監禁中、監禁後

お題：せつない監禁 制限時間：15分

監禁中、監禁後

「ねぇ大丈夫なの？」

「なんとか……ね。そっちは？」

「わたしは大丈夫。あなたみたいに拷問されてないから」

「でも、拘束し続けてるでしょ？」

「そうね、こっちは目隠しもされて四肢を動かすことはできてない」

「舌をきるとか誘拐犯は考えてないのかな？」

「あいつはしないって思ってるわね。まぁわたしはしないから、結果的にあいつの考えは間違ってない」

「あいつあいついうけど、本当に知り合いなの？」

「声がそうだし、昔の自分を知ってるっていうなら、彼女しかいないと思う」

「なんでこうやって監禁してるかについては？」

「わからない。わかってるのは、最後に目にしたのはきれいな女性だったってこと」

「そうなの？　毎回拷問してくる人はアイアンマスクしててわからないよ」

「声は聞こえてるんでしょ？」

「ごめんごめんいってるのはわかるけれど、それぐらいかな？　あとはぶつぶついっててよくわからない」

「拷問は大丈夫なの？」

「拷問っていっても、乳首やクリに電流を流されたり、股間にペットボトルを入れられたりで、そんな実害ないよ」

「いやいや……それって十分拷問じゃない。なに他人事のようにいってるのよ」

「僕としては日頃からしてることと大差ないからね。痛みより快感のが強い。拷問が待ち遠しいくらいだよ」

「……あなたの性癖をここで知ることになるとはね」

「軽蔑した？」

「そうは思わない。誰だって見えないところでそういうことはしてるもの。わたしだってそう」

「それは誘拐犯も同じかな？」

「たぶん、そう。あなたに行為をすることで高めるタイプなのかもしれない」

「そうかな」

「そんなことはさておき、逃げられる要素はないの？」

「手錠と、足が鎖で拘束されてるからね。これがなんとかなれば、部屋の外に出られるかもしれない」

「最悪あなただけでも逃げられるってことね」

「実情被害にあってるのは君だけだから、なんとかしたいけれどね」

「感じてるんじゃないわよ、このマゾ」

「いいね。出られたらそういうプレイをしてほしいかも」

「わたしに拷問官になれと？」

「優しい拷問なら平和でしょ？」

「それは……違うと思うわ」

「そっか、残念」

「とりあえず今は体力を温存しましょ。きっとその機会というのはでてくる」

「そうだね。彼女で感じてるのなら、無防備な姿を見せてくれるかもしれない」

「楽観視できないけど、そう思うしかないわね」

　それから数日経過して、逮捕されたのは女性二人であった。

　一人はぼろぼろの服を身に着け、もうひとりはボンテージ姿で、発見された。