第5話
妹のテレーゼがやらかしていた。
俺が勇者パーティー(笑)の相手で忙しくしている間に、いつの間にか元王太子の側近共と
しかも、『王太子を救出して国王にする!
そうすればランディーも公爵家に戻れる。』という阿保な話しを信じて、着いて行ったらしい。
引き留め様として怪我をしたテレーゼ付きの執事から、その話しを聴いて俺は頭を抱えた。
そもそもランディーは、お前の事は本当に妹だとしか思ってないからな!!
何しろアイツはお前みたいなタイプの女に興味が無い。
おまけにアイツの元婚約者は腐女子だった。
誰だよ?!この世界でそんな文化流行らせたの!!
あゝそうだった。
流行らせたのはケイト先輩のお姉さんか……
とにかく、本国にバレないうちに連れ戻して元側近共を始末しないと、せっかく貴族になったのに家が潰れたりしたら、どうしてくれるんだよ!
俺は急いでテレーゼ(バカ娘)を探した。
この国の侯爵家継嗣であるケイト先輩の協力を得て、俺は何とか
何と娼館に売られていたのだ。
つまり
危ないところだったが、先輩の執事に保護してもらった。
しかも、実家の都合で先輩の実家ボルネオール侯爵家に居た事にしてくれた。
先輩には本当に、感謝しても仕切れない借りが出来てしまった。
先輩の屋敷に保護された
「この人攫い!私はあの屋敷でフィリップ(※1)様達のお帰りを待っていたのよ!」
「ですから、あそこは娼館で貴女はそのフィリップ様とか言う男に騙されて、売られたんですよ!
何度も説明しているのに、何故理解出来ないのですか!?」
女の方は
男の方は、先輩の執事だ。
かなり疲れた様子の声だな。
家の
案内してくれた侯爵家のメイドが扉をノックし、中に居る執事の許可を得て部屋に入る。
俺を見た途端、
「また、アナタが邪魔したのね!
フィリップ様達に合わせなさい!!
あの方達の無罪は私が証明するわ!」
と真っ赤な顔で俺に食ってかかる。
おいおい、まだアイツらの事を信じてるのかよ。
「残念だがそれは無理だな。
フィリップ達は【詐欺】【人身売買】【国家転覆罪】で国際指名手配された。」
そう伝えたが
仕方ない、本来なら父上から言ってもらう予定だったのだがランディーの現状を見てもらうのが一番手取り早いか。
良かった、去年友達の誘いであの国に行っといて。
実は一度行った所か、視える範囲なら俺の転移魔法で一度に数人転移できるのだ。
ただこの魔法が使える事は父上等、数人しか知らない。
何しろ何処にでも出入りし放題だからな。
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