絵かきの世界
バブみ道日丿宮組
お題:絵描きの天使 制限時間:15分
絵かきの世界
彼女は今日も今日とて教室で1人絵を描いてた。
その姿はとても美しく、彼女こそが絵を描かれるべきだと思うが描こうとする生徒はこの教室にはいない。
「……」
僕はそんな彼女を後ろから見守る1人のクラスメイト。
これがイケメンだったら、声をかける事案なのかもしれないが、僕は違う。ブサメンということはないが、彼女に釣り合うような人相は間違いなくしてない。
彼女は可愛くもあり、教室で話題になるのをよく耳にする。
でも、無口というか自分の世界に常に入ってるからか、評価はあまりよくない。
可愛いのに勿体ないというのが、クラスの男子からの評価。女子からは存在がうざいらしい。
まぁ彼女に声がかからないのは、描いてる絵がアレなのもあるかもしれない。
アレ……いわゆるえっちな絵だ。
それはグロテスクでもあり、独自の世界観でもある。
頭に胸があったり、お腹が引き裂かれてたり、股間が強調されてたり。よくわからない想像の世界がそこにはある。
いわゆるあかん系なのは間違いない。
「……」
そんな絵を教室で堂々と描かれて、他人に見せつければ、嫌というほどに距離を取るだろう。
ーー自分はこんな人と仲良くしてはいけない。
ーー自分はこんな人ではない。
そう思い、日々を過ごしてる。
唯一評価してるのは美術の先生だろうか。授業中によく天使だと褒めてる。
彼女が天使なのだとしたら、僕たちはいったいなにに該当するのだろうか。
まぁ……人の視界に入らない僕はどれにも該当しないか。
「……」
彼女は美術展をよく開いて、収入を得てる。
その評価はまだ地元でしかないだろうが、いずれ世界に進出するだろう。
それまでに、僕は彼女に声をかけることができるだろうか?
恋人になれれば、もちろん嬉しいが友だちになれればと思う。
だって、僕は彼女の絵を誰よりも購入してるのだからーー。
絵かきの世界 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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