第12話 今は


あなたの指に触れたのは

まだ寒い冬の日

君の手が冷たいとポケットに押し込んで

指を絡め歩いて

街に吹く冷たい北風が嬉しかった


あの時の温もりを忘れられないまま

春になり

春は過ぎ

緑眩しい若葉の頃が流れ

雨空に濡れる頃になっても

その指に触れることが出来ないでいる


逢いたい気持ちが募るけど

逢えない

まだ逢えない

逢おうねって言えない

あなたのことを想えば

あなたのことを想うほど

逢おうねって言えない


あなたは元気で

今日の1日を過ごしてる

わたしもそれなりに

1日を過ごしてる

それが一番大切だってこと分かるから


今は、待っていよう



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る