0-2、キャラ紹介

 さて、当日。

 それぞれの朝ごはんを手にグループ通話に集まったメンバーは、全員の用意が済むまで、お互いのキャラの関係性を詰めながらのんびりと待っていた。

 なかなか独特な関係になった部分もあるが、これは後程、キャラ紹介と共に発表しよう。


 全員が準備完了になったのを見て、GMが開始の音頭を取る。


GM:では改めて、皆さんパーティーが、冒険者ギルド〈青空の船出亭 ブルーノーズ〉に呼び出された……という所で。ギルドに向かってください、という形で導入を始めよう。順番はどうでもいいよ。


プレイヤーたち:はーい!


プレイヤーA:順番決定ダイスか? ダイスだな?


プレイヤーC:あ、待って、導入前に一個確認したいんだけど。このパーティーって、大体常に一緒に居るような感じなのか、それともメンバー誰かの招集で集まる感じなのか、どんな感じかな?


プレイヤーB:その辺も決めてないね、そういえばね。


GM:シナリオ的に言うと、パーティーとして認識さえされていればどんな形でも問題ない。


プレイヤーB:なんか此奴ら一緒に居るな、で良いんだ。


プレイヤーC:働くときだけ一緒とかでも良いわけだね。


GM:そうだね。


プレイヤーE:他のメンバーはわからないけど、うちのは多分、招集された時だけ集まるタイプかなあ。


GM:その辺も含めて導入の順番を決めよう。ダイスを振りたまえよ。


 GMの指示によりダイスを振るプレイヤー達。

 ソードワールドで使うダイスは、六面ダイス二つだ。出目の期待値は7なので、7以上の値を出せないと辛い判定もあったりするのだが……。


プレイヤーA→9

プレイヤーB→8

プレイヤーC→4

プレイヤーD→6

プレイヤーE→3


GM:こいつら大丈夫か? 今から心配になってきたぞ……。


プレイヤーE:おっとぉ?


プレイヤーC:駄目かもしれないですね。もう駄目かもしれない。


プレイヤーB:おいおいおい、出目ゴミじゃねえか……。


GM;出目弱共がよお……。


プレイヤーA:これ、順番は高い方から?


GM:まあ、高い方からでいいかな。あとはパーティーリーダー的な人も一人、決めてもらえると助かる。


プレイヤーC:このメンバーに依頼投げようと思ったらこの人に声掛けるか、みたいなポジション?


GM:そうそう。シナリオ的には必須じゃないんだけど、進行がしやすいから。あとまあ、普通はリーダーポジションって居るんじゃないかな? って感じで。


プレイヤーA:リーダーぶってる・・・・のは、うちのキャラだとは思いますね! ぶってるだけだけど。


プレイヤーE:わかる(笑)


プレイヤーD:じゃあ保護者・・・の、プレイヤーBのキャラじゃね? パーティーリーダー。


プレイヤーE:ホゴシャノカター。


プレイヤーB:あっ、はい、じゃあ、やります(笑)


プレイヤーC:冒険者ランクも一番高いしね。


プレイヤーB:それはある。成程、そうしよう。うちがやります。


GM:オーケー。じゃあ、今決めた順番が、ギルド〈青空の船出亭 ブルーノーズ〉に入っていく順番ということで。キャラ紹介から、導入の流れを続けてやってしまおう。


プレイヤーA:OK、此処からか。キャラの名前は、ベルジ。(プレイヤーA→ベルジ) 18歳、まだ成人前(リルドラケンの成人は30歳)のリルドラケンで、青緑色の鱗と、赤い毛が特徴の元気な神官ボーイです。主な技能は、セージとプリーストで、まあ学者然とした好青年ドラゴニュートですね!経歴表を振ったところ、育ての親に拾われたって出たから、プレイヤーBのキャラに拾ってもらったことになった。育ての親、結構前から冒険者やってるらしいので、自分も何か役に立ちたいって思って、色々学んだ感じ。


プレイヤーB:経歴表に『異種族の家族が居る』って書いてあったから拾いました。


ベルジ:リルドラケンって大らかの権化ってイメージあるし、間違えて売られちゃったリルドラケンの卵が廻り廻って冒険者の手に移ったのかなあと考えてた。それから、導入としては……『自分たちに名指しで依頼が来た』って事実に舞い上がってしまって、朝早くに起きて目元の鱗を磨いたりしてから、嬉々として冒険者ギルドの方へ向かうかな。育ての親を宿に置き去りにして。


GM:そうだね、流れとしては冒険者ギルドに入って受付の人とかに声を掛けると、依頼人が奥で待ってるので此方へ、って、応接室に案内される感じになる。


ベルジ:じゃあ、受付の人に話しかけよう。無駄に声を張って大きめに、「僕達に、名指しで! 依頼が来てると聞いたんだが……」


プレイヤーC:にっこにこだね???


ベルジ:周囲の人に『へー! すごいじゃーん!』って雰囲気を出してもらうことを期待してる(笑)


GM:今日ギルドに居る冒険者だと、君達が一番実力あるパーティーだろう。ほう……って視線を向けてくる冒険者も居る。どんな依頼なのかな? みたいな空気は出してくれるね。


ベルジ:ヤッター!


GM:それに加えて、今回君達に依頼が回ってきたのは、高レベルの冒険者が出払ってるからじゃないかな? っていうのもわかるね。ギルドに居ないし。


ベルジ:あー、あの先輩が居ないなあ、あの人達すっごく強いのになあ。居ないから僕達の方に依頼が回ってきたんだろうなー。って感じか。


プレイヤーD:勘のいいリルドラケンだ。


ベルジ:キルヒア神官っぽさをね。


GM:それから、受付の人は、「あちらの部屋でお待ちです」と応接室を示す。


ベルジ:「既にいらっしゃってるのか?」ってちょっとビックリ。かなり早く出てきたつもりなので。


GM:「少し前からお待ちです」


ベルジ:「じゃあ、行ってみることにするよ。誰も来ない状態で長らく待たせるのも良くないしなあ」……応接室の方に向かおう。


GM:室内には、全身に甲冑を身に着けた人物が居る。君の方をちらっと見て、会釈する。それ以上特に何か喋ることはないかな、メンバーが揃うまでは。


ベルジ:会釈を一つ返して、「あと4名、揃うまでお待ちいただいて……」で、以上。


GM:じゃあ、次! Bさん。


プレイヤーB:保護者です。本名はエーヴ・クリフォード・フルノー。長いからイヴでいいよ! ってそっちで呼ばせてる。(プレイヤーB→イヴ) 130歳のエルフの女性で、主な技能はソーサラーとスカウト。エルフってマギテックに興味ないらしいんだけど、イヴは結構触れてる。里の変わり者みたいな感じで、だから何十年か前にエルフの里を出てハーヴェスの方に来たんじゃないかな。


ベルジ:そして20年くらい前にベルジの卵を拾い、孵化してしまったリルドラケンの子供を育ててきた母です。


イヴ:母さんって呼ばれると訂正するよ。入り方としては……先に行っちゃったベルジの後を追って行こう。「ベルジー! 早いよ! 早い!」


プレイヤーE:かわいい(笑)


プレイヤーD:保護者だ……。


イヴ:ギルドに入ってって、応接室のこと聞くとかじゃなくて、「ベルジ通らなかった?!」


プレイヤーC:あー(笑)


ベルジ:確かに、リルドラケンなんて目立つし、その方が手っ取り早い(笑)


GM:受付の人も、ああ、いつものですねーって顔して、「あちらに……」って応接室を示すかな。「先に入ってしまわれましたが」


イヴ:「ああ、ありがとう! まあ粗相することはない、ない……多分ないけど」ってな感じで、応接室入っていくよ。


GM:全身甲冑の人物と、先に入ったベルジがソファに座って待ってるね。


イヴ:様子からして何もやらかしてないなーってわかったし、甲冑の人に軽く挨拶して座る。以上!


GM:じゃあ、Dさん。


プレイヤーD:はい! キャラの名前はナタリー。(プレイヤーD→ナタリー) 主な技能はシューター! ピュアシューターですよ! マギシュー(マギテックとシューターの合わせ技のこと。ビックリするくらい火力が高い)じゃなくピュアシューター!!


ベルジ:やりたかったんだね……。


ナタリー:やりたかったの!! 他には……人間の姉貴面31歳で、下に5人の弟妹が居るお姉ちゃんです。しっかりしてるけど結婚は出来てない。導入は……10分前行動とかしたいわね。


GM:残念ながら、何時に集まれって時間指定はされてないよ。早朝にイヴに連絡があって、『国王ヴァイス・ハーヴェスからの依頼を伝えたいからこのギルドに来るように』って言われた感じだから、ちゃんと朝の内に集まって来れば問題ないです。


ナタリー:あっ、はーい。じゃあ……受付で「呼ばれた者だけど」って声掛けるわ。


GM:「もうお二人ほどいらしてますよ」


ナタリー:あの二人かなー? って思いつつ、応接室入って。予想通りの二人ね!


ベルジ:やあ。


ナタリー:ソファー空いてるのよね?


ベルジ:空いてるよ。


イヴ:どうするの、『お前は床です』って言われたら(笑)


ナタリー:えー! いや、自分がナイトメアだったら床でも良いけど……。


イヴ:良くないよ???


ベルジ:ナイトメア、確かに差別されてるけど、冒険者の社会でならそこそこ立場あるからね???


GM:冒険者用の応接室だから、5人パーティーが座れるような形でソファが用意されてると思いますよ!! 流石に!


ナタリー:じゃあベルジの隣に座ろう! 甲冑の人に対してもリアクション取ろうかしら。会釈一つくらいだけど。以上!


GM:じゃあ続けて、Cさん。


プレイヤーC:エリック、リカントの男性で、24歳です。(プレイヤーC→エリック) 主な技能はレンジャーとグラップラー。元々ハーヴェスでチンピラまがいのことをしてたけれど、このパーティーを道案内した時に冒険者も悪くないなって思ってメンバーになったよ。


ベルジ:ベルジが、兄貴! また一緒に冒険しようね! とか言ったんだと思う。


エリック:兄貴かあ(笑) あと追記するなら、甘いものが好き。よろしくね。導入は……ギルド入って、顔見知りか……適当な冒険者に「ちょっといいかな? リルドラケンの元気な男の子と、エルフの女性と、弓持ちのお姉さんと……あいつ・・・は……まだ来てないかな……。ええと、まあ、そんな三人を見掛けてないかな?」


プレイヤーE:ふふ(笑)


GM:冒険者は、「ああ、アンタのパーティーメンバーか。あいつらだったらあっちに行ったよ」と応接室の方を示すね。


エリック:「どうもー」とそっちへ入っていこうか。コンコンとノックしてから。


ナタリー:えらーい!


エリック:依頼者と……三人居るのか。もう大分揃ってるな。机の近くに行ってから、「すみません、少々お待たせしました」と言いつつ……ああ、入り口付近の席は空けておいて、入り口から一番遠い席に座る。入ってくる人のために空けておこう。以上で。


ナタリー:気遣いが出来る!


GM:そういうの、いいと思います。じゃあ……Eさん。


プレイヤーE:はい、最後に応接室に来る方向音痴です! 名前はヨル、ナイトメアの22歳男性で、主な技能はソーサラーとフェンサーの魔法剣士です。(プレイヤーE→ヨル) みんなのロマン。レンジャー技能は持っているけど、設定的に方向音痴なので、ロールプレイ優先で地図に関する判定とか振らないかもしれません(笑)


ベルジ:縛りプレイが過ぎるー!


ヨル:でもほら、観察とか探索は出来るから! このパーティーと出会ったのも、魔剣の迷宮で迷子になってたら、戦闘中のメンバーと偶然出会って、助太刀に入ったのが始めだった。


ナタリー:シーンだけ見ると格好いいんだけどねえ。


ベルジ:本質が迷子だからなあ……。


ヨル:『大丈夫か?』みたいなノリで行ったけど、迷子で出られなかったから合流しただけ(笑) 今日も、朝早くにちゃんと宿を出たつもりなんだが……。


ベルジ:つもりかあ。


ヨル:思ったよりも時間が遅くなってしまったみたいだなー。自分では割とスムーズにギルドに来たつもりなんだがー。


イヴ:あれれー。


ナタリー:おっかしいぞー?


ヨル:受付の人に、「招集を受けたんだが、何処に行けばいいだろうか?」


GM:「あちらですよー」とご案内。


ヨル:会釈して、応接室に向かう。入ったら……既に全員揃ってるんだな……。


ナタリー:そうだなあ。


イヴ:おかしいなあ。


ベルジ:早く家出てスムーズにたどり着いたと思ったんだけどなあ? おかしいなあ。


ヨル:おかしいなあ。 「俺が一番最後だったか。すまない、遅くなったようだ」って……空けてくれた手前の席に……ちょっと座っていいのかな……? みたいな感じでソファの脇に立つ……?


GM:「まず、座ってくれたまえ」って着座を勧めよう。


ヨル:あっ。座ろう。


ベルジ:何故躊躇した……?


ヨル:なんとなく……?


GM:全員が座ったことを確認して、君達の顔を見回してから、一つ頷く。それから、「招集に応じてくれたこと、感謝する。わけあって仮面のまま失礼する」と前置きする。甲冑の人物は、声からして女性だ。彼女は続ける。「私はハーヴェス王が近衛騎士の一人、ロレーナ・セルウィン。ハーヴェス王から、勇気ある冒険者へ依頼を預かっている——」


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