ゾンビ生活

お題：優秀な屍 制限時間：15分

ゾンビ生活

「ゾンビ操れるとなると、便利よね」

「死んでるからね。相手はいうこと聞くだけだよ」

「頭ないのに指示に従うっておかしいな感じ。今だって頭がないのが畑を耕してるし」

「ほら、鶏だって頭切られて本体走り回るっていうじゃない」

「心臓が2つあったり、3つあったりするのもいるし？　そういうのって、1つなくなっても生きてるのかしら？」

「どうだろう。足を動かす心臓であったり、しっぽを動かしたりする心臓であったり、触手そのものであったりするからね」

「タコなんかそうね。でも、メインである心臓をしめたら終わるじゃない」

「心臓っていう名前があるだけで、心臓っていう意味ではないんじゃない？」

「だったら、なんで心臓っていうのよ。おかしいじゃない」

「さぁ……生物学的な意味は知らないよ。学者に今度聞いてみるといいかもね」

「あの人苦手なのよねぇ。何考えてるかわからないし、ゾンビに鉢植えし始めたときは、驚きしかなかったわ」

「腐葉土ってあるからね。ゾンビはある意味で花壇として最適なのかもしれない」

「花が咲いてるゾンビなんて見たくない」

「頭になにもないのもあれだし、今度頭巾でもさしてみる？」

「えー、体液飛び散るし、気持ち悪いわよ」

「まぁそうだね。ゾンビはゾンビのままにしておくのが一番だよ」

「買い出し用のゾンビが欲しいわね」

「バイク乗れるやつは高いよね。予算大丈夫？」

「なんとかなる」

「そっか。あっ、壊れた」

「安物のゾンビだったからね。新しいの頼んでおこうかな」

「そうだね。そのとき安かったら買い物用のを買おうかね」

「うん」