夜の訪れ

お題：賢い夜中 制限時間：15分

夜の訪れ

「なに？　真夜中にきたりして。もしかして夜這い？」

「仮に夜這いであっても、君は拒否しないでしょ」

「そうね。受け入れるものは受け入れる。あなたならそんな気遣いすらいらないだろうし、私もいい気分になれると思うの」

「それはどうだろうね。僕が下手くそだということもあるんじゃないかな？　不慣れな夜這いは、されるほうもよろしくないだろうし？」

「あなたが夜な夜な女性に襲われてるのは知ってる。だから、未経験ってことはないでしょ。主導権を握るのか、そうでないのかの違いはあるでしょうけど」

「そうだね。その事実は変えられないし、さっきまでそうだった」

「そのまま一緒に過ごせば良かったのに」

「好きでもない娘と一緒にはいられないよ」

「そんなことをいって、やることはやってるじゃない」

「そうだね。否定はできないよ。だからこそ、君のところにきたんじゃないか」

「口直しってこと？　私の口はそれほど美味しく見えるのかしら？」

「そうだね。純白の下着に包まれた君の突起物はとてもいいものに見える」

「触りたい？」

「うん。なめたり、吸ったりもしたい」

「いままでそういうことはさせてもらえなかったの？」

「うーん、無理やり押し付けられる感じだったかなぁ。そのおかげで感じるよりも、圧迫のが強かった。君との行為はそういうのはないだろうし」

「優しくしてくれるのなら、誰でもいいってことじゃない？」

「そうでもないさ。君のはいい匂いが他の娘と違ってする。そうそそる味というのかもしれない」

「面食いのあなたがそういうのであれば、もしかするとそうなのかもしれない」

「なら、いいよね。ベッドにあがるけど」

「そのまま一緒に朝まで眠るって選択肢もあると思う」

「もしかして恥ずかしい？　電気消そうか」

「いいえ。そうではないの。こういうのはもっとふさわしいときにやるものじゃないかって思うの」

「夢見がちだね。僕は嫌いじゃないよ、そういうの」

「ならーー」

「でも、僕は自分の意志とは別に奪われてしまった」

「あなたと私は違うわ。一緒にしたいの？」

「君ならわかってくれるって思ってたんだ。だって、こんなにも頬が熱い」

「なにかを想像すれば、基本人はそうなってしまうの」

「触っていいよね」

「好きにして。私には勝手がわからないから」

「そう。わかった」

　そうして、1人と、1匹は、ちゅんちゅんと朝を迎えた。