【補足 一次選考は突破しても……①】 斬新なアイディア
一度完結した論考ですが、補足すべき部分を思いついたので書き加えます。
後日、この前書きを消した上で、『後書き』の前に移動させます。
この評論では、一次選考を突破する方法について論考してきました。
実際に私も一次選考は、ほぼ突破できるようになりました。でも最終選考の壁は厚く、つい最近も連続して三次選考で落ちたばかりです。(令和3年夏時点)
正直、へこみます。
私は一次選考は足切りだと論じてきました。つまり『百回連続で一次選考を突破すれば、確率的に一回くらいは受賞する』わけではないのです。そこから先には、また別の大きな壁があるように思えます。
しかし、そこで思考停止していては前に進めません。
ここからは一次選考の先に行くために自分で考えたことをいくつか書いていきたいと思います。もちろん現時点で結果の出ていない人間が書くのですから、実証した論考ではありません。推論や仮説のようなものだと思ってください。
まず、ライトノベルや児童文学などの賞を眺めていると、アイディア重視であることが感じられます。公開された受賞作のあらすじや投稿サイトで確認できる最終選考通過作品などを眺めていると、おおっと思うような奇抜な世界観やキャラ設定などで目をひくものが多いような気がします。
よく言われることですが、ただ文章が上手いだけなら現役のライターや過去の受賞者がいくらでもいます。あらすじを見ただけで『これは!』と思わせることができなければ、聞いたこともない作者の本はなかなか買ってもらえません。
ここで注意しなければならないことは、アイディアには面白さだけでなく新しさも求められるということです。いくら面白い設定でも、それがテンプレであれば斬新さという意味では0点です。また、テンプレにはなっていないような比較的珍しい設定でも同じようなことが言えます。
たとえばオモチャが実は主体的な意思を持っていて、その視点で物語が進むという小説を書いたとします。一次の選考者はこれを斬新なアイディアだと判断して通過させるかもしれません。しかし、二次選考以降ではより詳しいチェックがかかります。『これって、トイストーリーのことじゃないか』そう思われた時点で、加点だったはずのアイディアは0点になってしまいます。
これはテンプレや既存の作品にある設定で投稿作品を書いてはいけないという意味ではありません。
作品の全てを誰も触れたことのないアイディアだけで構成することは事実上不可能です。テンプレでも自分のキャラクター、ストーリーで小説を書けば、それは盗作ではなく立派な自分の創作作品です。
しかし、受賞作品のほとんどには何らかの新しさがあります。ちまたで全盛の異世界テンプレ小説であっても、何か一つはオリジナリティを感じさせることができないと受賞は難しいように思えます。
また、『トイストーリー』のように特定の作品が頭に浮かんでしまうような場合は更にハードルが高くなります。それをひっくり返すくらいの強烈な斬新さを他の部分に盛り込まない限り、二番煎じとしてテンプレ作品よりも低い評価となります。
ここまで考えて、自分でも反省するところがありました。
異世界テンプレ小説をバカにするような動画を見ていると、あれくらいなら簡単に書けそうな気がしてきます。なろう系なんてクソだ。だからテンプレ作品をまともな文章とキャラ設定で書けば受賞なんて楽勝だ……とか。
それなら文章の上手い奴にやらせればいいだけ。
自戒しても、何度でも何度でも、やはりそう考えてしまう。
クソと思っている時点で、そもそも真剣に心を込めた小説には勝てません。
ある程度のプライドや自負は必要ですが、それが自分自身を蝕むことのないようにしなければならない。改めてそう思った次第です。
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