第37話 四人の嫁がやってきた


街の買い物から帰った後も夜のお仕事は1日休みだっただけで今晩も続いています・・・はぁ

今日は昨日休みだったベルですが・・・


 「ケミン君、もう少しゆっくりエナジーを流してくれないかな?僕これ以上今までと同じだったら我慢できなくなりそう・・・」


俺には訳が分かりません・・・かなりゆっくり流してる心算なんだけどなぁ・・・・

何を我慢してるのか聞いても・・・


 「バカ!女子にそんな事言わせるなんて・・・ケミン君は言わせて興奮する趣味なの・・・?」


何、判らない事を言ってるのか・・・話しながらもエナジーは流し込む、俺にとってはもう義務だし・・・


 「あああああぁ」(もう駄目、頭の中が真っ白になるーーーー)

1時間程でエナジーが止まった。やっぱり準備文様は出ない。此れって何回続けたら良いのか・・・


「終わったよーベル、お疲れ様でした」

 「今日はもうダメ」


と言いながらベルが抱き付いてきた。

「ゆっくり寝なよ」

と言う前にベルは寝息を立てていた。



昼間は、ローレンスさんが来てアパートの打ち合わせをしたり、書斎に入って読書をしたりしている。


女性陣は、ヘディとラーニャは二人で鍛錬を行ってる。エルフ姉妹は相変わらず専属メイドとしてずっと傍についている。クララは精霊師の仕事優先で街の精霊師とよく通信しているらしい、王国とジェンナー街の情報を仕入れるのが日課になってる。


キュリアとベルは、街に出掛けたりが多い様だな、皆それぞれ自由にやっててよかった。



街で買い物をしに行ってから1週間が過ぎた。

会議終了から1ヶ月経つな。残りの花嫁候補もそろそろ来るのではないだろうか。


俺は、相変わらず書斎に籠って小説を読んでいた。今読んでいるのは、地方の男爵令嬢が、静かに暮らしたいだけなのに色々な騒動に巻き込まれて行く話だ。所謂、ラブコメって感じの小説である。


俺が小説を読み耽っていると扉がノックされ外から声が掛かった。

 「ケミン様、クララですの、入って宜しいですの?」


おっクララが直接来るのは珍しい。「どうぞ」と声をかけるとヒュパさんが扉を開ける。

俺達がソファーに座るとメリトさんが紅茶を出してくれた。


紅茶を一口飲むとクララが話し始めた。

 「ケミン様、ジェンナーから通信がきましたの。ハナカマキリと犬型獣人の族長達が、ジェンナーに着いたそうですの。明日の昼には此方に来るそうですの。」


「お嫁候補を連れてきたのかな?」

 「はいですの。どんな方が来るのでしょう楽しみですの」


「俺には仕事が増えるんだけどね」

 「仕事なんて言ってはいけないですの。愛を育んでいるですの!」

頬をぷーっと膨らますクララこういう顔も可愛いな。


しばし歓談をしてクララはまた仕事に戻って行った。






次の日の朝から迎賓館は慌ただしかった。2組の族長達を迎えるためだ。

迎賓館も屋敷もエルフに管理を任せている。本当にエルフ様様である。


俺は作業を見ながらラヴォージェを呼んだ。

「ラヴォージェさん、新しい種族達にも名付けした方が良いのかな?」


 「そうですな。出来るだけ新種族に名付けされた方が良いでしょう、人族になればさらに知能が上がりますし、人口増加率も上がりますからな。」


「何か考えた方が良いの?新しい種名?」

 「考えても良いですが、そのままでも全くかまわないと思います。ケミン様が、名前指定することが重要なので」


「成程ねぇ、じゃー今まで呼ばれてる名前が定着してるからそれで行こうか」

 「其れで宜しいかと思います」




昼になると迎える準備になり、エルフ達が船着き場に向かった。

迎賓館の応接室で待っているとハナカマキリと犬型獣人コボルドの族長達が花嫁を連れて入ってきた。


「堅苦しい挨拶は良いからね。俺はケミンと呼んで下さい。」

先に声をかける。


 「ケミン様、ハナカマキリ種の族長ビュームです。宜しくお願いします。此の娘は、パフィオペディラムと申します。」


 「ケミン様、コボルド族の族長アプソです。宜しくお願いします。此の娘は、フリーゼと申します。

「それでは、それぞれ名前を付けるから、昆虫人はハナカマキリと名付ける、犬型獣人は、コボルドと名付ける。」


言い終わらないうちに族長たちは光に包まれた。

光が収束すると人型になったハナカマキリとコボルドが居た。

族長のビュームは小さい俺と同じくらいの身長でシルクのタキシードを着ている。


パフィオペディラムは、キュリアと同じくらいの身長で淡いピンク色の髪色で空色の瞳、シルクの薄ピンクのドレスでスカートに行くにつれ濃い紫になるグラデーションになっている。翅は、下がっており、胸は、大きいなぁ・・・インセクターって皆巨乳なのか?


コボルド族は逆に小さくて1mくらい族長はそのままだった。お犬様の顔に体も毛皮に覆われている。


フリーゼは、黒髪に犬耳付き大きな黒い瞳、グレーのビキニスタイルで、ちょこんと短めの尻尾が付いている。胸は、可愛い!ベルの仲間が増えたな!


「「「「有難う御座います」」」」


「そう言えば、皆がどこに住んでるのか判らないな、森は見回っていたはずなんだけど君達は見つけられなかったよ」


 「ハナカマキリは、擬態していますから花と見分けが付かなかったのではないですか?私達は、ケミン様をお見掛けしました、今住んでいる所はジェンナーの南西に蘭の花の群生地があると思うのですがその周辺に居ます」


「木にくっついてる花だっけ?そんな場所が有ったねぇ、あそこに居たのか、ってやけに大きな花が咲いてると思ったら擬態していたのか・・・」


 「コボルドは、ジェンナーの南東です。果樹園が有る場所ですよ。木の室むろに住んでますので見つからなかったのではないですか」


「成程、木の室に居るのか・・・さすがに室までは覗かないからな」

「今日はゆっくりしていってね、晩餐会の準備してあるから」



夜には、新しい嫁の歓迎会を兼ねて晩餐会を開いたのだった。




族長達は、朝帰っていった。










其れから2週間後

今度は、爬虫類人とドワーフが来た。


迎賓館の応接の間で何時もの様に待っているとコモドドラゴンとドワーフの族長達が、嫁候補を連れて入ってきた。


「堅苦しい挨拶は抜きね。俺の事はケミンと呼んでね」

 「私はコモドドラゴン族の族長ブレイです。此の娘は、カトレアです宜しくお願いします」

 「私はドワーフの族長ウルトですじゃ、この娘は、ミラですじゃ宜しくお願いしますじゃ」


「はい宜しく。じゃー名付けるよ。コモドドラゴンとドワーフと名付ける!」

コモドドラゴン族もドワーフも見た目は変わらなかった。


最初から人型だしね。コモドドラゴンの方は体のあちこちに青い鱗が有り太い尻尾も有る。カトレアも同じで身長は190㎝くらいだろうかヘディよりは小さそうだな手や足に青い鱗が有りスマートな体型、出るところは出てるけど・・・目のやり場に困る。服着てないんだもの・・・裸族二人目だよ・・・


ドワーフは小さいねぇ1mないかも。族長は作務衣のような服を着てるな。頭はつるつるだけど長い顎髭が有る。肌は小麦色に日焼けしている感じかな。

ミラの方は、オレンジの髪色に髪をトップで纏めているお団子ヘアー大きな緑の瞳で小麦色の肌にタンクトップと膝丈フレアスカート、胸のサイズは普通に有ります。


此れはちびっこトリオが結成されそうだな・・・ラーニャ、フリーゼ、ミラか




その日は、歓迎会兼晩餐会を開いて親交を深め、族長たちはまた朝には帰っていった。


ドワーフってお酒好きなのね・・・朝まで飲んでた様だ。

俺は呑んだら寝ちゃうタイプで付き合いきれなかったよ。




これでやっと嫁達が揃ったな。結婚式の準備も進めないと・・・


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