第210話 トゥーニス その10
教会の豚共は我先にとこの国から逃げ出した。
その後教会内部に入って調べてみると、信じられない程の金を貯め込んでいた。
別に金を貯め込んでいるのが悪いとは言わないが、国に申請している金額とかけ離れている。
一体どれだけあくどいやり方だったのだ、と今更ながら思う訳だ。
だが問題がない訳ではない。
教会の人間だからと全てが悪だった訳ではなく、庶民の為に尽くしてくれる司祭も少なからずいたのだが、そう言った司祭までいなくなってしまった。
まあまだ国に残っているのであれば、何とか探し出しヒーラーとして活動してほしいものだ。
・・・・
・・・
・・
・
教会の勢力に勝利し、俺は伯爵になった。
そして父である国王は、俺を大々的に自分の息子として扱うようになった。
今までは庶子だった事もあり俺の扱いは微妙だったのだが、面倒な教会の組織が国から消えた事で、どうやら俺の存在を秘匿する必要もなくなったと判断したのだろう。
そしてそれは他の弟妹にもいえ、俺は実際長男だったが次期国王は弟で正室の子なので問題ないが、俺のように庶民の息子、娘もいたのを全て王族として扱う事にしたようだ。
俺はいいのか?と聞いたが、いいらしい。
そしてその半数は遊び人だ。
今回の遊び人部隊でもかなり重要な立場だった弟や妹は皆庶子だ。
今まで爵位を持たなかった妹まで皆爵位持ちになり、暮らしは一変した。
そして俺は父に1つの許しを得た。
ユスティネを妻に迎える事だ。
だが問題はある。未だ彼女の体を治す手立てがない。
何とかしたいのだが、ギルドにも話を通しておくか。
そしてようやく落ち着きを取り戻した頃、何とデルクが生きて戻って来たとヴィーベから連絡があった。
俺は王都に居たが、急ぎデルクに会うべく移動をした。
商会に顔を出したがデルクは既に去った後。
だがここでデルクはヴィーベに驚くべき物を託していた。
【オークの睾丸】だ。
しかも色々ある。
中にはオークジェネラルの睾丸まであった。
これは然るべき調薬師及び薬剤師・調合師などと呼ばれる薬を統合するジョブの者であれば妊娠薬を調合する事が可能だ。
腕の確かな薬師・・・・色々なジョブがあるが、ここではもう面倒なので薬師としよう。そう、腕のいい薬師の手にかかればオークジェネラルの睾丸からは、約50%の確率で妊娠できる薬を調合してもらえる。
これはなんと男に精子を作る能力がなくとも、つまり男に睾丸がなくても、そして女に子宮がなくても妊娠できるという優れもの。
これはオークの備わっている繁殖率が強すぎる故の事なのだろうが、つまり妊娠できない、させる事の出来ない身体になっていたとしても、繁殖能力が復活するという事なのだ。
俺は急ぎ薬師に妊娠薬を作らせる事にし、最初にできた妊娠薬を手にし急ぎ修道院へ向かった。
勿論ここにデルクが来る可能性は考慮していた。
何せデルクと共に行方不明になった少女は修道院出身だったので、修道院にも顔を出す可能性があったからだ。
本来はギルドにも顔を出すべきなのだが、あそこのギルマスは怪しいので避けていた。
怪しいというよりも遊び人部隊で監視をしているのだ。
どうも教会と繋がっているようなので、何かしら動きがあるのでは、と。
そして俺はユスティネに会った。
「ユスティネ、約束を果たしに来た。」
「トゥ、トゥーニス様どうしましたの?」
俺はオークジェネラルの睾丸から作られた妊娠薬をユスティネに渡す。
「ああ!これは、もしや妊娠薬では?しかし並の妊娠薬では妊娠しませんわ。」
俺は何度か試したのだ。だがユスティネは妊娠しなかった。だがこれは50%の確率で妊娠するはず。
それを複数持ってきた。
「だがこれはオークジェネラルの睾丸からできたものだ。」
「ジェネラルの?では・・・・」
「ああそうだ!これがあれば妊娠できる!ユスティネ!」
「トゥーニス様!」
そして俺はユスティネをベッドへ押し倒し、愛し合った。
途中で強者の気配を感じたが、調べるのは後でいいだろう。
事が終わり、満ち足りた俺とユスティネ。
流石に今すぐ妊娠したかどうかは調べられないが、部屋に連絡が入った。
デルクとセシルという娘がここにきている、と。
俺とユスティネは急ぎ会いに行った。
強者の気配はデルクだった。
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