第187話 どう思う?
「パーティー登録の事、どう思う?」
僕は3人に問いかけます。
最初に反応したのは今までだんまりだったロース。
「わからないわ。私とレイナウトはダンジョンで活動している時って同じパーティメンバーが全部していたし。で、デルクとセシルちゃんに合流した後はデルクが全部やってくれていたからわかんないわ。」
最初のパーティー申請は向こうがしてくれていた、と。
「ロースの言う通りだデルク。僕とロースは見習いだったが、もう今はそうは思っていない。当時先輩冒険者がパーティー登録をしてくれてね。ただその時は確か僕とロースはギルドへ向かった記憶があるな。」
「よくそんな事まで覚えてるわねレイナウト。」
成程レイナウトとロースはギルドで登録したんだ。で、セシルはと言えば、
「私も同じ。ギルドでしてもらった。」
セシルも同じ。
じゃあ何で僕は違うのかな?
するとレイナウトが、
「今更だが何故デルクはダンジョンでパーティー登録を変更できたんだ?普通はできないはずだ。」
出来ないんだ?
「遊び人にパーティー申請を行うスキルか能力があるかしら?」
ロースも疑問に思うのか、そんな事を聞いてきますが遊び人のスキルにそんなのないよ?
「いやないよそんなのは。そもそも遊び人の特徴は言ってみればジョブチェンジだからね。それはジョブによるユニークスキルだよね。僕のスキルにはそんな特殊なスキルはないよ。」
以前レイナウト達もそれぞれのカードを確認しているので、僕の所持しているスキルも知っているはず。
「確かに活用方法の分からないスキルは持っていなかったな。じゃあ何か?隠れスキルとでもいうのか、遊び人がジョブチェンジできるのと同義で、パーティー登録も自在にできるって事かい?」
もしそうならどうなのかな?
僕としては普通にやっていたんだけど、普通じゃなかった?
幾つかの可能性はあるものの、ヴィーベさんも普通にその場でパーティー登録をしてくれていたので、僕はそういうのだと思っていました。
だけどヴィーベさんが出来て他の人にはできない。
ならば遊び人の能力でしょうか。
後でリニさんにも確認しよう。あ、今はトゥーニスさんがいるから後で聞いておこう。
「一応先輩遊び人見習いもパーティー登録って自分でやっていたと思うから、遊び人の能力かも。」
「そうか。遊び人って万能だな。だがデルクを見て思うが何で遊び人なんだ?何かおかしと思わないか。遊んでいる人とはかけ離れている。本当は違うジョブ名なんじゃないか?」
遊び人ではないとすれば本来何ていう名前なんだろう?
自由人?
そもそも遊びとは遊んでいるという意味じゃなさそう。
この時実はこの事が、この世界が抱える問題の一つだとは思ってもみませんでした。
幸いにしてこの問題はこれ以上深く考えなかったのですが、もしこれ以上追及、若しくは疑問を解決しようとしていたら、何らかの干渉を受ける事になったなど、この時は知る由もありませんでした。
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