ソード・ワールド2.5リプレイ 出目弱者達の【金頭闊歩】
篝火の翁
0-1、はじめに
2021年、4月初頭。
こんなコンテストがある。出してみよう。という雑な提案に意気揚々と乗ってきたTRPGプレイヤーたちで、ソードワールド2.5の単発セッションを行う事になった。
集まったのは、ソードワールド2.0の頃から共にTRPGを遊んできた6人だ。プレイ歴は、短い人で3年、長い人で8年。
一応ベテランと呼べる彼等だが、その経験を覆すほどに
今回参加するメンバーを、その伝説と共に紹介していこう。
GM:見ていて面白い不思議ちゃんタイプ。ソードワールドのゲームマスターをするのは今回が初で、プレイヤー参加時は独特の発想力で道を切り開いていく。「どうしてそんなことを」と周囲を困惑させることも。武器にただならぬ拘りがあり、いつか弓二つで二刀流したいらしい。どんな動きで弦を引くつもりなんだろう……。
準備に時間が掛かる攻撃の一番重要な判定でファンブルし、掛けた時間を無に帰した。
プレイヤーA:このリプレイの執筆者。普段はゲームマスターをすることが多い。今回のセッションで、いつか作ってみたかったキャラを作れたので、とても楽しみな気持ちで臨んでいる。
「相手を無力化したいだけなので、殺意は欠片もない」と言いつつ、ダメージ決定の判定でクリティカル。
プレイヤーB:何が何でも遊びに全力な、エネルギッシュなメンバー。疲れたり眠かったりしても、気付くと遊びの場に混ざっている……。普段はゲームマスターをしていることが多いメンバーその2。プレイヤーBがゲームマスターを務めている時、現GMに対する出目が、何故か全体的に高い。妙な殺意を感じる。
とあるホラーをテーマにしたTRPGで、敵を前に三連続ファンブルした。
プレイヤーC:いつも遊んでいるメンバーの中で一番まとも。プレイヤーCが参加している時は安心して進行出来る。ただし、ダイス運が壊滅的なメンバーの一人なので、折角良い選択をしたのに、ダイスの出目に台無しにされることも多い。まとも故に、他のメンバーや出目に振り回される……一言で表すなら『不憫』なメンバー。
ファンブルのせいで、ダメージを1点も与えられない! という悲劇を二ターン繰り返し、ふて寝。
プレイヤーD:メンバーのいじられ役。対人関係では良心に溢れた善人なのだが、シナリオが始まると、不思議ちゃんことGMすら困惑させるような発想を実行することがあり、『
ファンブル伝説『三連続』を塗り替えた、孤高の
プレイヤーE:シナリオに感情移入して泣いてしまう、感動屋なメンバー。メンバーの中で、この時期最も忙しかったが、どうにか予定を合わせて参加してくれた。純真無垢な性質で、ゲームマスターの指示に大人しく従うような優等生なのだが、たまに他メンバーが必死になって止めるような選択をすることもある天然。
シナリオの行く末を決定するダイスで、どうしようもないダイス運を発揮し、世界を終焉へ導いた。
このメンバーでプレイするに当たって、集まる前日にキャラメイクは済ませてある。
ソードワールド2.5のキャラメイクには慣れているので、ゆっくり世界観を説明する必要が無いからだ。
このリプレイを見てくれている諸君も、大まかな世界観は知っていると思うので、世界観の解説は省かせていただこう。
わからない人も、公式からの紹介や、先人たちの解説を読む方がわかりやすいと思うので、是非自分で調べてほしい。
さて、世界観に関しては触れないとしても、今回のシナリオに関する解説は必要だろう。
GMから事前に投げられていたあらすじは、以下の通りだ。
——冒険の舞台はブルライト地方の中央、ディガット山脈。ハーヴェス・ダイケホーン間での交易隊が襲撃されたことに端を発する。
二国間を繋ぐ山道は危険に満ちているためハーヴェス王国軍の精鋭たちが護衛についていたのだが、あえなく壊滅、そのうち二人は行方不明となっている。
命からがら逃げ延びた商人によってこのことが知らされ、それ以降、奇妙な蛮族の目撃情報が噂されるようになる。曰く、黄金兜を煌めかせるデュラハンである、と。
この事態を重く見た若きハーヴェス王、ヴァイス・ハーヴェスの勅命を受け、冒険者たちはディガット山脈へと向かう——
舞台は、ソードワールド2.5公式リプレイ、『水の都の夢見る勇者』と同じ、ブルライト地方。
ブルライト地方は、地球でいうなら北半球南寄りの、温暖で四季がある……おおむね、日本と同じ気候だ。
このブルライト地方を東西に割るように、ディガッド山脈と呼ばれる山脈が通っている。
その山脈内に位置する国が、ダイケホーン。立地のせいで交易が難しいこの国に、隣国であるハーヴェス王国が半ば支援するような形で交易を行っていたのだが……その二国間の山道で事件が起こった、というのが、プレイヤーたちに与えられた事前情報だ。
我々はこの情報を元に、ハーヴェス王国のギルドを拠点にしている冒険者として、キャラクターを作ることになった。
今回、各キャラクターは、ルールブックⅢの高レベルキャラクター作成表を元に、9回の冒険を達成したくらいの強さで作成されている。
事前情報に加えて、キャラメイクのための前提として、『キャラクター同士は、パーティーとして認識されているくらい親しい』というものがあった。
つまり、「パーティーメンバーとして受け入れられるレベルのキャラにしろよ」という意味だ。
我々がプレイする時、誰か一人はろくでもないキャラを持ってくることが多かったからだろうか。しかし、一番ろくでもないキャラを持ってくる確率が高いのは現GMだから、大丈夫だと思うが……——
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