月夜の再会


 ――中途半端な夜より、深夜の方が明るいんだよ。


 まだ小さかった頃。公園で親を待っていた時にかけられた、見知らぬ男の子の言葉。

 多分、今の私の趣味が深夜散歩なのは、あの言葉のせいだ。


「わぁ……明るい」


 煌々と輝く月に、右手を伸ばす。


「中秋の名月だからな」


 気がつくと、私はあの公園にいた。

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