第162話 レイナウトとセシルの無双ぶり
精霊による周囲の魔力・・・・ダンジョンから溢れているのは、魔力になる前の魔素らしいんだけど、この時はその違いが分かりませんでした。
つまりダンジョンからは魔素があふれ出し、それを消費するには精霊による魔力の行使・・・・精霊はこの溢れている魔素を魔力に変換するのが得意?
【まあ私達の食事みたいなものね!】
光の精霊のフォスさんからありがたいお言葉が。
まだ僕は精霊に関しては殆ど理解していないので、なんのこっちゃ?なのですが。
僕とロースの精霊が街の周囲でどんどん魔物を仕留めていくと少し余裕ができ、
「おお!流石はデルクだ!もうこんなに精霊を使役できているとか、やっぱり君は天才だね!」
いきなり現れたと思ったら、誉め言葉の大盤振る舞い。
「言いすぎだよレイナウト。それよりもうこっちに来ていいのかい?」
「ロースがいるからいいんだよ。さて、そろそろ僕が下へ降りても問題なさそうだな。」
「直接戦うのかい?」
「ああ、魔剣の能力を発揮できそうだし、そろそろ僕も本格的に体を動かしておきたくてね。」
「わかったけれど、僕も行こうか?」
「デルクが行くなら私も行く。」
「じゃあ3人で行こうか?ロースは駄目だよ。」
「なんで私だけ仲間ハズレなのよ!もう一体精霊を召喚するから!精霊に護ってもらうから大丈夫よ!」
精霊が多数の魔物を仕留めたとはいえ、まだまだ魔物の数は多く、普通の人からしたら、このまま魔物の所へ向かうのは自殺行為に見えるだろうなあとか思いながら準備を。
「おい!危険だからやめなさい!」
と、街の防御を担う兵隊さんかな?から注意でいいのかな?呼びかけもありましたが今の僕達ならあの程度の魔物相手であれば問題ないはず。
「ご忠告ありがとうございます。しかし問題ないので心配は無用です。」
「しかし!君達まだ新米冒険者だろう?」
「まあ見ていて下さい。」
「いやしかし・・・・」
僕とレイナウトは4人を1か所へ集め、フライをかけ壁の上から街の外へ降り立ちました。
「た、大変だ!新米冒険者が街の外へ降りたぞ!」
街中、僕達の事で大騒ぎになった様子。
「き、君達いくらなんでも危険すぎる!戻りなさい!」
いつの間にか副ギルドマスターさんがやって来たみたい。
着替えも終わっているし。あれを掛けられた事による精神的なダメージは大丈夫だったのかな?
そんな中早速レイナウトが剣を構え、手にした剣へ魔力を込めているようです。
「行くぞ!」
そう掛け声をしたと思うと、レイナウトは剣を一閃。
すると剣からから光が放たれ、その先に居た魔物がレイナウトが放った光に触れたと思うと、魔物は上下に分かれどんどんドロップアイテムに・・・・流石はレイナウト!
「おお!いい感じだ!」
ダンジョンでは魔力が無くなる事を恐れ使わなかったこの斬撃。
「デルク、私もやってみる。」
セシルの剣にはそのような機能は・・・・無かったはずだよね?
「私の場合魔力を剣先に込め、そのまま相手にぶつける。」
するとセシルは目標を定め、剣先に魔力が集中?
そして相手、つまり魔物に向け振りぬくと、レイナウトと違い光の塊みたいなのが放たれ・・・・魔物の身体に当たったと思うと、そのまま光が貫通し、さらに後方に居た魔物にどんどん触れては魔物を仕留めていく。
「成功。」
うわあ、流石は本職。
そしてレイナウトもそうだけれど、セシルもセンスが凄い。
城壁の上を見ると、呆然と僕達を見つめる副ギルドマスターと、兵士達の姿が。
「じゃあ僕は魔法を使ってみようかな。」
僕は風の魔法を魔物に向け放ちます。
かまいたちみたいな鋭い奴。
適当に放ったはずだけど・・・・どんどん広範囲に広がるその風の刃。
当たった魔物は全てドロップアイテムに変わり・・・・遠くに見えた硬い岩に当たるまで魔法が飛んでいきました。
あ、人って居なかったよね?
後、今いる魔物はダンジョンから湧いたからいいけれど、もしこの魔物が普通に地上で活動しているのだったら、素材の確保とかでこの様な魔法は避けるべき?
もし毛皮や皮がいるのなら、魔法や斬撃で痛めてしまうと価値が下がりそう。
「き・・・・君達のレベルが高いというのはカードで確認していたが、何だ今の威力は。」
その中にロースは含まれないんだけど、ロースが使役している精霊達は、僕がさっき使役した精霊とは違い戦い慣れています。
なので凄い勢いで魔物を仕留めているのですが、剣や魔法と違い個人的な見た目はじっとしているので何もしていないように見えてしまいます。
だけど数体の精霊を使役し、その精霊が恐ろしい勢いで魔物を仕留めるのはある意味脅威。
だけど誰もそれに気が付いていなさそう・・・・ちょっとかわいそうなロース。
ただ、この中で一番強いのはロースだと僕は思っているんです。
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