第17話 お着替えとは即ち闘いである。
詳しく話を聞くとなんと5つ離れた弟がいるそうだ。
おかしい、そんなイベント見てないのだけれど。
そんなイベントあったらフリージアちゃんだって絡みそうなのに、何故に?
「フリージアちゃんが5歳の時に産まれたんだよね?何も知らされなかったの?」
「いいえ、話は聞いてましたけど、幼い内は亡くなる率が高いので、面会する事は出来ませんでしたの。
男の子なのでホワイト家の跡継ぎになりますし、今も離れの別宅で将来の為の勉強や訓練をしているはずですわ。
こっそり見に行きたい気持ちもあるのですけど、私の傍には何故かいつも必ずマリア付いて来るでしょ?
幼い弟の情操教育に悪い者を連れて行く訳にも行きませんし…」
「ああ、いましたね。そんな変態が」
「ふふふ。そんな事言っては暗殺されちゃいますよ。サキお姉様」
「笑い事の様に怖い事言われた!」
なんてサイコパス野郎、いや女郎なんだ!
「弟のマルセルに会えるのは、マルセルの10歳のお披露目の時でしょうね…後5年、中々に遠いですわね」
「う〜ん。そっかぁ〜。1番可愛い時期に会えないのはちょっと寂しいね」
「そうですわね…」
うう、マズイなんか暗くなってしまった。
「それはそうと、フリージアちゃんは今回も夜に家に来たけど、昼間とか午前中には来れないのかな?」
「どうなんでしょうね。私も意識して此方に来ているわけでは無いので」
「そうだよねぇ〜。何か法則が分かれば良いんだけど」
「う〜ん。とんと思い付きませんわね」
「う〜、悩み過ぎると逆上せが早まりそうだよ」
「ふふ。本当に」
「はぁ〜。上がろっか」
「そうですわね」
異世界ジャンプの理由は分かるけど、法則が分からないのは厄介極まりない。
もし、自分の意思で世界を渡れるなら、それはかなりのアドバンテージを得る事が出来る。
もしも、身の危険があっても、即座に此方に避難出来る上に対抗策を練る十分な時間とその手段を持って戻る事が出来るのだ。
風呂場から出て、私は自分の身体をバスタオルで拭い、頭をゴシゴシ拭いていると、フリージアちゃんが水滴を滴らせながらボーっと立ち尽くしている。
「え?フリージアちゃん早く拭かなきゃ風邪引いちゃうよ」
慌てて、自分が使っていたバスタオルでフリージアちゃんの水滴を拭き取る。
「あ、申し訳ございません。いつもリリかアルミラにして貰っていたので」
「あ〜お貴族様はそんな感じですか。もしかしてお着替えもですか?」
「そうですわね」
「あれ?でも、さっき脱がした時は恥ずかしそうにしてなかった?」
「それは、サキお姉様がスカートを捲るような強引な脱がせ方をされたからですわ!」
「え?他に脱がせ方あるの?あの服」
「背中のボタンを全て外せば下に落ちる様になっています」
「あ、そうなんだ」
「はい」
「あはは、そうなんだ。ま、まあ次回はそうするとして、とりあえず私の服で申し訳ないんだけど着よっか」
「はい、お願いしますわ、サキお姉様」
「あ、はい。え〜と…」
むむむ。やはりと言えばやはりなのだが、10歳のフリージアちゃんには私の下着はブカブカだった。
そして、自分のショーツを履かせてはズリ落ち履かせてはズリ落ちを繰り返し、何度も目の前で見え隠れする我々我々我々我々ガガガーーーピーーーー!!!
はっ!私は一体何を!
良し、一旦落ち着こう。
「落ちるね」
苦笑いしながらフリージアちゃんを見る。
「落ちちゃいますね」
フリージアちゃんも困った顔で見つめてくる。
よし!潔く諦めよう。
「え〜と、シャツ着よっか」
「えと、そうですね」
うん。やはりブカブカだ。
襟周りが広く大き過ぎて、フリージアちゃんの肩と片乳がダイレクトに、こんにちはしてしまっている。
やばい!えっろ!何?フリージアちゃん!10歳なのになんでそんなにエロいの?
マズイ!これは非常に不味い。
こんなん見せられたら、マジで理性が砕ける5秒前!!
MK5!!
マジで〜♪砕けるぅ〜♪5秒前ぇ〜♪
等と歌ってる場合じゃない!!
私の本性がバレたらフリージアちゃんにマリアと同じ塩対応されてしまう!
それだけは何としても阻止しなければ!
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