生きる
バブみ道日丿宮組
お題:免れた宿命 制限時間:15分
生きる
ある時、そう……ある時を繰り返せるならば、僕は彼女を選んだのかもしれない。
小学生という低能状態でその選択をすることを躊躇ったのは愚かな行為だ。
手を取る、それだけで今後多少なりともいい思いができたかもしれない。
30年間悔やみ続けることもなかったし、
「……」
少なくとも人斬りと呼ばれることもなかった。
愛を、恋をもう少し早く知りたかった。
今の僕はこうして、好きなものを斬り裂くぐらいしか脳がなくなってしまった。愛することは殺すこと。そう理解してしまったから。
部屋の扉が開かれると、忍び姿の少女が現れた。
「こちらの処理は終わりました。そちらもすぐにいたします」
少女は散らばった五体を1つずつ穴に落としてく。穴は入れ終わると消滅した。彼女の忍術空間と言われる見えない袋だ。
「……君は怖くないのかい?」
「怖さはありません。あなたに抱かれたことも、抱きしめられることもなれてました」
「そうか」
少女に対して、愛はない。
道具。そう相応しい言葉があるとすれば、道具、兵器、おもちゃ。そんなものが該当するだろう。もしかすると奴隷という言葉も当てはまるかもしれない。
だが、少なくとも愛や恋といった感情は一切持ってない。少女はそれを理解しながら僕の側にいる。文句をいうこともない。僕がやることを全て肯定してくれる。
少女のお腹に自分の子どもが宿ったとしても、何もいわない。
『これはあなたの子どもではないので』
そう断言される。
何人かの赤ん坊を捨てた。何度も孕ませた。
ーー最低。
それが周りからの評価だ。
間違ってない。否定する必要もない。
「終わりました。ついでに血も拭き取りました」
「帰るか」
はいと少女は隣に立つ。
「今日はたくさんの欲求がある」
「大丈夫です。耐えきれます」
彼女の性道具としての価値は高い、毎度違う感触がする。熟成されるということもない。彼女は忍術で若さを保ち続けてる。
それはまるで、抗えなった運命に違いない。
生きる バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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