第33話 ボケと突っ込まみの冴えない使い方。

「サキお姉様?せっかくエルザが落ち着いたのにお姉様が落ち着かないのでは本末転倒ですわ」


「あ、それは重ね重ね申し訳ない。だけど本末転倒って言葉、向こうにもあるんだね」


「?本末転倒は本末転倒ですわ」


 フリージアは咲が何をいっているのか分からなかったが、咲の疑問、それは全て咲の言語翻訳と共有感覚のスキルによるものだった。


「あ、なるほど。解説ありがとう」


 どういたしまして。



「さて、改めまして真島 咲よ。咲が名前よ。エルザちゃんよろしくね」


「は、はい。よろしくお願いしますわ。咲様」


「ふふふ、エルザも直ぐにサキお姉様の虜になってしまいますわよ」


「し、シア虜って、どういう事!?」


「ちょっとフリージアちゃんったら、エルザちゃんせっかく落ち着いたのに」



「あ、ごめんなさいお姉様」


 てへぺろするフリージア。



 そんなフリージアに胸を撃ち抜かれ、てへぺろするフリージアちゃんかわユス!と心の内で気持ち悪くデレる咲。


「おい!なんだよ!気持ち悪いって!失礼な。ウチのフリージアちゃんは、いつもめっちゃ可愛いいんだから、しょうが無いでしょ!」



 お惚気け乙。



「(💢'ω')あ?」



「え、え〜と、この方はシアのお姉様なのね?」


「そうですわ!」



 嬉しそうに咲の事を語るフリージア。

 もう既に洗脳の域である。



「もう突っ込まんからなぁ〜。さて、まあ、顔見れば分かると思うけれど、正確には血の繋がりは無いからね?」


「確かにそう…ですわね」



 エルザが混乱から立ち直り始めた為、咲は時系列順にフリージアと自分の生い立ちをエルザに話していく。



「……いや、確かにするけども…するけどもねぇ〜うがっ!!……………………だから、なんで先読みするかなぁ〜はぁ〜〜〜。よし、その方がわかり易いよね…うんうん。えっとね…」




 ◇◇ーエルザに解説中ー



「えっと、ではでは、ここは創世神様の世界でサキ様は創世神様なのですね!」


「……おかしい。何故皆そう言う結論になるの?」


「あの、私何か間違えましたか?」


「あ〜いや、ううん。大丈夫、まあ良いかな?」


「?」


 小首をかしげるエルザの可愛さに心ときめく咲であった。


「まあ!サキお姉様ったら浮気ですの?確かにエルザは可愛いですけど…サキお姉様と先に添い遂げるのはわたくしですわ!」


「えっと、何を言ってるのかな?フリージアちゃんは」


「でもエルザなら第2婦人でも問題ないですわ!」


「だから、何言ってるの!?」


「え、え〜と?」



 エルザは2人のノリについて行けない。



「だろうね!!」


「?」



 しかし、フリージアは何が理解出来ないのかが理解出来ないほど咲との事は本気マジだった。



「アカン奴やん!!」



 どうしてこうなった。



「それは私のセリフだ!」



 咲の息が荒くなる。



「誰のせいだよ!ってさっきもやったよ!このパターン!」



 突っ込まないと言いつつ結局突っ込まずにはいられない咲であった。



「やかましいわ!」


「えと?えと?えと???」



 エルザの混乱は終わらない。



「もう本当に誰か助けて〜!!」


 














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