第14話 この世界ができた話

 ある日わたしは社会勉強をすこしやり直したいと思い、ネットを開いた。


 未咲「そっかー、こうやって寒冷化したんだー……」


 その内容は、現在まで続く寒冷な気候がいかにして起こったかということだった。


 未咲「だけど想像はつかないなぁ……なんで火山が噴火しただけで、ここまで冷えることになったんだろう……」


 読むと、南のほうにある島国で大規模な噴火が発生してしまい、その影響によりここまで冷えた環境ができあがった、と。


 未咲「どうにも納得がいかないような……わたしがそんなに賢くないからかなぁ……」


 これでもそれなりに自負はあったつもりだけど。


 未咲「もういいや、寝よ……」


 連日の疲れを抱えているせいで、そこまで凝った調べかたはしなかった。知ったところでこの世界を温暖化させる方法なんて到底思いつきそうもないし、そんな役割を与えられている気がしないから。


 未咲「うーん……」


 眠れない。なにか引っかかってることがあるように感じる。だけどそれすらよくわからない。


 未咲「時間が解決してくれるようにも思わないけど……ゲームでもしようかな」


 最近はまってるものがあり、そのゲームはアイテムをあわせていって、どんどん世界が暖かくなるそれに強化されていく、といったもの。


 未咲「うへへ……たのしい……」


 傍から見たらどう思われるだろう。世界の人たちはもうとっくに悟っていて、前を向いて少しでも住みやすい世界を創造しているかもしれないのに。


 未咲「そんな力、わたしにはもうないよ……」


 ともすればわたしの学生時代のおしっこを、誰か恵まれない人に寄付してあげることもできたかもしれないのに。


 未咲「そんな夢、到底かないっこないよね……」


 できるとすれば玲香ちゃんくらい。だけど玲香ちゃんはそんなこと、したがらないだろうな……。


 未咲「まずは常識から変えないといけなくなるし、どのみち倫理的にきっと許されないよね……」


 あくまで世界的にみると、だ。個人単位で許されはしても、それでは視野が足りていない。社会人なんだし、そこまで考えは及んでいないとね。


 未咲「せめて誰かのほの暗い欲を満たすくらいしか、きっと使い道は……」


 そのとき、インターホンが鳴った。


 未咲「こんな時間に誰だろ……」


 なんとなく嫌な予感がした。当たってほしくはないけど……。


 未咲「はーい」

 玲香「みさき……早く上げて……」

 未咲「玲香ちゃん?!」


 やっぱり。このところ様子がおかしくて、なんでもことあるごとに自分のおしっこを飲ませようとする。


 玲香「きょうもいっぱい、我慢してきたんだから……」


 ちょっとした恐怖ではあったけど、何回か経験するうちに、徐々に慣れが生じてきた。


 未咲「その様子だと、長くはもたなそうだね……」


 この日はとくに寒く、氷点下14度。来る途中に「盛大に」もよおしちゃったんだろうな……。


 玲香「いい……? いまからあなたをここで押し倒してそれを口まで運ぶけど、心の準備のひとつくらいはしておきなさいよ……」

 未咲「うん……」


 高鳴る胸と、冷えた手が肩に張り付く感覚がどうしてかこの世界の創造を思わせるようで、わたしは少し気が遠くなる感じがした。


 玲香「はぁ、はぁ……んっ」

 未咲「んんっ」


 ここに来る途中にせつなくなったのか、さっそくキスを要求してきた。そのおかげもあってか、自然と押し倒されても違和感はまったくもよおさなかった。


 玲香「あっ……」


 この悲鳴の意味を、わたしはよく知っている。きっと早くわたしの口にそれを持っていきたくてたまらないんだと思う。そして、やってしまったんだ。


 玲香「はやく……しないと……あぁぁぁっ!!」


 外にずっといて冷えた身体の結果が、非力なわたしに潤いをもたらしてくれる。


 玲香「まって……まだ未咲の口に……んんっ!!」


 けっこうな量が漏れてきている。我慢してるのも苦しそうで、それでも懸命に身体を動かす。


 未咲「すごいね……パンツぐっしょりだもん」

 玲香「そんなとこ見るなぁ……あんたは黙って……あぁっ!」


 いまは大きな声を出さないほうがいいのかもしれない。いままででいちばん多い失禁量だった。


 玲香「はやくうごきなさいよ……ばかぁっ……」


 自分の身体にたいする活だった。無理もないはずだけど、応援したくもなる。


 玲香「んん〜〜っ、んんん〜〜〜〜〜っ……」


 ゆっくりと、でも確実に、わたしの口もとに近づいていく。


 未咲「あともうちょっとだよ、玲香ちゃん!」

 玲香「もう……これ以上我慢できない……!」


 さっきの失禁を超えてくる量のおしっこがわたしの目の前で噴き出し、しっとりと服を濡らしていく。それもいいけど、できることなら早く飲ませてほしい。


 未咲「ふぁいと、ふぁいとっ、玲香ちゃん!」

 玲香「恥ずかしいからやめなさいよねっ……!」


 そう言いながらも、なんとか腰を下ろし、セット完了。あとは出るのを待つだけ。


 玲香「未咲、ちょっと舐めてもいいわよ……我慢してうまく出せるかわからないのよね……」

 未咲「玲香ちゃんからそんなことを言い出すなんて……わたしとしてはとっても嬉しいんだけど、玲香ちゃんはそれでいいの?」

 玲香「いいから言ってるんでしょ……ほら、あんたさっきから飲みたそうにしてるし、すでに出てるぶんでも十分美味しくいただけるんでしょ、あんたみたいな変態だったら」

 未咲「変態とは失礼だなぁ……半分以上正解だけど♡」

 玲香「いいから早くいただきなさいよ……あぁんっ」


 まるで早くいただいて、と言わんばかりの尿量がわたしの顔面を襲う。普段からえちちな部分を見せてくれる玲香ちゃんに、まさしく鬼に金棒といったような、そんな武器が備わったかのよう。


 未咲「いいよ玲香ちゃん……そのままぶしゅっといって、疲れたわたしを癒やしてほしいな……」

 玲香「何、これ……出しても出してもきりがない気がするんだけど……」

 未咲「それだけ溜まってたんだ……ねぇ玲香ちゃん、ここにくるまでにどれくらい水分摂ってきたの?」

 玲香「に、2.5L……こっ、これは、未咲がそうしていきなさいって言ったから忠実にやってきただけで、わたし自身こういう願望があるわけでは……」

 未咲「うんうん、全部わかってるからね〜」

 玲香「その顔やめてくれない?! わたしあの日から、こういう自分がどんどん肥大化してる気がしてきて怖くなるときがあるのよ……毎日こんなことしてたら、そりゃおかしくもなるわよ……」

 未咲「じゃ、もっとおかしくしてあげるねっ」


 そう言って、未咲は下着の上から丹念に舐め上げた。


 玲香「ひゃうぅんんっ! ちょっと、これって……未咲ってもしかして付き合ってる人とかいたり……?」

 未咲「しないよ。こんな日がくるかなーって思って、玲香ちゃんのおま○こを想像して模したおもちゃで頑張ってたんだから」

 玲香「にしても上手すぎ……くぅ、ぅっ……ほんとにわたし、どうにかなっちゃうぅぅん♡」


 きっといま玲香ちゃんの頭の中は、幸せホルモンかなにかで満たされてるんじゃないかな。真琴ちゃんから聞いたような気がしたけど、いろいろ混ぜて覚えてる可能性はあるし、真琴ちゃんが言ったその知識がまず間違っていることもあるかもしれない。


 未咲「ぷはっ。ときどき出てくるおしっこの味、なんだかいろいろな解釈ができそうでたのしいね……♪」

 玲香「具体的に教えなさいよねっ……なに味がするとか、わたしはこの味すきかどうかとか……」

 未咲「もうそんなことすら野暮な気がしちゃうな……想像におまかせしますってやつかな?」

 玲香「何それ……んんんっ、くぅっ……」


 いまだけはあの頃に戻り、あしたからまた日々を続けよう。

 玲香ちゃんがひとたび声を上げると、それに呼応するかのようにおしっこが面白いほどぴゅっ、ぴゅーっと出てきて、勢いのあるときはそれこそわたしがしてしまったんじゃないかって錯覚するような気がするほどよく響いて、確認してみるとじつはわたしも少しやっちゃってたりして、そういえば外の空気、けっこう中に入っちゃってた。


 未咲「わたしもおしっこしようかな……」

 玲香「あんたはやめときなさい。いまのあんたはね、少しくらい我慢ってものを覚えたほうがいいのよ」

 未咲「はぁーぁ……いまの玲香ちゃん、すーっごく羨ましい……そんな玲香ちゃんにはこうだっ」

 玲香「ひゃぁぁんっ! だめ、またでちゃう、おしっこもらしちゃうぅっ」


 この日一番の音をわたしの口の中に響かせて、最後の追い込みに全力を尽くす。


 玲香「もう出ない、もうでないからぁ……」

 未咲「そんなこと言ってぇ……おなか見たら丸わかりなんだからね?」

 玲香「そーいうところはほんと目ざといわよねぇ、昔からあんたって……」

 未咲「あんまりそういうこと言わないほうが身のためなんじゃ、ないっ?」

 玲香「あぁぁんっ」


 こういうやりとりがしばらく続き、気づけば時計の針は夜の12時をまわろうとしていた。


 未咲「魔法、とけちゃうねっ」

 玲香「いったいなんの話よ……溶けようが溶けまいが、わたしずっとこんな感じじゃない!」

 

 残っていたぶんをようやく出しきり、その日の戯れを終えた。


 玲香「はぁ……やっと終わった……」

 未咲「お疲れさまっ」

 玲香「あんただけはずっとにこやかね……わたしがどんな思いでここに来たかも知らないで……」

 未咲「そうは言っても、玲香ちゃんのほうから来たんだから、どっちかというとわたしのほうが巻き込まれちゃったような気がするんだけどなぁ」

 玲香「それに関しては否めないわね……だってこんな日を無駄にするわけにはいかないじゃない」

 未咲「玲香ちゃんのほうからそう思ってくれると、わたしが考えることが減りそうでそれだけで少しは楽になりそうだよ」

 玲香「どういたしまして」


 心が読めたようで、ふたり笑いあった。


 未咲「ところで玲香ちゃん」

 玲香「なに」

 未咲「その……トイレ行きたいから、そこどいてくれるとありがたいなぁ、なんて……」

 玲香「みょうに歯切れが悪いわね……えっと……このにおいは何?」

 未咲「あまりにも玲香ちゃんがはげしくて、つい……」

 玲香「未咲、いますぐそこにある消臭剤ぶっかけなさい、まずは自分に!」

 未咲「なんと無慈悲な!」


 愛がそこにあったかどうか、知る人はいない。

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