第91話 ざまぁ?

『あ゛――――――――』


 ??

 何かが上から落ちていきます。


「ぎゃあああ!!!!!!!!!!」

 あ、もう一つ。

「おい、あれって一瞬だったけど、人だよな?」

「うん、ええとあれって助けなくてよかった?囲いを出しておけば取り敢えず何とかなったんじゃ?」

 僕とレイナウトは困惑しています。


 助けられるなら助けたい。

 実際レイナウトとロースも何とか??結果としては囲いで助けたわけですし。

 まあ2人の場合、レイナウトの魔法で落下速度が相当落ちていた事も助かった要因ですけど。


 そしてロースが再び困惑しています。

「あ、あのね・・・・さっきの2人・・・・私と・・・・レイナウトを・・・・突き落とした冒険者みたい・・・・」


 え?それはどういう事?


「言いにくいんだけど、精霊にはわかるんだって。だからってそのまま見送るのはどうかと思ったんだけど、私も今聞かされたばかりだし。」


 別に責めてはいませんが、精霊ってそこまでわかるの?というかどうして精霊は知っていたの?


「あ、あのね、風の精霊ってずっと私に語り掛けてくれていたみたいなの。だけど精霊の格が高すぎてレベルの低い私では、精霊使いと言えども精霊を認識できなかったみたいで、だけど精霊は私が精霊使いになってからずっと近くに居たみたいなのよ。だから私が突き落とされた時も見ていたんだって。だけどだけどね、精霊は何もなければ人には干渉しないんだって。だから見ているだけだったって。」

 えっと、精霊は何をしたかったのかな?


「あ、ちょっと待ってね・・・・『え・ええ?いくらなんでもそれは・・・・まあありがとう・・・・』」

 どうやらロースは声を出して精霊と話をしているみたいです。


「あ、あのね、風の精霊がさっき落ちた冒険者の私に対する扱いが気に入らなかったみたいなのよ。だからさっきの冒険者が落散る・・・所をみんなに見せたかったんだって・・・・でいいのかな。ねえ精霊さん、落散るって何?落ちるんじゃないの?」


 何となく言いたい事はわかるけど、つまりは精霊・・・・風の精霊?はきっとロースを気に入っていたんだけど、そのお気に入りのロースに対する酷い扱いに怒りを覚えていたのでいいのか、ロースを突き落とした冒険者がどうやら何かしらの原因で大穴から落下せざるを得なくなり、それを敢えて僕達に見せた感じなのかな?

『え?いいきみだって?ざまぁ?ざまあって何?』


 ざまぁ?


「ええとね、【私が気に入っているロースちゃんに何してくれたのよ!だからそのまま大穴の下まで行ってらっしゃい!】だって。」


 それでいいのかな?

 まあ精霊を怒らせたら怖いんだって事は分かった。

 あとよくわからないけど、僕の傍にもいたんだよね?

 なんでだろう。

 精霊が近くに居ると、魔法にも影響があるのかな?

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