第188話 再びマウト女史と
一応4人で現状の認識を確認し意見を交換し合ったのですが、いつまでも人を待たすのもどうかと思い、話はここまでにし、マウト女史を呼びます。
「もういいのか?」
「はい。」
マウト女史が座ります。
「改めて呼び出してすまなかった。街を救ってもらい、感謝する。そして悪いとは思ったのだが、先だっての依頼で街に蔓延る膿を出させてもらった。」
マウト女史からの説明を掻い摘んでいくと、冒険者に高額の依頼を受けてもらい、依頼を全うすれば高額の依頼料を手にしますが、依頼は魔物を仕留めた後にドロップしたアイテムの回収。
しかし普通の冒険者では手に入らないような下層の魔物がドロップしたアイテムも多数落ちていて、その誘惑に勝てなかった愚か者をバッサリと処分したようです。
予め依頼を受けた冒険者にはしっかり釘を刺していたようですが、バレなければ、と誘惑に勝てなかった冒険者が多数いたようです。
「それと収納かばんは全て回収した。確認してくれないか。それと回収したアイテムは一部を除き全て換金させてもらった。まあ一部というのは下層の魔物が落とすアイテムでも貴重なアイテムを残した。それも収納かばんにまとめてある。」
買取できなかったのかな?
まあ貸した収納かばんは全てあるようです。
収納かばんを持ったまま逃げようとした冒険者もいたようですが、買えばいいのにと思う僕。
「どうして買わないのでしょうか?」
「うん?何をだ?」
「収納かばんをですよ。」
マウト女史が固まっています。
「デルク殿、まさかとは思うが、収納かばんがそこらに売っているとでも思ってはいまいな?」
「え?売っていないのですか?」
僕は驚きました。
スキルを持っていれば誰でも作れそうなのですが、どうして売ってないのでしょうか?
「そもそも収納かばんを作る事の出来る者は国中探しても殆どいまい。それにもし作れたとして、殆どは失敗するそうだ。よしんば収納かばんが出来たとして、市場に出回る事は殆どない。国か貴族が買う。若しくは大商会が手に入れようと大金をはたいて手に入れようとする。万が一市場に流れても高額すぎて普通の冒険者では手に入らん。」
僕は驚きました。
ちゃんとスキルレベル上げを行えば、製作するのはそんなに難しくないからです。
まあスキルが低いうちは沢山失敗していましたが。
「知りませんでした。でもトゥーニスさんは持っていましたよ。」
「馬鹿を言え。あれは国王陛下が庶子とはいえ、息子に持たせたものだ。」
うわあ、そうだったんだ。知らなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます