中華紅小国物語

桃陽

プロローグ

 紀元前二〇二年__その年は中華が大きく変動した年である。始皇帝が中華を統一した秦朝は僅か二代で滅び新たに漢が樹立。前漢として新たに中華を治め始めた。史記にも詳細に記されているこれは周知の事実だろう。

 しかし、歴史の表舞台に登場しない数々の小国の存在を知っているだろうか。小さいながらに知恵や武を駆使し懸命に生き抜いた英雄達を。今日は激動の時代、小さな国に生まれた二人の話をしたいと思う。


  にすら登場しない国だ。まずは話の舞台となる国の話からしよう。

 

 華国かこく。この国は気候に恵まれ肥沃な大地を有する豊かな国である。文化も周辺諸国や漢王朝にも負けない豪奢さを持っていたという。そして華国の王族は美男美女が多いのも特徴だったという。


 蛇国だこく。この国は華国の隣りに存在していた国だ。華国よりも寒さが厳しく作物は育ちにくいがそれ故に狩りが発達し、武術が発展した国だ。蛇国の武将は皆、一騎当千の兵であり蛇国の兵力は中華でも指折りだったという。


 清星国せいじょうこく。この国は他国への侵攻を繰り返す国だった。秦が中華を統一する前は周辺の小国を攻め続け戦国七雄である燕国にまで侵攻しようとしていた程だった。


 まだまだ小国は存在するが取り敢えずはこの三国を紹介しておこう。そして最初の舞台は中華指折りの豊国、華国である____

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る