそう思うんすけど……まぁ、ただ、ミリッツアの神像でここに呼ばれた身としては、複雑な気持ちもあって」

ガオウ:「そんなもんたまたまやろ。わいなんか森ン中で突然やで」

レイン:「……まぁ、ですよね。決してあの人のこと俺たちが嫌いってわけじゃないので、そこはどうか」

イキシア:「シンカンというものに今苦手意識があるです、ちょっといろいろあって─……」一瞬予言のこと言いかけて黙る。

ガオウ:「そうか。まぁお前らルーンフォークやもんな。神様関連は相性悪いか」

ミミ:「そーなんス! ルンフォごころは複雑なんス!」

レイン:「すみません」と、深々と頭下げておこう。

ガオウ:「まっ! きにすんな。これで生産設備さえ直ったらなんとかなる! とりあえず、手に入ったもん渡してこいや!」

レイン:「うす!!」


レイン:移動がてら「……まさかそこまでとは思わなかったよ」とみんなに言っておきます。イキシア:「シンカン、何考えてるかわからなくて苦手なのです。……あっ、先生以外!」

ユズハ:「ミミの言う通り、杞憂に終わるならそれでいいんだがな」

イキシア:「それなら、ほんとにいいんですけど」


GM:生産施設のある場所は、街の中でも特に壁で囲まれてるところでした。中には破壊と年月の経過にも関わらず、形を残している設備があり、マギテック達が必死の修復作業を行っています。傍らには荷物を届け終えただろうイリトたちもいました。君たちが入ってくるとほっとした表情を浮かべます。

イリト:「よう、無事だったか」

イキシア:「そっちこそです、無事みたいでよかったです」

ユウナ:「全員無事みたいで安心したわ。こっちは蛮族に出会っちゃって」

イキシア:「おや、奇遇です。イキシアたちもです」

ユウナ:「やっぱりそっちでも蛮族に出会ってたんだ。ちょうど巡回のタイミングだったのね」

アレン:「ハツセがすごい勢いで殴り合ってたよな……」

ハツセ:「なんとかなる相手で良かった」

エルミン:「いや、そういう意味じゃないと思うけど……まぁ助かったよ」

イリト:「ははは、そっちはどうだった? こっちはいくつか生きてるパーツ、手に入れられたぜ」

ミミ:「こっちもぼちぼちっスねー」といいつつ、パーツの幾つかを見せびらかそう。

GM:そんな風にわいわいと話していると。

イリト:「…………なぁ」

GM:イリトが言いにくそうに切り出します。

イキシア:「ん? どしたです」

イリト:「いや、そのさ。変な事聴くかも知れないけど。廃墟さ、変じゃなかったか?」

アレン:「またその話か」

ハツセ:「黙って聴く。ロリ先生の意見も聞きたい」

ミミ:「あー……」

イキシア:「……どんなふーに変だったです?」

ユウナ:「……そうね。100年以上前に破壊された街のはずなのに、使えるポーションが落ちてたりとか……」

GM:ポーションを見せてきます。

イリト:「それに、魔動機械の部品さ、野ざらしだったんだ。おかしくないか? なんで動くんだ?」

アレン:「動くんだからいいんじゃないのか……」

エルミン:「実際、動かないと困るんだけどね……」

アレン:「だろう?」

ユウナ:「中で生まれた3人には、それ自体おかしいってことがいまいち伝わりにくいみたいで……そっちはどうだったかなって」

イキシア:どうしましょう。

ミミ:言っちゃっていいと思います。下手に誤魔化してアンブレさんにいったらまずいし……。

イキシア:「…………こっちもでしたです」眉を下げつつ。「なんで100年以上前のスカーレットポーションのめるんだって話です」

イリト:「やっぱりか」

ユウナ:「奈落の魔域がこうなのかしら? それとも何か理由が?」

イキシア:「でも、腐ってるものはほかにもあって……」

アレン:「なら、最近のポーションが落ちてたんじゃないのか?」

エルミン:「誰があんなところでポーションを落とすって言うのさ」

イリト:「ポーションの消費期限ってさ、どのくらいだっけ」

GM:知識判定どうぞ目標値10。

ユズハ:(ころころ)成功。

GM:おおよそ20年程です。結構長持ち。

イキシア:でも100年はもたない、と。

ユズハ:「そうだな。20年はもつと言われているが……それ以上は怪しい。本来なら飲めたものではないはずだ」

ユウナ:「やっぱり100年以上なんて無理よね」

アレン:「つまりどういうこったよ?」

ハツセ:「それがわからないからみんな悩んでいる」

ミミ:「まるで、誰かが置いて行ってくれたみたいっスねぇ……」

アレン:「ふーん……でもさぁ、それってそんなに大切なことか? 今はあのでかい機械が直るかどうかが大事なんだろ?」

イキシア:「だいじですよ。ミミさんの言う通り、『誰かがあそこに置いて行ってくれた』というなら、それはもしかしたら、あそこに暮らしてる人がいるかもしれないって意味かもしれませんし。もしかしたら、『我々の来訪を知った上で、あそこに物品を置いた者たちがいる』ってことかもしれません。それが、いい方向ならいいんですが……いやな方向の場合、誰かの掌の上ってことも……いろいろ考えられるです。だから、だいじですよ。かんがえることをやめてはなりません、です」

レイン:「ほんと先生だなイキシア」

ミミ:「この戦いに誰かの台本があるなんて、考えたくもないっスけどね……」

アレン:「……なるほど、ロリ先生が言うみたいに、生き残りがいるんならいいなぁ」

ハツセ:「この話を聞いて、その結論がでてくるアレンは大物なのか、馬鹿なのか……」

エルミン:「まぁ、でも今は確かにあの設備が直るかどうかですよね……」

イリト:「……まぁ、そのために来たんだしな」

ユズハ:「(生き残り、か。オルソラもやけに生き残りを気にかけている素振りを見せていた。それも含めて掌の上でなければいいのだが……)」

GM:しばらくすると、マギテック達が設備から離れます。どうやら、やれることは終わったようです。緊張した面持ちで設備の電源を入れると……機械が音を立てて動きだします。

アレン:「動いた!」

GM:マギテック達の歓声も広がります。

イリト:「ああ、とりあえずやったな」

GM:声を聞きつけたのか、ガオウ達もぞくぞくとやってきます。

ガオウ:「いけたんか?」

マギテック:「ガオウさん! ええ、こいつは生きてますよ!」

ガオウ:「ほんまか……そうか……!」

イキシア:「とにかく前進、です!」

ミミ:「いやー、良かったっス!」

ユウナ:「ほんとに、ね?」

ハツセ:「ええ、これで物資はなんとかなるのよね?」

ユズハ:「それで、これはなにが作れるんだ? 『生産設備』だと聞いていたが」

ガオウ:「色々や。武器でも、防具でも、食料加工もできる。いうたら工作機械やからな。ほんま魔動機文明っちゅうのはすごいもんやで」

GM:シナリオの都合上そういう機械デス。

ユズハ:「ほう……それはすごい」

イキシア:「すごいです、さすが我々の生みの親文明です」

ミミ:「けっこう凄いこみたいっスね、様様っス」

レイン:「……蛮族から守らねえとな」

ガオウ:「お前らもようやってくれたわ!」

GM:バーンとレインとイリトの背中が叩かれます。

レイン:「うお」

イリト:「いってぇ!」

ガオウ:「これで、しばらくは村に物資を送らなあかんが、次のステップに進めるで!」

レイン:「ここまで来れるようにしてくれたあんたたちのおかげだよ」

ガオウ:「伊達に10年もここにおらんわい!」

レイン:「その10年を勝利までもってくさ」

ミミ:「っス!」嬉しそうに頷いておく。

ユウナ:「ところでガオウさん、次のステップってなんですか?」

ガオウ:「ん、ああ、そうやな。またお前らにも手伝ってもらうかもしれへんし、教えとこか。……ここで武器や防具を作って、奴隷にされておる人族に届けるんや。『蜂起計画』。まずは我が物顔した蛮族共に目にもの見したるで」

エルミン:「武器や防具が潤沢にあるなら、みんなも手伝ってくれるかも……!」

レイン:「奴隷達は、立ち上がれるのか?」

アレン:「おいおい、レイン。俺たちだって元奴隷だよ」

レイン:「わりい、だな! むしろ、その気にさせるのも俺達の仕事のうちって思わねえとな」

ガオウ:「そういうこっちゃ、これから忙しなるで、おまえらもきばれや!」

レイン:「俺達冒険者に立ち上がったアレン達、皆で希望見せてやるか」


イキシア:かっこいい! 流石主人公枠!

GM:というところで、本日終了となります。

一同:お疲れさまでしたー!

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