葉の苦み

薄星

葉の苦み

春に芽吹く若芽達よ。

幼いうちはまだ弱く、誰かに守られていなければすぐに折れ倒れてしまう

そんな脆く甘い存在も、成長し緑に色付けば、逞しく強固な体へと成長し、新たな守る存在となる。

また新たな命を紡ぐ存在となる。

そんな存在になる必要などないのに。

君が苦みを持つ必要などありはしない。

いつまでも私が守ってあげるというのに、どうして。

緑に染まったその葉の苦み。

その苦みは私すら忌避するの。

私の影でずっと生きればいいのに。

ずっと幼ければ、脆ければいいのに。

成長する必要なんてないのに。

だってそうすれば。

私から離れる事なんてなかったのに。

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葉の苦み 薄星 @marou410

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