ブレーク0

早く 


早く戻ってこい


もうすぐ解かれてしまう


だから


戻ってこい 






************


青年が目を覚ましたとき、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいた。その光が彼の瞳へと入り込み、あまりの眩しさに目を細めた。


ゆっくりと上半身を起こした彼は、先ほどみた夢のことを思い出す。


はっきりとは覚えているわけではなかったが、奇妙な夢だ。


ただ誰かが自分を呼んでいることだけはわかった。


それがだれなのかはわからない。


夢はただの夢。


そう割りきると、ベッドから降りるとそのまま洗面台で自分の顔を洗う。

タオルで拭いたのちに鏡で自分の顔をみた。


そこに写るのは己の瞳。


そこには滅多にお目にかかることのない紫色の瞳があった。



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