限界への挑戦


 ピーッ、ピーーッ!


 試合終了のホイッスル。85対86。

 たった1点差。でも、絶対的な1点差だ。


 この屈辱を胸に進学した高校で、その時はまた訪れた。


「ハァ、ハァ……」


 100m走、11秒12で……2位。


 1位は、11秒11。


 ごく僅かの、決定的な差。


 でも、また負けたくない。



 これに抗えるかが、本当の勝負だ。

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