セシル

第132話 久しぶりの外

 4人は久しぶりに外に出る。

 デルクとセシルは2年以上ダンジョンで過ごした事になるはず。

 実際は2年半以上。


 レイナウトとロースも2年程ダンジョンで過ごしたので、ずいぶんと久しぶりの外。


 しかしダンジョンは不思議な空間で、日に当たらなくても健康に影響が出ない。

 つまり何らかの仕掛けか何かで、ある意味外にいるのと同じ環境が構築されているという事。


 ダンジョンを攻略する場合、特に下層を目指す場合は数ヶ月かかるのが当たり前。

 それ故に容量が小さくても収納かばんが必須。


 そしてこのダンジョンには5層毎に安全地帯たる【家】が存在し、しかも魔物や魔獣、つまり戦う必要のある存在の居る場所には決まりがあり、実質そのエリア以外は全て安全。

 尤も人間に関してはその限りではないので、危険が皆無なわけではない。


 そしてデルク達が外に出てこれからどうする?と言う事になり、1週間後にまたこのダンジョンの100層へ、渡された道具を用い向かう事以外決めておらず、街に行くにしろまずは話ておかないと・・・・何でさっき魔法陣で外へ出る前に確認しておかなかったのだろうと、デルクは少し落ち込む。


 しかしそれは仕方がない。

 何せ数年ぶりに外に出らるのだから、誰もが程度の差こそあれ興奮してしまったので、通常の判断ができず思考能力に影響が出てしまったのは致し方がない。


 で、まずレイナウトとロースは2人で1週間過ごす事にするのだとか。


「まあ街に戻ってどうなるか分からないけれど、まずは僕達を突き落とした先輩達の確認と、その後の僕達に対する扱いを確認しないと。後は冒険者ギルドへ向かう。まあ何かあっても僕達のレベルなら、余程の達人から襲撃を受けない限りは問題ないはず。」


「まあそういう事だから、私はレイナウトと行動を共にするわ。でも1週間後はここへ来るし、その後はね、多分デルク達とパーティーを組んで何処かに行く事になるんじゃないかって思っているんだけど、どうかな?」


 今更だけど、レイナウトとロース、そしてセシル。4人でパーティーを組むのはもはや必然じゃないかな。


「まあ僕としても気心の知れたデルク達と行動を共にできるのはありがたいからね、そうなる事を望んではいるよ。それは1週間後にきちんと決めよう。」


 そう言ってレイナウトとロースはデルク達の元を去っていく。

 残されたデルクとセシル。

「セシルはどうする?」


「ん。確認したい事があるから、一度修道院に戻る。明日ギルドで待ち合わせでいい?」


 珍しくセシルからのこう言った提案。

「そうだね。僕もお世話になったトゥーニスさんや先輩達、ヴィーベさんやリニさんの事が気になるから、街に戻ったら解散して、明日ギルドで会おう。」


「わかった。」


 こうしてデルクとセシルは街に戻るのだが、この時デルクとセシルは大いなるミスをしていたのだが、この時は気付く事もなかった・・・・

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