第125話 大型の炉
デルクは鑑定の結果に困惑しつつ、
あれ?これなら錬成スキルで素材を混ぜる・・・・合金にできる・・・・事は簡単にできるのでは?
そう感じるのだが、通常この素材を合金にしてしまうのは相当レベルが高くないと無理だが、デルクはダンジョンでこの2つの素材を合金にできるだけのレベルに到達していた事でそう感じるのだった。
ただ、どうやって合金にしよう?
【デルク様の所持しています炉をこちらで設置、起動していただければ問題ございません。】
どうやら設置しても問題ない様子。
【ただ、デルク様でしたらこちらの設備を使用して頂く事が可能かもしれません。】
「炉があるんですか?」
炉を組み立てないで済むならその方がいいよね。後片付けもなかなか面倒ですし。
今回スキルを使用すると言っても、オリハルコンとミスリルを合金にするので、溶かさないといけない。
比率は分かっているので、後は溶かして混ぜ、使用する大きさに整えるだけ。
因みに挿し口?連結部分は何やら再現が厳しそうだが、
【ケーブルの断面にはこちらで接続いたしますので、ケーブルの両端は平面で構いません。】
差し込みを作る必要がないので安心したデルク。
「じゃあその炉を見せて下さい。」
【こちらでございます。】
・・・・
・・・
・・
・
デルクはデルタと名乗る女性の後についていき、道中色んな物を見たが、さっぱりわからなかった。
そして、
【こちらでございます。】
そう言って彼女が示したのは、デルクが見た事もない大きさの炉だった。
「うわ・・・・こんな大きいの見た事ないや。ドワーフのおじさん達が使用してる炉もこんなに大きくなかった。」
【では、基本的な操作は全てこちらで行いますので、デルク様は自身の言葉で構いませんので、指示をお願いいたします。温度やタイミングはデルク様の指示する単位をこちらで変換いたしますので。】
デルクは変換って何だろうと感じたが、
【今から扱う装置の指定言語はデルク様が使用されている言語とは違いますので、こちらで翻訳し操作いたします。】
「そうですか。ではまずこの炉を開けて下さい。そして僕の方で素材を投入します。投入が終わりましたら・・・・」
デルクはミスリルとオリハルコンが溶ける温度をデルタに伝え、早速作業を開始する。
しかし残された3人はどうなっているのかも気になり、確認すると、
【時間の流れが違いますので、こちらでデルク様が1日過ごしても、あちらでは1分程しか時間が経ちません。恐らくデルク様が一瞬消えてまた現れた、と言う状態になるかと思われます。】
それならいいんだけど、時間の流れが違う?
いったいこのダンジョンってなんだろう?そう思いつつもこの炉はとんでもない性能で、あっという間に2つの素材が溶けたので驚くデルクだった。
あれ?こんなに簡単なら何故この女性が作業しないんだろう?ダンジョンの管理人?ならダンジョン内の素材も回収する事できるんじゃ?
【申し訳ありませんが、お答え致しかねます。ただ、そう簡単にはいかないのでございます。】
謎な答弁に益々困惑するデルク。
まあ早く作って3人と合流しよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます