第7話 5月27日(木)16:00~24:00

※ いまだに木曜のことを書いておりますが、すでに生活は1週間目。


本当に一切の予断なくそのまま、病院の中へと連れていかれた。

さっそく、ガラス越しでドクターの説明を受ける。


「CTの結果、肺のこの部分にコロナによる肺炎の影が見えます。ほおっておくとあっという間に広がって、死にます」


死にます?


 死にます死にます死にます・・・・・・・

 と俺の頭の中で声がリフレインされる。

 ごめんなさい、それは嘘です。割と冷静に受け止めていました。医者ってこういうの結構大げさに言うものなのさ。


「で、ここにアビガンという薬が、あります、未承認ですが、今のところウィルスを減少させる効果が認められています。使うかどうかはハイロックさんの承認が必要ですがどうなさいます」


 おぉっ!

 アビガン! 完成していたのね? てっきり、数あるワクチンの中で闇に葬り去られていたのかと思っていた、現場では使われていたのか!幻のアビガン……。

 

「承認されてるわけではないので、ここで使われるデータというのをフィードバックされるような形になります」

 なるほど、俺は実験台になるわけね。

 うんうん、まあ別に、困ることもなかろう。気になることは一つだけ。


「ええと、承認されていないということは、薬代はいくらくらいになるのでしょうか」

未承認の薬ってさぞお高いんでしょう?


「コロナ関係にかかる諸費用はすべて国費となります」

 ほうほう、まあ当然っちゃ当然なんだけど、そりゃあよかったわ。

「で、副作用なんですが、子を作る際に奇形が生まれることが確認されています。アビガン服用後14日以内には、男女ともに子供を作るようなことをしないでください」

 ……えっ、そんだけ?


 つまりは、退院してから少なくとも14日以内はゴムなしで本番するなってこと?


 OKOK!


 そんな予定、最初からないんだぜ!

 是非もなし、アビガンを使おうじゃないか。違う被害出たらあとから国を訴えればいいだけだ。(よく読んだら、契約書にそうできないように書かれてたけど)


 なんだよ、アビガンは問題あるみたいなこと言ってたけど、そんだけかよ。コロナ治ったぁ、さっそく子作りだぁなんていうわんぱく小僧は今時そんなにいないだろうに、さっさと承認進めて国民を安心させてほしいものだ。


 ということで俺に対するアビガン投与が決まった。ついでにカモスタッドなる高ウィルス薬も投与されるらしい。

 まあこんだけいろいろぶち込めば、とりあえずしなねぇだろ。


 そして入院の説明を受ける。


 驚いたことが二つ。


 まず個室じゃなくて相部屋……

 うそ、個室じゃないの? 隔離するって言ってるのに? すでに感染してるやつには関係ない話なのか。


 さらに大問題が一つ。

 シャワーの使用が禁止。


 体をふく際には、アルコールタオルで全身をふけとのこと。


 まじか、マジなのか。そんな貧乏時代のオードリー春日みたいなことを2週間近くしなきゃいけないの?

 これはもう、留置所以下の扱いやないかあっ。


 ということでこれから入院する予定の方、いましたらあれを買ってください。水なしで頭を洗えるシャンプーです。

 薬局とかで買えるはずなので。

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