第11話 六月の雨


六月の雨が

紫陽花を濡らして

珠のような雫に想いを映してる

雨に濡れた紫陽花は

まるで愛しい人に逢えたかのように

鮮やかな笑顔の花を咲かせていた


六月の雨が私は好き

街角の向こうから傘をさして

うつむき加減に歩いてくる

あなたを探すのが好き

傘の影から見える

あなたの笑顔に逢えるのが好き


何故だか

どうしてだか

それは六月の雨

きっと六月の雨の魔法

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