第12話 日常パート2
改めて、声優さんって自宅に帰っても台本のチェックや原作のチェックでなかなか大変そう…本当好きじゃなきゃ出来ないよね。
こうやってみんなに感動を与えてくれてるんだよね~としみじみ思いながら彼の生活を眺めている。台本を見ながら、
「沢山書き込んでるね~懐かしい…」
って、お仕事の邪魔しないつもりが呟いてしまった。
「ん?懐かしいってどういうこと?」
彼が即座に聞き返した。
「何でもない何でもない…」
私も慌てていう。
「もしかして演劇してたとか?」
彼が聞く。
(実は、中学高校6年間演劇部でしたとは…演技そんなにうまくないし…)
「じゃあ、本読み付き合って♪」
彼がいたずらっぽく言う。
「無理無理!!プロの人の前で絶対無理だよ~」
半泣きでいう私。
「遊びでいいから」
と彼に言われてしぶしぶ…
何とか、必死にやってみたけど…
「結構、うまいと思うよ♪高校時代はお互いに同じ時代に演劇部だったんだね。なんか面白いね。全国大会とかで会えたりとかしたのかもね」
彼が一応褒めてくれた。
「うちの高校は私の時代は全国行ってないんだよね…県大会で落ちてた…一世代前は全国大会でも入賞してたらしいけど…。
私、本当ここぞって時に失敗しちゃうタイプでさ…アドリブもきかないし、エチュードも本当苦手だった…」
でも、同じ時に同じことをやっていたってのが嬉しい。
そんな他愛もない話をしながらも、少し変わった日常もある。
「じゃあ、そろそろ寝よっか。おやすみなさい。チュ…」
っと、実はあれ以来、彼の告白されてから、そんなことをされるようになった。
腕時計に口づけしてる。たまに両手で腕時計の私を握られながら、彼が寝てしまうこともあった。
嬉しいけれど、だけど、私は人じゃない…。触られてる間隔もキスされてる感覚も何もない。体が欲しい…。
そんなことを願いながら、私も意識が遠のいていた。
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