第27話 sideマル 初めてのご挨拶。
ゴクゴク
「ぷはぁ〜」
延々と映し出される画像。
「さてと、面倒くさいけど、する事ないし宿題でも終わらせるか」
あの〈誰が為に乙女は咲く〉のゲームを購入してから数週間がたった。
その間に春休みに突入した訳だけど、その間、俺のゲーム時間はフリー時間にもなった。
何故なら、ゲーム機を起動してモニターのスイッチを着ける以外、する事がないのだ。
後は放置。
これぞ放置ゲーの局地。
一応、ゲーム上、話はというか時間は流れている。
偶にメイドらしきドットが行ったり来たり。
後、3歳位になってから家族で食卓に着く場面もあったり。
でも、全て全自動で操作は一切受け付けない。
勝手にウロウロしている。
もうすぐ10歳になると言う手前でグラフィックのイベントが起きた。
あ、ちなみにグラフィックイベントは何だかんだで何度かあったのだけど、何か凄くリアルと言うか夢見てるみたいというか何故だか偶にマルクスと俺が会話してたりマルクスとして俺が会話してたりと意味分からないイベントがあったり。
おそらく、ゲームやりながら寝落ちして夢の中で現実とゲームがごっちゃになってる夢を見てたのだと思っているけど、その回数が結構多くて洗脳されゲーなのかと最近恐怖を感じ始めていたりする。
と言ってもまだ1人もクリアしてないので辞めはしないが、春休みに入ってから宿題をしながら放置ゲーを放置していたら突然イベントが始まったのだ。
そして、どうやら俺はまたいつの間にか寝落ちしていたらしい。
◇
アシュレイ:
「明日、お前の姉と対面させる事にした」
マルクス:
「本当ですか!楽しみです!」
レイラ:
「これでようやく家族全員で食事やお出かけが出来ますわね」
アシュレイ:
「ああ、そうだな」
…………
コニー:
「坊っちゃま、いよいよ明日ですね」
マルクス:
「ああ、そうだな。今夜は眠れないかもしれない」
コニー:
「ふふ。可愛いですね、坊っちゃま」
マル:
(楽しみ過ぎて寝れないとかガキか!あ、ガキだったな)
マルクス:
「うるさいぞ!」
コニー:
「あら?ふふふ怒っちゃいました?本当に可愛いですね。坊っちゃまは」
マルクス:
「もう、寝る!」
コニー:
「はい、お休みなさい」
…………
コニー:
「おはようございます。坊っちゃま。ささ、早くお着替えしましょう。初めてフリージアお嬢様にお会いするのですからバッチリと決めちゃいましょう」
マルクス:
「ん〜。おはようコニー」
コニー:
「はい、おはようございます」
いつも通りに着替え終えた後、朝食を取るといよいよ対面の時間が迫ってくる。
アシュレイ:
「おはよう。マルクス」
マルクス:
「おはようございます。お父様」
レイラ:
「おはよう。マルクス、良く眠れた?」
マルクス:
「実は楽しみ過ぎて余り眠れませんでした」
レイラ:
「あらあら」
コンコン
ドアがノックされる。
リリ:
「失礼致します。フリージアお嬢様とサキ様がいらっしゃいました」
アシュレイ:
「入れ」
ガチャリとドアが開けられ人が入ってくる。
アシュレイ:
「シア、大分お待たせしたね。この子がシアの弟のマルクスだよ」
レイラ:
「シア、貴女も此方にいらっしゃい」
フリージア:
「はい、お父様、お母様」
2人の女性が歩み寄ってくるが、その1人の美しさに目を奪われる。
フリージア:
「初めまして。私が貴方の姉のフリージアよ。よろしくね」
姉と紹介してきたその美しい女性が余りにも神々しく何とも言葉に尽くしがたい女性で目が離せなくなる。
マル:
(おい、返さなくていいのかよ)
ハッとして慌てるとクスリと笑われてしまい更に恥ずかしさが増してきた。
マルクス:
「は、は、初めまして!まままマルクスです!」
そんな面映ゆい状況を家族皆が微笑ましく感じていた。
マル:
(あれ?お前の姉ちゃん1人だけだよな?あれ誰だ?)
言われて、ふとマルクスの目がフリージアからサキに向く。
マルクス:
「えーと、其方は?」
同じく疑問に思ったマルクスはつい尋ねる。
すると家族の視線が一斉にサキへと集中する。
フリージア:
「サキお姉様ですわ!」
と嬉しそうに紹介するフリージア。
アシュレイ:
「ああ、彼女は創世神様の使徒様だよ」
レイラ:
「あら、巫女様ですわよ、アナタ」
サキ:
「え!?私、そう言う立ち位置なの?」
困惑するサキに被せるようにフリージアが補足する。
フリージア:
「だって創世神様の世界からいらっしゃっているのですからそうでなくて?」
サキ:
「あ〜なるほど。でも私アドミニストレータって言う程、権限持ってないよ?」
何となく納得いかない感じて対応するサキ。
マル:
(は?いや!日本人だろ!)
マルクス(マル):
「(どう見ても日本人です!本当にありがとうございます!)」
サキ:
「は?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます