弓ではなく火縄銃を選ぶ大きな理由の一つ――クロス・ファイアについての誤認
curuss
§
弓でも『
これは弓やクロスボウの射線が放物線を描くことを失念しているからでしょう。
※
ここで問題となるのは速度。
なぜなら速ければ速いほど、極端な放物線を描かなくて済むし、遠くまで届かせれるから。
そして威力≒矢の重さ×速度でありつつ、弓やクォレルの最低限度な重さは似たようなもの。
結果的に威力があればあるほど、その速度も高い傾向にある。
まずは簡単な『クロス・ファイア』の説明から。
〇想定している布陣
銃 銃 銃 銃 銃
敵 敵 敵 敵 敵 銃
敵 敵 敵 敵 敵 銃
敵 敵 敵 敵 敵 銃
敵 敵 敵 敵 敵 銃
敵 敵 敵 敵 敵 銃
※ 距離は各年代に合わせて、ざっくり50~100mぐらいと思って下さい
〇銃器の場合
・横から見た射線
←─ ─ 敵 ─ ── ─ ─ ─ ─銃
・上から見た射線
銃 銃 銃 銃 銃
│ │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ │ │ │ │
←┼ ┼ ┼ ┼ ┼─ ─ ─ ─ ─銃
←┼ ┼ ┼ ┼ ┼─ ─ ─ ─ ─銃
←┼ ┼ ┼ ┼ ┼─ ─ ─ ─ ─銃
←┼ ┼ ┼ ┼ ┼─ ─ ─ ─ ─銃
←┼ ┼ ┼ ┼ ┼─ ─ ─ ─ ─銃
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
∴ 一回の斉射で弾が当たるかもしれない範囲
銃 銃 銃 銃 銃
│ │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ │ │ │ │
←当 当 当 当 当─ ─ ─ ─ ─銃
←当 当 当 当 当─ ─ ─ ─ ─銃
←当 当 当 当 当─ ─ ─ ─ ─銃
←当 当 当 当 当─ ─ ─ ─ ─銃
←当 当 当 当 当─ ─ ─ ─ ─銃
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
のべ『当』50
一つの『当』に重複して倍の確率!
だから『クロス・ファイア』戦術は凄い!
後述の弓の場合と比べて、5倍は命中率上がって?
なにより『当』25分は、側面攻撃。
〇弓の場合
・横から見た射線
_
/ \
敵 弓
∴ 一回の斉射で矢が当たるかもしれない範囲(一例)
弓 弓 弓 弓 弓
│ │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ │ │ │ │
│ │ │ │ │
←┼ ┼ 当 ┼ ┼─ ─ ─ ─ ─弓
←┼ ┼ 当 ┼ ┼─ ─ ─ ─ ─弓
←当 当 当 当 当─ ─ ─ ─ ─弓
←┼ ┼ 当 ┼ ┼─ ─ ─ ─ ─弓
←┼ ┼ 当 ┼ ┼─ ─ ─ ─ ─弓
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
のべ『当』10
特別に
半分が――『当』5つ分が側面攻撃にはなる。
でも側面から5つ分で、5つ分が側面攻撃は当然の結果でもある。
〇参考:ただ矢を射かける場合
・想定している布陣
敵 敵 敵 敵 敵 弓
敵 敵 敵 敵 敵 弓
敵 敵 敵 敵 敵 弓
敵 敵 敵 敵 敵 弓
敵 敵 敵 敵 敵 弓
∴ 一回の斉射で矢が当たるかもしれない範囲(一例)
←─ ─ 当 ─ ── ─ ─ ─ ─弓
←─ ─ 当 ─ ── ─ ─ ─ ─弓
←─ ─ 当 ─ ── ─ ─ ─ ─弓
←─ ─ 当 ─ ── ─ ─ ─ ─弓
←─ ─ 当 ─ ── ─ ─ ─ ─弓
のべ『当』5
うん、普通だな。
〇参考:ただ銃で撃つ場合
敵 敵 敵 敵 敵 銃
敵 敵 敵 敵 敵 銃
敵 敵 敵 敵 敵 銃
敵 敵 敵 敵 敵 銃
敵 敵 敵 敵 敵 銃
∴ 一回の斉射で弾が当たるかもしれない範囲
←当 当 当 当 当─ ─ ─ ─ ─銃
←当 当 当 当 当─ ─ ─ ─ ─銃
←当 当 当 当 当─ ─ ─ ─ ─銃
←当 当 当 当 当─ ─ ─ ─ ─銃
←当 当 当 当 当─ ─ ─ ─ ─銃
のべ『当』25
単純運用でも、かなり違う?
散兵戦術や塹壕戦術へシフトも道理?
『クロス・ファイア』と似たような効率だが、向こうは側面攻撃も混ざる。
どうして『クロス・
もちろん、弓やクロスボウでも水平射撃可能な近距離ならできます。
ですが『クロス・ショット』戦術が編み出されなかった以上、それへ持ち込むのは難しかったのではないでしょうか。
まあ絶対に無理とか、無駄ではないでしょうけど、銃器以前には重視されなかったと思われます。
そして意外なことに、これこそ――
弓ではなく火縄銃を選ぶ大きな理由の一つ
ではないでしょうか。
※ 参考までに
1.5mから1mまで自然落下に要する時間は0.31932995678106秒。
ここでは計算し易く0.3秒で考えた。
【矢の速度】 【0.3秒で進める距離】
50km/h 4.1m 投石など?
100km/h 8.3m 弓など
180km/h 15.0m 強弓レベル
1180km/h 98.3m 火縄銃定説
しかし、これは射手が0°角で撃った場合。
落ちると分かっているのだから――
「標的の〇〇メートル上を狙おう」
などとなる。
この場合は計算面倒で……――
矢の速度50km/hの場合
【標的までの距離】【所要時間】【落下距離】 【角度】
50m 3.6秒 63.0m 45°超(届かない)
矢の速度100km/hの場合
【標的までの距離】【所要時間】【落下距離】 【角度】
50m 1.8秒 15.8m 17.5°
100m 3.6秒 63.0m 32.2°
矢の速度180km/hの場合
【標的までの距離】【所要時間】【落下距離】 【角度】
50m 1.0秒 4.9m 5.5°
100m 2.0秒 19.6m 11.0°
150m 3.0秒 44.1m 16.3°
200m 4.0秒 78.4m 21.4°
250m 5.0秒 122.5m 26.1°
言うまでもなく簡易計算。
まず空気抵抗を考慮に入れてないし、風に乗る分も考えなきゃだし、実際には底辺じゃなく斜辺を移動で――……
ようするに、この計算結果よりずっと悪くなります。
ちなみに勘違いされやすいのですが、上記の標的へ届く瞬間、まだ十分な物理エネルギーは残っています。その分が殺傷力となる訳ですし。
なぜ遅いと遠くまで届かないかというと、暢気に飛んでたら重力に引っ張られて墜落しちゃうからです。
接地してしまったら、どんなにエネルギーが残っていても止まってしまいます。
でも、強弓で50m以下の距離なら、クロスショット戦術も可能? もうちょい近くて30mぐらいなら?
しかし、強弓部隊が居るのに、そんな距離まで近寄らさせたら駄目だったりも。
今回を野球で例えると――
「大暴投でもなければセンターからのバックホームにショートやセカンド、ピッチャーは当たらないでしょ?
でも、センターからキャッチーを銃器で狙ったら、ショートにセカンド、ピッチャー、キャッチャー、審判の全員に当たる可能性があるよね?
だって弾道は、ほぼ水平なんだし」
でしょうか?
今回はテキストによる表現の限界を調べてたりも。
果たして伝わったのでしょうか!?
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