冥界の使者

バブみ道日丿宮組

お題:優秀な冥界 制限時間:15分

冥界の使者

 欲望というのは抑えきれない。

 抑え込むと違う自分が現れてしまう。

 だから、僕は人殺しという咎をするようになった。

 1人、また1人と、世間を話題にした人を殺してく。

 それは護衛がいようと、決行した。

 以外に人は、人を信じるもので、内部に入るのは簡単だった。

 誰しもが、自分は狙われない、自分は関係ない。

 そんな甘い考えを持ってる。

 だからこそ、忍び込める。

 世間では新たなシリアルキラーとして、名前をつけてた。

 もっとも僕はそんなものを欲しがってやったわけじゃない。栄光がほしいのであれば、もっと偉大なことをすべきだろう。まぁ僕にはそんな才能は1つもない。

 あったのは、殺せるという状況を判断できる能力のみ。

 それは子供の頃からあって、喧嘩という暴力に当てはめてた。

 おかげで友だちらしい友だちはできなかった。


 そんな僕は、天国にいけるはずもなく……不思議な場所に気がついたらいた。


「……ここは?」

 真っ白な世界だった。大地は透明な水色、空は白い。

 立ち上がって周囲を見ても、境界線が見えるだけで、なにもない。

 ここが地獄だというのであれば、罪を償うための罰が与えられるはずだ。しかし、数分待ってもそれは訪れず、無が続いた。

「こんにちわ」

「……? 誰?」

 突然湧いた声に振り返ると、白い羽根をはやした人間がいた。頭の上に輪っかもあるし、天使……か?

「あなたは冥界の使者として選ばれました」

「それはなんかの冗談かなにかです?」

 冥界ということは、ここはあの世なのだろう。

「あなたの才能は、不要な人間を削除するのに最適だと判断されました。そのため、新たな能力を持って転生してもらいます」

 どういったことなのだろうか?

 悪いことをしてたはずなのに、良いことにされてる。

「アドバイザーとして私もついてきます。大丈夫です。私達は人に認識されません。そのため、どのような手段を使っても、相手を亡き者にすることができます」

 天使がいうことだろうか。死神の間違いじゃないだろうか?

 いや……死者を迎えに来るということを考えれば、死神といえる。

「拒否権とかは?」

「ないですね。それがあなたが罪を償うための道筋です」

 殺しが罪を償うこと。

 ずいぶんと馬鹿なことをこの天使はいうものだ。

「転生なんかしたら、長い時間を無駄にする」

「転生っていうのは言葉だけで、実際には今の貴方を大地に戻します。そうして仕事をしてもらいます」

 神というのは自由に生死を操れないのだろうか。

「神様なんていませんよ? いるのは私みたいな意識のある人間だけです」

 考えてたことを否定されてしまった。

「じゃぁ、誰の命令でここにきたの?」

「会議の結果ですね。大地でも社員を切り捨てたりの会議があるでしょ?」

「なるほど」

 納得する以外の結末は得られず、僕はそうして大地へ戻った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

冥界の使者 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る