第1話:次の依頼は?

GM:はい、ありがとうございました!それでは第二回目の冒険に行きましょう! 『冒険の宣誓』をよろしくお願いします。



スィオネ:それなんだけど、スィオネは依頼を受けるときにやってみたいです。その方が具体的な意気込みを言えそうな気がするので。いいですか?



GM:もちろん構いませんよ。何だったらやらなくてもいいものですからね。



ボラフ:いや、何が起こるか分からないし、”剣の恩寵”は欲しいけどw

ボラフはどんな依頼を受けても同じだし、先にやるね。

夜、スィオネ様が就寝したのを見届けたあとに、装備のショートソードを磨きながら一人で考える。


スィオネ:ちょっと待って、スィオネとボラフくんは一緒の部屋なの!?


ボラフ:別の部屋だったら、スィオネさまが就寝中に刺客に襲われでもしたら救援に行けませんから。


スィオネ:いや、でも、タビットとルーンフォークだし、弟とか子供くらいの認識だし……別に気にしない、かな? 例えば飼い猫が異性だからと言って、そういう意識はしないですもんね?


サク:弟や子供じゃなくて、ペットになってるw


ボラフ:大丈夫、私など、そのようなものです。

で、ボラフは前回の冒険でサクからかけてもらった言葉を思い出す。

「(私がスィオネ様を守る剣……。ならば私はもっと研ぎ澄まされなければならないし、折れることがあってはならない。

……サク。私たちを助けてくれるが、一体その狙いは何だ? スィオネ様はすっかり信用していらっしゃる。ならば、私は注意深く観察しなくては。その、真の目的を)」

本当はボラフもサクさんを信じたいんだけど、立場上信じきれない、みたいな。


サク:ほえー! 信用されとらんのぅw


ボラフ:はっきりと言語化できないレベルだけど、何か違和感を抱いているのもあるのでしょう。


サク:サクもやっちゃおうかな。ロードワークをしながら、

「(『スィオネ嬢を守る盾』か。ワシは、いつまでそういう生き方ができるんじゃろうな)」

スィオネちゃんたちを守りたい気持ちに偽りはありませんが、自らに燻る復讐心をいつまで抑えていられるか、ちょっと不安になってますね。



GM:ありがとうございました!

それでは前回の冒険の他にも、ほそぼそとした依頼をコツコツこなしてきたあなたたちは、支部長マルコの信頼も得ていることでしょう。

次の依頼を求めて掲示板を眺めているあなたたちを見つけると声をかけてきます。

「いつもありがとうございます。最近頑張っているあなた方にお願いしたい依頼がありまして」



サク:「おお、マル坊! 何じゃ?」

サクはまだマルコが支部長だということに気づいておらず、お手伝いだと思ってますw



GM:年少者であるマルコはこういう扱いにも慣れているし、特に名乗ったりしませんねw

「実は他よりも急ぎでやって欲しいものがあるんです。今日はこちらの依頼をお願いできませんか」

というわけで、ステップ2の依頼カードから一つ選んで下さい。



スィオネ:前回にも行けた『ゴブリン退治』を選んでもいいんですね。



サク:装備をグレードアップさせたいから、実入りのいい仕事がしたいのぅ。でも、『遺跡探索①』の報酬は成果次第、か。成果によっては『猛獣退治』の報酬も超えるんスかね?



ボラフ:『ガストの群れ退治』と『要人の護衛①』は同じ依頼者のようですね。『猛獣退治』は、何だか依頼者が気に食わないですねw



スィオネ:確かに話し方からして胡散臭そうな感じねw

スィオネとしては前回から依頼を出し続けている『ゴブリン退治』や『要人警護①』が気になるかな、弱者救済! タビットとしては、『遺跡探索①』を選ぶのが普通なんだろうけど、こんな性格ですからね。

そういえば、この段階でも[魔物知識判定]ができるんですよね? 『ゴブリン』『ディノス』『ガスト』の強さを調べてみてもいいですか?



GM:はい、どうぞ。


スィオネ:まずは、ゴブリン。基準値5だから、ダイスを振らなくても詳細はわかるけど、*roll*出目は4だから、弱点は抜けない!



ボラフ:ダメ元で我々も判定してみましょうか。*roll*出目は9なので、同じく弱点は抜けませんね。



サク:*roll*出目7なんで、ダメっスね。



GM:まあ、こんな感じですね。前回戦ったヌズマルよりは弱いですね。特殊能力もありません。



スィオネ:続いて『ディノス』。*roll*うわっ、出目3!! 基準値の5を足しても、情報すら抜けない!



ボラフ:*roll*出目12!! やりました! 弱点まで抜けましたよ!



スィオネ:「よ、よく知ってるわね、ボルフくん……」

にこやかに微笑もうとしているけど、悔しさを隠しきれませんw



GM:『ディノス』のデータはこんな感じですね。



スィオネ:うわ、さすがに強い! 『衝撃属性』の攻撃手段もないし、これはキツいんじゃないでしょうか。



サク:これは……燃えるのお!w



スィオネ:やめてー、全滅するーw じゃあ、次は『ガスト』。ん? どっちだ??



GM:そうですね、どちらだと思いますか?



スィオネ:う、うーん……両方いる、っていうのは?



サク:『群れ』じゃしの。



スィオネ:まずは『ガストルーク』で、*roll*やった、出目11なので、基準値を足さなくても弱点まで抜けました!

続いて、『ガストナイト』。前の出目がいいから不安だなぁ……。*roll*出目が8、基準値5なので、やった、ギリギリで弱点が抜けました!



ボラフ:(『ガストルーク』と『ガストナイト』のデータを見ながら)

防護点は低いし、弱点も見抜いているので、HPの割には耐久力はないかもしれませんね。数次第ではありますが……。



スィオネ:報酬のことも考えると、『ゴブリン退治』よりは報酬のいいものを請けたいですよね。



サク:『猛獣退治』は目に見えた罠なんスよねw 個人的には『ガストの群れ退治』が、安全かつ実入りがそれなりで良さそうと思うが……



ボラフ:『猛獣退治』以外をスィオネ様が選ばれるのであれば、ボラフは反対しません。



スィオネ:それでは、今回は『ガストの群れ退治』を選びましょう。

ここで『冒険の宣誓』です。

「蛮族が作っているという噂……、気になりますね。人々に危害が及ぶ前に、退治てしまいましょう!」

と言い、マルコにこれを受けることを伝えます。



サク:『蛮族』という言葉に、サクは眉をピクリと動かしました。

口には出さないし、まだ開眼もしていないっス。



マルコ(GM):「ありがとうございます! 依頼人は今日中にここに来てくださると思いますので」

GM:特にやりたいことがなければ、依頼者が来るまで時間を飛ばしましょう。



GM:昼頃、普段は聞かない声と共に、場違いな女性が<希望の架け橋亭>の扉を勢いよく開けます。

「聞いたわよ、支部長! 私の依頼を請けてくれる冒険者はどこ!?」

皆さんはどこにいますか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る