エピローグという名の分岐点
エピローグ「幼馴染には笑顔が似合う」
「恥ずかしいなぁ……」
「今更でしょ?」
「そうかぁ? 俺にとってはかなりだぞ、なんというかその、プライド剥ぎとられちゃった的な感じにな」
「随分とやられてるじゃない」
「そうだよ、だから言ってんだ」
「そっ。まあどっちでもいいや」
「いいんかいっ」
「ええ、どうでもいいことでしょ? 私には?」
「ははっ、それが恋人に言う台詞かよ……」
翌朝、俺たちは二人。 翌朝、私たちは二人。
リビングで朝食を食べていた。
あの後、ひとしきり泣いた俺は
なんか、すっごく嫌なことを言われている気がするけど、とにかく
「じゃ、食べ終わったら片づけておいてね。洗濯物干してくるっ」
「あぁ、俺も手伝うぞ?」
「いや、いいの。このくらいやる」
「そうか。なら、皿洗っておくわ」
「うん、頼むわ」
「おう、頼まれた」
どこか、心の整理がついたのだ。四葉の胸の中で泣いて、気持ちをさらけ出して、とにかく漏らして。
どこか、素直に慣れた気がする。思う気持ちをぶつけて、和人の思いを受け止めて、私もそれに応えて。
「ちょっと、待って」
「ん、なによ?」
「そう言えば、しっかり言ってなかったから言うけどさ——」
「うん」
「俺、お前のことが好きだよ?」
「っ——」
すると、四葉が後ろを向いた。
すると、和人が変なことを言った。
「なんで後ろ向くんだよ」
「え、いやぁ、ね?」
含みのある笑みを見せる四葉はどこか艶めかしい。
「なんだよ……」
「お前って誰なのかなぁ~~ってね?」
「っく、お前……」
分かっている顔、俺をいじろうとしていた。
可愛い顔、いじめてやろうかしら。
「はぁ……ったく、分かったよ」
「偉い偉いっ」
「——俺、四葉の事が——高嶺四葉が好きなんだ」
「——っ、はずかしっ」
「おい‼‼ 俺が真面目に言ってるのによぉ‼‼」
「だってぇ、恥ずかしいんだもん~~、あぁ、はずかしはずかし‼‼」
「くっそぉ……なんで、よりにもよってお前なんかにっ」
「あらぁ、それが好きな人に言う言葉かしらねぇ?」
「……んぐっ」
「あははっ、やられてやんのぉ~~‼‼ ざっこ!」
「っく……好きなんだよ、良いだろ‼‼」
「ははっ、あはははっ‼‼ おもしろぉ~~」
ニコニコしやがって、悔しいが可愛くて何も言えない。
好きだなんて、もう、不意に言ってくるんだからっ。
「————っはぁ……そうだね、和人?」
「なんだよ……」
「——私も、和人が好きだよっ」
「……」
四葉が満面の笑みを浮かべる。
和人が頬を赤くしている。
やっぱり、お前は——俺の幼馴染は——。
やっぱり、君は——私の幼馴染は——。
————笑顔が似合う可愛い幼馴染だった。
————照れる顔が可愛い幼馴染だった。
<あとがき>
これにて、終了!!
と行きたいところですが、第三章が開幕します!
次作、「甘噛みJKと耳舐めJD」をお楽しみに!!
次作はこちらから
https://kakuyomu.jp/works/16816452221448589661
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます