第149話 マウト・ハーンストラ
目の前で土下座をしている女性がどうやら次のギルマスさんになる流れですね。
僕はとんだ茶番に付き合わされたみたいです。
僕は土下座のようなのが嫌なので、強制的に止めてもらいました。
「そちらがデルク殿でよろしいか?まずはそちらの要件、見習いから冒険者への昇格、デルク殿は年齢とレベルが達成・・・・セシル殿は年齢が・・・・ただレベルが6を突破しているので例外を認めます。暫しお待ちを。」
僕達冒険者見習いは15歳になるまでにレベル5を目指します。
何故レベル5なのでしょう?
詳しくは分かりませんが、レベル5までは比較的レベルが上がりやすく、尚且つダンジョン上層で最低限生き延びるのに必要なレベルだとか。
更には中層へ向かうのに・・・・恐らく30層まで耐えうるレベルが5なのではないでしょうか?
そしてそれでも15歳という年齢制限があるのですが、これに関してはレベルが6を突破していれば例え10歳でも問題ないらしいです。
レベル6であればダンジョンの40層まで挑めるらしいです。
レベル7であれば50層、8であれば60層まで許可が下りるのだとか。
9ならば70層?
しかし70層以降は・・・・正確にはいくつだったか忘れましたが、今までの最高記録がこのあたり。
レベル10にならないと100層は厳しい?
ただ僕達はその100層を突破してきました。
それにレベル7の壁があって、レベル7に到達するのは相当時間がかかり、レベル8ともなれば街に数人いるかいないか。
9であれば国に何人いるのかと言うレベルらしいです。
ただこの街にも数人レベル9の人がいるらしいのですが・・・・どういう事?
そして僕とセシルの見習いから冒険者への昇格手続きはあっさりと終わりました。
そして副ギルマスさんが、
「聞けば昨日ダンジョンから帰還したとか。まずは無事の帰還おめでとう!そして今は3年前と違い教会の勢力をこの街から駆逐する事に成功している。遊び人という事での危険は相当無くなったはずだ。ただ古い思考の輩がどう出るか分からない。しかしながらデルク殿のレベルなら問題なかろう。」
中々男前な副ギルマスさん。
土下座から立ちなおっての対応は見事としか言いようがなく、実質ギルドは彼女を中心に運営していたのだろうと簡単に推察できます。
そしてたまに部下?がやってきて、
「あのデブの身柄を確保いたしました。如何なさいますか?」
「身内の恥だが、まさか秘密裏に処理するわけにもいかぬ。敢えて全て晒すのだ。そして社会的に抹殺しろ。出来るな?」
「お任せを。そしてついでと言っては何ですが、デブの子飼いも?」
「可能か?そうであれば任せる。」
「かしこまりました。」
・・・・スキル持ち?音もなく消え去りましたがどういう事かいまいち分かりません。
「すまないな。この際だからギルドに溜まった膿を一掃しておきたくてね。とんだ茶番に付き合わせてしまったようだ。それと・・・・実際ダンジョンを突破したのかい?」
「それは・・・・」
「別に秘匿したければそうしたらいいが、もし100層を攻略したというのであれば、近いうちにダンジョンに変化があるだろう?」
「え?そうなんですか?」
「ああそうだ。因みに100層が最後だったのだろうか?」
「・・・・その、何故100層が最後なんですか?」
思わずそうですと応えそうになっちゃった。この女性、別に悪意はないのでしょうが誘導が上手い!さり気無く応えそうになってしまった。
「違うのか?ダンジョンの構成から100層と誰もが思っているのだがな。まあそんな事はどうでもいい。それよりもだ、ダンジョンの【核】は破壊してはいまいな?」
「【核】って何ですか?」
「ダンジョンの最下層に鎮座しているダンジョンのエネルギー源と言われている。いや違うんだ。そうじゃない。ダンジョン最下層の更に下から湧き出る魔素、それをダンジョンで利用できるよう変換する装置と言うべきか魔石と言うべきか、それが【核】だ。」
そう言えば一説によればダンジョンはこの湧き出る魔素を利用するべく誕生した施設だとか。
そしてその魔素を利用し魔物やアイテム、そしてダンジョンの維持をしているとか。
まあこれはあくまで仮説らしいですが、今度誰だっけ?えっと・・・・デルタさんだ。デルタさんに聞いてみよう。
あ!ダンジョンを修復するとかも言っていたし、ここはきちんと説明しておくべき?
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