※登場人物紹介 《シンと彼の協力者達》

シン(宰相)


国を影から支え続ける事を信念とする一族として生まれ、幼少期の時から父親に厳しい教育を受けていた。勉学だけではなく、武術に関しても学び、結果的には30代にして宰相の座に就く。


父親に対してはシャドウと同様に良い感情は抱いてはいなかったが、彼の信念は理解しており、父親の後を継いでこの国を裏から支配する存在と化す。この国の邪魔者になりそうな存在は見逃さず、排除する。


政治方面では非常に優秀だが、同時に少しでも国の害と為す存在は許さず、これまでに味方だった人間だろうと処分させる。王妃ジャンヌの殺害も彼の計画であり、弟のシャドウと力を合わせて彼女を殺害する事に成功した。


彼の唯一の誤算はナイという存在を軽視し、彼が忌み子だからという理由で何度も排除を試みた。今までにナイが関わった事件の中には宰相が裏で手を引いていた事が多く、同時にその事件を乗り越える度にナイは新しい強さを手にする。結果としてはナイの排除に失敗したが故に彼は最も厄介な敵を作り出してしまった。





シャドウ


幼少期に死霊使いの才能がある事が発覚し、そのせいで表の世界では生きられぬと判断した父親は彼を死んだ事にして裏社会に送り込む。一応は裏社会でも生きていけるように教育を施していたが、シャドウは父親の事を激しく憎む。


裏社会で生き続けたシャドウは父親の暗殺を企み、兄であるシンに協力を求む。シンは父親を殺す事に躊躇したが、ここでシャドウを敵に回せば今後の活動に支障をきたすと判断し、止む無く彼の計画に乗る。


父親はシャドウの呪いによって死亡し、それ以降は強大で表と裏の社会から国を支え続けてきた。だが、厳密に言えばシャドウはシンの手伝いをしてきたのは国のためなどではなく、今よりも自分の裏社会の地位を上げるには彼の力が必要だからだと判断した。


結果的にはシンが組織した白面は彼が実質的に管理を行い、裏社会でも着実に勢力を伸ばす。シャドウはシンに対しては頼れる相棒と認識しており、彼が唯一信用している人間である。


父親を殺した事に関しては一切の後悔はなく、その一方で復讐を果たしたという達成感も抱いていない。むしろ自分達の計画にあっさりと嵌まった父親の最期に違和感を抱き、最初から殺される事を予想していたのではないかと考える。




イリア


王国の魔導士にして優秀な薬師でもあり、そして研究者にして策略家の才能を持つ。元々はイーシャンの弟子であったが、彼女の才能を見込んだシンによって魔導士の位を与えられる。


イリアとしては自分の研究欲を満たしてくれる環境を用意してくれれば誰に仕えようとどうでもいいと考えていたが、師匠であるイシと共にイリアは白面を制御するための毒薬を作らされ、その時から彼女はシンに反感を抱く。


表向きは魔導士の権限を利用して新薬の研究を行い、その裏ではシンに従って彼の邪魔をする存在を暗殺する役目を与えられる。厳密に言えば彼女は直接的に手を下す事はなく、主に毒薬を製造してそれを暗殺者に渡す。


本人も自分が作った薬のせいで人が死ぬ事に対しては色々と思う所はあるが、彼女が一番我慢できなかったのはシンに指図される事であり、彼女の今の地位はシンから頂いた物に過ぎない。彼に逆らえば現在の地位を剥奪される事を常に恐れなければならない現状に嫌気を差す。


そんな時にイリアはナイと出会い、彼の驚異的な成長力を見せつけられて俄然興味を抱き、ナイを利用すればあの宰相に反抗できるのではないかと考えた。そこで彼女は内密にナイを始末しようとする宰相の邪魔を行い、高性能の薬を定期的に渡す。結果的には彼女の薬のお陰でナイも命が助かった場面もある。


最終的にはイリアは裏で宰相の不正の証拠を集め、彼の協力者たちも味方に引き込む。今の宰相のやり方に不満を抱いている者は多く、師匠であるイシを筆頭に意外な事にあっさりと他の人間も寝返った。


マホとは飛行船で同船した時から繋がりを持っており、彼女の信頼を得るために魔力回復薬改を作り出した。




イシ


王国専属の医師ではあるが、裏では白面を制御するための毒薬の生成を強いられていた人物。彼が普段から真面目に仕事を行わない理由は実を言えば薬の製造を行っていたからであり、彼は常に白面を制御するための毒薬の生成を任されていた。


白面を成業するための毒薬の製造は普通の人間には出来ず、時代によっては新しい毒薬の開発を行う。しかし、人を救うために医者を志したというのに人の命を奪う毒薬を作り続ける事に苦悩し、彼は嫌気が差していた。


そんな時に弟子であるイリアと魔導士のマホに声を掛けられ、二人の計画に乗って彼は宰相への反乱に参加する。実を言えばイーシャンとは兄弟弟子の関係であり、彼の仙薬にも密かに協力している。




※今日は雨の日で外に出られなくて書き溜めていた分を投稿します。

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