空白の2時間に


「……え?」


 目を覚ますと、目の前には大きな満月があった。


「俺……寝てたのか?」


 記憶はどこかぼんやりしている。確か地獄の冬練が終わって、疲れて部室のイスでウトウトしてて……


「そ。寝てたよ。たっぷり2時間くらい」


 突然の声に驚いて跳ね起きると、すぐ隣でマネージャーが悪戯っぽく笑っていた。

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