第124話 スキルを使用しての修復
デルクは何故と思う。
『修復できるような職業にジョブチェンジした事ってないんだけど?』
色々な道具を作ったりはできるけれど、故障した物を修復したりはできない。
そう思うデルクだが、目の前にいるデルタと名乗る女性がそれに対し、
【修復せすとも、壊れた部品を製作して頂ければその部品で修理が可能です。】
成程そういう事か・・・・と思いたいけれど、どう考えてもデルクはこの女性が求めている部品が、自分に作れるとは到底思えず、
「えっと、ダンジョンに関わるような高度な部品を僕では作れませんよ?」
【問題ありません。デルク様のスキルとレベルで対応可能でございます。】
「理解できませんが、修復する場所を、つまり故障している部分を一度見せてもらえませんか?」
デルクはまだ警戒しているが、このままここに居てもどうにもならないだろうと判断。
【ではついてきて下さいませ。】
・・・・
・・・
・・
・
デルクが案内された先は、何やら色々な表示のある板が沢山並んでいて、それらは機能しているようで、デルクは向かった先の一点を見ています。
「あの、壁に穴が開いていますが?」
【ええ、あなた方が大穴と呼んでいる穴は、この場からのエネルギーの放出によるものです。そしてそのせいで壁が破壊され、壁付近の機材も損傷いたしました。幸い予備の機器がございましたので、大事には至りませんでしたが、残念ながらケーブルの予備が足りません。損傷したケーブルはいくつかの機器を管理する魔素の変換装置へ繋がっており、尚且つ動力源となっておりまして、これらが損傷したままのせいで、ダンジョンの自動修復機能が機能せず、我々の言語を設定している機能も損なわれてしまい、私は言語を発生させるシステムが起動できない状態となっております。】
さっぱり分からない・・・・
でも線を作るだけなら簡単では?
【こちらがケーブルでございます。オリハルコンとミスリルの合金ですので、デルク様なら再現可能です。】
デルクはケーブルを受け取る。
そして鑑定を。
魔素変換ケーブル:魔素を効率よく設備のエネルギーに変換するのに必要なケーブル。オリハルコンとミスリルの合金製。
エネルギーが何か分かりませんが、魔素をこの装置が起動するのに必要な力に変換する。
それにこのケーブルが必要なのですね。
デルクはそう納得し、さてこのケーブルを自分だったら再現できるのかな?
そう思うも実際にはこのダンジョン、致命的な損傷は予備の部品を交換して対応済み。しかし問題なのは大量に損傷したケーブル。
一度に大量の損傷が発生したので、予備が足りない。
そしてこのケーブルがないと部品を新たに作る事が出来ない・・・・
『うーん、構造は簡単そうだから、できなくはない?』
実際オリハルコンとミスリルの合金を作り出す事が一番の問題なのだが、今のデルクならそれは可能。
【では、お願いいたします。】
いつの間にか受ける事になっている?
まあできなくはないしね・・・・
『あ、しかしただという訳にはいきませんよ?』
【対価ございますね。勿論ふさわしい品々や情報をご用意いたしております。】
よくわからないまま、わからない事を行おうとするデルクだった・・・・
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