顔が熱いのは当たり前


 容赦ない日差しに、砂を巻き上げる熱風。どこか遠くではセミが鳴いている。


「あっちぃ〜」


「30℃超えらしいね」


 うちの学校にはプールがなく、この時期の体育はマラソンだ。


「今日、死んじゃうかも」


 俺の言葉に笑いつつ、滴り落ちる汗を拭う彼女はどこか艶っぽい。


 まだ死ねないな、なんて思った。

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