第42話 ロザリンドの来訪

次の日の朝目覚めると、ヒュパさんはもう居なかった。

さすがにメイドさん、仕事に行くのが早いなぁ!


一寸寂しい・・・


ヒュパさんとは、昨夜初めて一緒に寝たんだよね。多分メイドだから遠慮してるのだと思うけど・・・

その前に俺の嫁さんなんだけどなぁ・・・


次の日の夜は、メリトさんだったな。と思ったけど・・・

お風呂にヒュパさんと一緒に入ってきた。何時もは自分の番の時はヒュパさん一人なんだけど・・・


俺は疑問に思ったが、さすがに聞くのが恥ずかしいので聞かなかった。体洗われながら聞くとか無理ゲーだろ・・・


風呂から出てリビングに行くとキュリアが寄ってきて話す。

 「ケミンあのね。今日の夜はクララになったのよ。昨夜ヒュパさんが準備文様が出来たでしょ?其れでメリトさんには昼間の部に回った貰う事にしたの」


「昼間の部?なにそれ?」


頭に?しか浮かんでこない


「だから来週からなんだけど昼間の人達には普通にしてあげて欲しいのよ。メリトさんとハニーが昼の部を担当するわ。」


ラヴォージェの言ってた種馬って・・・此の事だったのか・・・ガクン


「昼間は、書斎に籠って小説読んでるだけでしょ?だったら妻の相手してよね・・・」

その夜、クララさんにも準備文様が出たのだった。


其れからは、皆順当に準備文様が出来た。此れで守護精霊の準備は全員出来た。後は受胎を待つのみとなったのだった。








あれから数日後、ローレンス商会のロザリンドさんが、お針子達を30人も連れて自宅にやってきた。


こんなに要るのかなぁ?


「ケミン様、奥様方、ご機嫌麗しゅう。ローレンス商会をご贔屓にくださり有難う御座います。本日は新しい奥様方の服の注文という事でお伺いさせていただきました」


「うん宜しくお願いします。みんなで似合いそうなデザインを選んであげて」

俺がそう言うとお嫁さん達がお針子さん達と一緒に部屋を出ていく。


俺はみんなが、出ていったのを確認すると異次元収納からまた宝石を4個取り出すとロザリンドさんに渡す。

「前と同じように此で指輪をお願いします」


「うふふ、分かりました。」


「それで先に注文した服はどのくらいで出来るのですか?」

「二月程で出来ますわ、今回の服と一緒に納品だと三月程でしょうか」


「指輪のほうは?」


「指輪の方は、この4個も含めて二月ほどでしょうか、台座は有りますから意匠に少し時間が掛かるくらいです。」


「解りましたよろしくお願いします。然し、お針子さん達の人数多かったですね」


「皆、ケミン様やキュリア様に会いたがって大変でしたのよ。直属の30名の中から選ぼうとしたのですけど全員が譲らなくて・・・仕方ないから皆連れてきたのですわ」


本当に困った様子で話すロザリンドさん。溜息が聞こえてきそうだった。


「俺なんかに会っても何にも面白いこと無いんですけどねぇ」

「うふふふ、そう言う自覚のないところが”面白い所”だと思いますよ」


よく分からないんだよなぁ・・・


「あ!アパートの件ですが・・・ロザリンドさんに聞いても解らないですよね?」

任せてみたいな顔をしながらロザリンドさんは言った。


「ちゃーんと主人から聞いておりますよ。市から要望が出たらしくてケミン様の屋敷は独立して建てるそうですわ。ケミン様は、アパートのフロアーをと考えていたようですけれど警備の関係で独立させた方が良いと言う事でしたわ。その周りにアパートが建つ事になりそうです。進捗は、ケミン様の御屋敷を最優先で今、建てている所です。7月下旬に完成の予定です。ジェンナーの大工さんが総動員らしいですわ。家具等もすべて準備して直ぐにでも住めるようにするとの事でしたわ」


7月下旬ってあと1ヶ月って事だよな・・・

「そんなに早く出来るものなんですか?」


「魔法も有りますし、ジェンナーの底力を見せるとか、張り切って言ってましたわ。うふふ」


暫く歓談しているとお嫁さん達とお針子さん達が戻ってきた。

「可愛いのが有ったわね」などとみんなで話している。


「ロザリンドさんこの後迎賓館で食事会をします。皆さん一緒に来てくださいね。泊まる準備もしてありますからゆっくり寛いでください」


陽が傾き夜になると迎賓館で立食式の食事会を開いた。

お針子さん達は、王宮みたい!等と話している。皆一様に嬉しそうに食べたり飲んだりしていた。


そんな喧噪を見ながら俺とロザリンドさんは話す。

「この林檎酒は、呑んだ事が有りませんわ。何処で作られたものですの?」


「此れはエルフの特産ですね。ここでしか呑めませんよ」


驚いたようにロザリンドさんは言った。

「まぁ!エルフは、お酒も作ってるのですか?ドワーフじゃなくて?」


「ええ、ドワーフの種族は、北の方に鉱山があって其処に住んでますから、此処にはいませんね。エルフ特産のスパークリングシードル美味しいでしょ?」

「ええ、凄く美味しいです。此れを家で商させて頂けないでしょか?」


「あー、其れは俺に聞かれても・・・どのくらいの量を作ってるのかも把握してないので・・・それならエルフの族長を紹介しましょうか?」


「是非お願いします!」

かなり食い付き気味に言われたよ・・・


俺は近くに居るメイドに頼んでハイエルフ達を呼ぶように言った。


暫くするとハイエルフの夫婦が来た。


「族長、此方は、ローレンス商会のロザリンドさんです。林檎酒について取引できないかって事なんだけど売ることは出来るの?」


「「大量には出せませんが、在庫は有りますから売ることは出来ますよ」」

「有難う御座います。是非家で売らせてください!」


商魂たくましい奥さんだなぁ・・・


「詳しい話は、明日決めてください。取引は俺じゃ無くてエルフとお願いしますね」

これ以上お金が増えたら困るからな・・・


そんな話をしながら夜は更けていった。

夜のお仕事は続行中ですが・・・




次の日、エルフとローレンス商会のスパークリングシードルの取引契約は成立した。

俺は関与してないよ?



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