思い出のマフラー


 寒い朝。首に巻いた思い出の赤いマフラーをそっと撫でる。


「……暖かい」


 小学校の家庭で作り、仲の良かった男の子と交換した物。同じ色なのに。彼、元気かな……


「え……?」


 いつもの駅。反対側のホームで、同じ色の小さなマフラーが揺れていた。


「久しぶり!」


 昔編んでいた赤い糸が、見えた気がした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る