第209話 トゥーニス その9
俺は愛するユスティネのため教会と徹底的に争う事にした。
勿論、建前は国の為、そして弟子や仲間の未来のため。
どう足掻いても俺は教会に関し相容れる事ができないのだ。
何処かで妥協?それは無理だ。
妥協できる要素がない。
絶対的な条件としては、
遊び人に対する扱いを改める事がまず1つ。
回復魔法の独占を見直し、庶民に優しい値段で治療を行ってもらう事が1つ。
選定及び転職、つまりジョブチェンジの独占の廃止。特にジョブチェンジ時の教会への寄進名目での高額な金額の見直し。
恐らく受け入れないだろう。
場合によれば回復魔法は受け入れるかもしれぬが、他の項目は無理だろう。
今まで教会で司祭以上の役職持ちのみで独占状態だったが、これは遊び人がジョブチェンジする事で賄える。
そして教会の独占だった色々な事柄を遊び人に行使されると教会の権威が失墜・・・・今更だが・・・・それ故遊び人を教会としては受け入れるのは難しいだろう。
仕方がないので俺は遊び人の組織を大々的に拡大する事にした。
今までは教会の動きに注意しながら後手に回っていた対応だが、今後はこちらから攻めの対応だ。
父である国王も俺の立ち上げた遊び人部隊を全面的にバックアップしてくれ、国の組織でどんどん遊び人を探し交渉をし、仲間にしていく。
そう、仲間だ。
組織故に上下関係が出来るのは仕方がないし、それを否定はしない。
だが、ここに集ってくれた遊び人は皆それぞれ教会に対し思う所があるはず。
そして教会を相手取るには個では無理だ。
遊び人が一致団結してこそ教会と互角以上に争える。
そして時間をかけ、遊び人をそれぞれの職人ギルドへ浸透させ、特に商人ギルドと冒険者ギルドには力を入れ、経済と人的に有利にしていく。
ただ都市によっては職人のギルドが存在せず、冒険者ギルドのみが存在し・・・・だから冒険者ギルドは一般的にギルドと称されるのだが・・・・ギルドが一括して業務にあたる。
そして商人ギルドを抑えれば、経済活動を支配できるので、外堀をしっかり埋めつつ、内堀も崩していく。
そう、教会内部、特に上層部は腐った組織だが中には正しい、正義の志で活動している教会のメンバーもいる。
そう言った人物に接触をし、理解してもらい同志に迎え入れた。
実際には国から教会の勢力を一掃するので同志になってもらったとはいえ、いずれ国外追放となるのだが、その後教会総本部があると言われる皇国に影響を与えられればと思い、理解を深めている。
もう教会という組織は既に内部崩壊している。
特に上層部がだ。
だが、先程も触れたがしっかりとした理念、信念で活動している教会の人間もいる。
いずれそう言った人物が教会の中枢で活躍できれば、世界はいい方向に変わる。
そして遊び人部隊は教会の組織と全面的に争い、勝利した。
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