隣のお猿さん
バブみ道日丿宮組
お題:猫のゴリラ 制限時間:15分
隣のお猿さん
人の声が聞こえると思って、外に出てみれば、
「お猿さん……?」
ベランダにいたのは、大きな猿だった。
「動物園から脱出したとか?」
お猿さんは警戒心がないようで、私が近づいても逃げなかった。
変わったことがあるといえば……、猫の着ぐるみであることだろうか。
「うーん」
とりあえず、家の中で調べてみようと戻った。
テレビでは速報はなく、インターネットで『猫、猿』と検索してもそれらしいものはでなかった。
そもそもなぜ服をきてるのだろうか。
いや……人間が服を着なければいけないルールというのはないから、他の動物が服を着てても問題はないだろう。
なんにしても可愛らしいものだ。
ペット禁止じゃなければ、飼ってもよかったのだろうが……ルームメイトは困惑するだろう。
「……」
管理人が帰ってくるまえにいなくなってくれると問題は起こらないからいいのだけど……。
お猿さんは気にもしない様子。こちらが視線を送れば、視線を返してくれる。人懐っこい感じがするから、やっぱりどこかで飼われてるお猿さんなのかもしれない。
ちょっと撮影して、ネットにあげてみようかな?
知ってる人がいれば反応するだろうし、バズったりもしそうだ。
「ん、目立ちたがり屋さんなのかな」
スマホをお猿さんに向けると、ボディビルダーがよくするポージングをし始めた。撮影慣れしてるのかな?
まぁいいかとポチり、そして投稿。
数分も立たずにSNSに拡散されていった。
『かわいいですね』、『淫獣じゃないか』、『猿ってかゴリラだよね?』、『うほっ、やらないか』、『猫と猿……そういうプレイもあるよね』
ほんと自由だなって思う。
それがSNSの素晴らしさでもあるんだと思う。
『市役所に連絡したほうがいい』、『警察呼んだら?』
「連絡か……」
確かに管理人さんが帰ってくる前に出てく保証はない。
だったら、国のエージェントにお願いするのも手かもしれない。
そのあとなんやかんや対応を考えてると、いつの間にかお猿さんは消えてた。
ただ……猫の着ぐるみだけがなぜか残されてた。
隣のお猿さん バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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