第44話 ジェンナーの屋敷
あれから1ヵ月が過ぎた。
今日も昼間は小説かと思いきや・・・
メリトさんの相手をしてた。エルフは妊娠し難い体質なので数をこなすことが必要だと言う事で・・・
余りに恥ずかしく内容は言えないが、ベッドの具合を二人で調査したとしておく。
まぁ巨大なベッドなので真中で少し強めに動いたくらいではびくともなかったのだが・・・
昼間の部は、1日おきに交代でハニーとメリトさんの相手だそうで。正常妊娠の為には、体内に常に精子が有る事が重要だそうで、精子の生存期間が約3日らしく?その状況に合わせて設定されたらしい。
キュリアってなんでそんな事迄、知ってるんだ?生前どんなことしてたんだろう気になる・・・
然し、俺の読書の時間が減ってしまったよー、まあ事が終われば、本を読むのだけどね。
因みに夜の部は、あれから受胎確認の赤文様になった人はいない。ヘディに受精することをイメージしてエナジーを出してと言われたけど、毎回してるんだよねぇ。其れはラヴォージェにも言われたので・・・
毎日エナジーが無くなるのでぐっすり寝れるようになった。エナジーが完全に枯渇すると眠くなることが解った。
其の為、夜の部ではシテなかったけど、キュリアが不満を言い出し、先にシテから受精魔法と言う順序になってしまったのだ。此れで夜の部も種馬確定だよ・・・ガクン
そんな日々を過ごしていたが、ジェンナーのローレンス商会から屋敷が出来たとの連絡が有った。
あと5日で8月になるという時期なので見学に行くと同時にそのままジェンナーに滞在する事になった。
朝食の後、準備が出来次第ロビーに集まると言う事で話が纏まり、それぞれ行動を開始した。
まぁ、俺は普段着とルームウエアしか持っていくものが無いので直ぐに準備は終わってしまうのだ。
直ぐに戻って来たのは、エルフメイド姉妹だ。やっぱりメイド服のままだね。
「行く時くらい普段着でもいいのに」
「「ケミン様の専属メイドの地位は、誰にも渡しません」」
その前に奥さんだけど・・・なぜか奥さんであるよりも専属メイドである方が矜持らしいな・・・
エルフってのは生粋のメイド気質なのか?
次に来たのは、ヘディとラーニャで何時もの如く武装してるし・・・こっちは仕方ないとして
また一人武装兵が増えた・・・コモドドラゴンのカトレアだよ!
いやね、普段が裸だから何か着けてくれるのは非常に有り難いですが・・・
虹龍の髭を加工したドラゴンウィップに虹龍の鱗のアーマーとパンツそれにハーフブーツ・・・
なんで皆、過剰装備なんだ・・・
「私は鞭、敵を拘束」
そんな鞭で拘束したら人が切れちゃうだろ!強度を考えてくれ!
第一、直ぐに屋敷に入る事になるのに武装なんて必要ないだろ!
其々の武器が、活躍しない事を祈ろう!
ちびっこ二人が来たな、ミラは黄色いブラウスにチェックのスカートフリル付きをサスペンダーでつってある。お腹に大きなリボン迄ついてる。めっちゃ可愛い!
フリーゼは、クリーム色のベレー帽をかぶりクリーム色で胸元にレースの刺繍をあしらったチュールスカートのワンピースこっちも可愛い!
俺に娘が居たら絶対こんな服着せてたな!
それに、フリーゼがビキニじゃないのに吃驚したよ!普通にビキニで来ると思ってた・・・
「フリーゼ、いつもその服にしてくれ、可愛いから!」
「ひゃぃ、わ・わかりました」
真っ赤な顔をして俯いている、こんな仕草も可愛い・・・
パフィオが来た。元々綺麗なドレスを着てるので服装の変更は無しだな。
そして殿にキュリアとベルだ。
この前と同じでお揃いのワンピースと同じ髪型をしていた。
「ハニーは、前回と一緒で先にラヴォージェと行ってるのかな?」
「うん、先に行ってるわよ。じゃぁ行きましょうか」
キュリアの一声で皆移動開始する。
船着き場に着くともう出航の準備が出来ていた。
ヒュパさんとメリトさんがそそくさと乗り込み、厨房に入る。
その後に続いて、皆船に乗り込んだ。
全員乗り込んでもゆったりしている良い船だな。買って良かったと本当に思った。
ラヴォージェが風魔法を発動してジェンナーに向かって出航する。
また半日程度の船旅だ。
船が動き出すと紅茶と御茶菓子が出され皆で寛ぎながら移動した。
揺れも殆どなく、航程も順調で昼少し過ぎには、ジェンナーの街に入った。
市庁舎の近くの船着き場に着くと、なんと俺の船専用の船着き場が準備されていてそこに船を停泊させた。
「ラヴォージェ、こんな船着き場いつ出来たんだ?」
「お屋敷建設と同時に作られたと聞きました。混乱を避けるためにも必要だったのでしょうな」
成程、そう言われれば納得せざるおえないな。
船を降りるとローレンスさんが待っていた。
「ケミン様、ようこそ御出で下さいました。お屋敷のご案内を致します。此方にどうぞ」
俺は頷き、付いて行く事にする。
船着き場から直ぐに屋敷に来れる。庁舎の横のだだっ広い土地の真ん中に塀に囲まれた屋敷が建っていた。門には警護隊の詰め所が有り、門は固く閉ざされていた。
俺達が、門の前に着くと警護隊が門を解錠し開けてくれた。
俺達は、ローレンスさんに続き門の中に入るとかなりの豪邸が建っていた。
「はぁ、自宅より凄いね・・・こんなのが良く一月半で出来たね・・・」
「はい!ジェンナーの総力を結集しましたから」
「外壁は石造りなんだね、何処から集めたの?」
「土魔法でブロックを作りましたので、遠くから運んだわけではありません」
「成程、此れだけのブロックを作るだけでも大変だよね。有難う。でもこんなの建てて予算は大丈夫なの?」
「全く問題ありません。建設予算だけでなく管理費用も有りますからね。」
巨大な石造りの屋敷に馬車止めまである中央通路は石畳で左右に花壇が有るが、まだ造成中だ。本当に屋敷の建設を最優先にした結果だろう。
屋敷の中に入ると執事やメイド達が整列していた。総勢30名ほどか?料理人達もいる筈だからもっと多いのか・・・
「え?執事さんやメイドさんも居るの?人件費は如何なってるの?」
「勿論、管理費から出ますよ。屋敷の管理とアパートの管理は一緒ですから、全く問題ありません」
「え?本当に足りるの?」
「其処まで心配なさらなくても大丈夫ですよ。このくらいしないと儲けが出過ぎて逆に大変な事になりますよ」
「利益の分も含めてローレンスさんに任せてるから大丈夫だとは思うけど・・・」
「はい、ではラヴォージェ様とヒュパ様に執事長とメイド長になって頂き、此方の管理をお願いしたいのですが」
「其れは大丈夫だと思うけど2人がこっちに居るのは8月だけだからその後の管理は誰にするのか決めておいてね」
「其れは、ラヴォージェ様達に指名して頂ければ大丈夫です」
ローレンスさんがそう言うと、早速ラヴォージェとヒュパさんとメリトさんは動き出す。
他の者達は、ローレンスさんに案内の続きを受ける。
室内の雰囲気は、迎賓館を模しているのか、ロココ調の豪華な装飾で、家具や絵画などかなり贅沢な作りになっている。奥さん達の部屋も一様に豪華で、俺の部屋になる場所もかなり凄かった。
自室が5部屋に分かれておりリビングに書斎と寝室は勿論、ウォークインクローゼットに厨房付きの部屋が有った。
まあスゲーとしか言いようが無いな・・・
「此れいくらするの?」
「装飾等を合わせても10000金貨弱ですよ?ケミン様の収入から考えたら安い方ですよ」
「此れ別料金で払って良いの?」
「いやいや!もう貰ってますから!別料金は無理です!2重に取ったら縛り首になりますから!」
ローレンスさんは、かなり慌てた様に言った。
「やっぱりそうなんだ・・・」
「ではケミン様、鍵をお引き渡し致します」
そう言うとローレンスさんは俺に鍵を渡してきた。
こうして俺は、ジェンナーの街に屋敷を手に入れたのだった。
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