閑話 〈岩砕剣の製作者〉

――魔剣「岩砕剣」は地属性の魔力を吸い上げる事で重量を変化する魔剣である。この魔剣は魔力を送り込めば送り込むほどに重量が増加し、攻撃力を増す。扱う際は慎重に気を付けなければならず、下手をすれば自滅に導く。


この岩砕剣が王国で管理したのは今から100年以上も前の出来事であり、とある鍛冶師が作り出したと言われている。その名前は「フクツ」と呼ばれていた。


フクツは人間の鍛冶師であり、彼は小髭族の元で育てられた。実の両親を戦争で失った際、両親の知り合いの鍛冶師に育てられる。そこで鍛冶師の元で鍛冶の技術を学び、魔剣を作り上げるまでに成長した。


基本的にはこの世界では歴史に名前を刻むような鍛冶師の殆どは小髭族である。しかし、フクツは名前通りに不屈の精神で鍛冶師として腕を磨き続け、遂には魔剣を作り上げるほどの技術を手に入れた。




しかし、フクツは生涯の内で作り出した魔剣はのみであり、彼は死亡してしまう。まだ20代後半で死んだ若い鍛冶師に他の者達は嘆き悲しみ、そして彼が作り上げた二つの魔剣も何処かに消えてしまった。


フクツの作り出した岩砕剣は二本目の魔剣であり、最初に作り出した魔剣はどうなったのか分からない。だが、生前のフクツによれば彼は自分の作り出していた魔剣をこう表現したという。



『俺の魔剣は生きている』



その言葉だけを残してフクツは岩砕剣を作り出した後にこの世を去ってしまい、彼がどういう意味でこんな言葉を残したのか謎のままだった。






※今回の話は本編で組み込む予定でしたが、色々と考えた上で閑話にしました。しばらくは本編の投稿に集中します。

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