2回目の告白

次におチビちゃんが俺の前に現れたのは、俺が彼女と別れた数日後だった。

学校からの帰り道。

「待ちなさいっ、高宮 漣!」

(・・・・まさか。)

背後から掛けられた声に振り返ると、その『まさか』だった。

そこにいたのは、少し前に、昇降口で仁王立ちで俺に告った、背の低い女子。

「今度はなに。」

「知ってるわよ。彼女と別れたんでしょ。」

得意気な顔で、そいつはニンマリと笑って俺に言った。

「さ、私と付き合って。」

(怖っ!なんで知ってんだよ、こいつ・・・・)

そう思いながら、俺はまたも間髪を入れず、断りを入れた。

「断る。」

だが、断ったのは、こいつがストーカーかと思うくらいの早さで、俺が前の彼女と別れたことを知っていたからではない。

「なっ!なんでっ?!」

またも、まさか断られるとは微塵も思っていなかったのか。

デジャヴかと思うくらいに、驚愕の表情を浮かべている。

「もう、別の彼女いるから。」

実は、前の彼女と別れる前に、今の彼女と『付き合っている彼女と別れたら付き合う』という約束をしていた。

さすがにおチビちゃんも、そこまでは知らなかったのだろう。

また、あの顔を見せた。

悔しそうな、哀しそうな、泣き出しそうな、でも、怒ったような。

そして、前よりも幾分大きな

「ふんっ!」

を残し、俺を追い越して足早に去って行った。

(変な奴だな、あのおチビちゃん。)

そう思いながらも、そいつの事はは前にも増して、妙に俺の中に残っていた。

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